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敗戦後、横浜に集積されていた膨大なチーク材フリッチは、デンマークに接収され、船舶艤装材から家具へ活用_1945 -1975 北欧モダンデザインの隆盛期をもたらす。|Design from Denmark, Teak Flitchs from Yokohama. And the Danish Modern Furniture Design had been developed with the requisitioned teakwood after World War II.|木材資源を狙う戦争準備と結末、経済復興による産業デザイン振興のハイライトと舞台裏の史実 「木と政治 」- 04

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

デンマークに接収されたチーク材をふんだんに使えた1945 – 1975_ 多くの優れた建築・家具デザイナーが手がけた 隆盛期の輸出家具産業は、民生デザイン開発を先導する経済成長を遂げ、産業経済復興に役立ちました。

チーク材の船舶艤装用から、家具・室内・建築分野での応用が直ぐにはじまり、北欧モダーンデザイン振興の契機となりました。熱帯林高級チーク材がふんだんに使われた時代です。

 

CADO Collection 1945 -1975 -1981

Design; Poul Cadovius

Contents:

CADO  Collections

ORIGN

COLORATION AND STRUCTUER

Facts of Wood :Facts about Wood TEAK(チーク材・抜粋)

USE

Teak has been used for many purposes long before it was though of furniture- among them ships.  its manny possibilities for  furniture were actually first discovered by Scandinavian cabinet makers after World War II.

They developed new forms of surface treatment which emphasized the special character of real teak and made it more alive.

船舶艤装材から家具用材への応用とオイル仕上げ塗装技術がはじまります。

当初は、アマニ油に溶剤等を加えた「チークオイル」による含浸塗装が考案され、それまでの下地処理や塗装工程を簡略にできるので各地に拡がりました。チーク材面の「浸透濡れ」が深みを増し、木理が活き活きとしてくる仕上がりが特長です。

The Wegner Chairs   PP MØBELER  /  Toftevej 30, 3450 Allerød, Denmark   by Knoll International NY.USA

 チーク材フリッチの海路輸送と等化石・現生植物分布図

木材資源の利用圏と森林植生に関する重要な図版に注目して、色分け・海上輸送ルート線画を上書きします。

■ チーク材フリッチの海上輸送経路線と等化石・現生植物域等温域を重ねる

タイ・ビルマから集材したチークフリッチ材は、戦前から横浜に集積されて敗戦後にデンマークへ接収され、22.000海里  40.700km の海路を運ばれ、デンマーク輸出家具高級テーブル、デスク、イス、箱物家具として欧米各国へ渡り、日本にも戻りました。

北ヨーロッパ・北欧までのの共通樹木分布帶・経度をみるため、バンコックー横浜ーコペンハーゲン間の船舶輸送航路を既往の研究にある等植物群・等温線分布図に上書きしてみます。

S;「メタセコイヤ」ー生ける化石植物ー 三木 茂 1955

・第28図 北半球の始新世における等化石植物の分布図

・第27図 北半球に於ける現生植物と一月の等温線の分布図

 (R.W. CHANEY 教授1940年の報告による)

 

■ 北欧家具メーカーカタログ・営業販売資料は、コペンハーゲン Den Parmanente, Bella Centre・STC  Scandinavan Trade Centreにて収集。1975 – 1981

システム家具製品デザイン資料は、CADO 社 Poul Cadovius 氏等から拝受したものです。当時、店装ディスプレイ・KDキットファニチャーの製品化で躍進され、一世を風靡したAbstructa 1968 、CUBEX 1971 ジョイント構造家具デザインの詳細を伺うことができました。

ジョイント部分は、組立て分解だけでなく、製造と移動方式、デザイン機能と構造全体を支配するのもの_考案者に直節お会いし、その製品化や販売・流通までのエピソードを伺うのも重要なノウハウなのです。

Design  from Scandinavia:

■ 高級家具の脚切り材:「テーブル館(田園調布 デンマーク輸入家具販売)テーブル脚材やTRANEKARE モザイク寄せ木デスクの購入でお世話になりました。

■フリッチFlitch :原木丸太を単板にする為に適当な角材にするもので「ピン角」直角と辺材の丸味が残る「ナデ角」の粗挽きがあります。

太角材は、自然乾燥によるヒビ割れをとめる処置が必要ですが、二つ割にしたり、芯持ち柱使いにする塲合は、背割りを入れて寝かせました。

■ チークオイルは、メーカーに依ってその組成が多少異なり、長年使われている代表的なものでは、樹脂分15%、植物物性乾性油分23%、溶剤、乾燥剤、稀釈剤です。

江戸時代には、丸太原木を角にして頭部に貫通穴をあけた「榑木クレキ」が山間部から木場へと送り出されました。樹皮・辺材白太を落とし、角材にして河川流送で搬ぶ出材です。

角材にするメリットは、現地で原木の品質を把握でき、港湾での積込みや倉庫内ストックに利便性が高いマテリアルハンドリングでした。ヒビ割れを抑え、外皮・内皮から拡がる虫喰いを防ぐ材料管理の基本です。

優れた材料がなければ、ものつくりも、研究も、暮らしも成り立ちません。

良質チーク材は、船舶艤装用にタイ・ビルマから集積したものでした、現地で兵員が人力伐採するのではなく、軍需物資の調達は開戦前に行われており、搬出と膨大な集積の保管ボリューム、接収記録も残っていると思料します。

関連コンテンツ:

・北欧家具モダーンデザインの繁栄『DESIGN from SCANDINAVIA』全巻   http://kurayuki.abeshoten.jp/collection/design-from-scandinavia

・Mobillia 月刊誌:デンマーク・北欧家具インテリアデザインの本流 http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/1318

・ジョイントシステム/デザイン事例リソース md Meoble design/ Germany http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/1516

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木の総合学研究 2025 「チークフリッチ材集積と敗戦後の接収」「船舶艤装材から家具用材への応用とオイル仕上げ含浸塗装技術」「モダン家具デザイン開発のイニシエーション」

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