メッセージ

「ジョイントシステム」に関するデザイン研究開発から「総合学」へ

 

人体をはじめ、機械・建築まで、あらゆる構造体・機構はその構成要素・パーツの結合・接合・結びつき、つながりで成り立っています。普遍的には、「ジョイント」で成り立っているということが出来ます。歴史的に見ると、人類がはじめに考案・発明したジョイントは、木材の接合・組み合わせからでした。現代のエレクトロニクス分野でも最先端ハイテクノロジーに「木のもの」が大きく関与しています。

従来の専門分野をこえて、あらゆる事象・モノを把握し、総合的に研究することは、見過ごされてきたものの再発見、それぞれの関係性・新しい視点でのとらえ方が可能になります。また、様々な技術や知識の組み合わせ・結合力が創造的なアイデアを生み出し、イノベーションにつながり、新製品開発が実現して新しい産業活動に貢献します。そして、既知の学問・研究成果を再評価するとともに、専門分化された知見を統合し、さらに拡張する取り組みや様々な英知を結集することにもなります。

「木と人間のかかわり」を包括的に研究することは、環境・資源・産業・文化・医療、芸術等の各分野での新たな発見や工夫・問題解決の方策を生みだし、課題に対処することができます。多彩な技能・才能を育成し、もの作りをはじめ、集積されたノウハウが次世代に継承され、クリエィティブな仕事に反映されていきます。

総合的に研究や開発をするということは、より大きな可能性を実現し、効果的な成果をもたらすために行われますが、「ジョイント」の手法自体が、その基本的なアプローチやアイデアを方向付け、新しいプロセスやステージを拓きます。「ジョイント」は、結合、接合、むすびつき、組合わせ、合体、統合、協同・連携・関連等の「つなぎ」のイメージを合わせ持ち、研究開発の手法として有効なオペレーションに役立ちます。言い換えれば、総合化・総合的な研究は、ジョイントシステムにより構築されます。

現代は、コンピューター・インターネットIT技術の発展により、グローバルな結びつきが飛躍的に拡大していますが、あらゆる分野の研究・知見・技術・技能とデザインなどを検索・集積する事が出来るようになりました。デジタルデータ化されない、長い時間を経過して継承されてきた職能や現場のノウハウ等も散逸する前に収録し、記録資料としてデータベース化していきたいと思います。

「木」に関する多様な研究資料は、樹木との関係が深い日本には、関連職業も多く、伝統生活文化遺産が現存し、研究対象はまだてづかずのものがあります。環境・資源重視の時代に、イニシアティブをとり、発展さていきたい世界に貢献できる分野のひとつです。今までの科学技術は、細分化・分析の方向でしたが、総合的なアプローチは、逆の統合・集積の方向で、まさしく、これからの研究課題です。

総合的に樹木と人の関わりを伝え、教育する従来のカテゴリーを越えた新しい高等専門教科が必要です。「木」は、人が再生・循環出来る唯一の貴重な生存資源なのです。生存持続への根源的な問いへの探究は、本当に必須になりました。

(*「総合的研究」英文例は、Comprehensive Study, General Study , Synthetic Study, Over All  等があります。「木の総合学」は、木と人間のかかわりに関して、自然 – 人然、新羅万象を研究対象としているため適当な訳語は、見あたりませんので新造語を考案したいと考えています)

人は、木から離れては生きていけない。

木の総合学研究から「木の研究所」をはじめる

大震災以来、再生エネルギー・循環再生資源・グリーンテクノロジーへのシフトが大きく取り上げられてきました。

人は、森林・樹木からうまれ、長い時間を経て現在の高度工業化社会・文明を造り出しました。激変した自然に対する再認識とともに、生存そのものを根源的に思考し、様々な問題を根本的に解決するには、木と人間のかかわりを総合的に研究する「木の研究所・木の高等専門大学」が必要となってきました。

この国には、豊かな自然とともに木の文化をはぐくんできた多様な長い独自の歴史があります。未来がかすんでしまうな現在の社会環境の変化に対処するためにも、木と人間のかかわりの重要性を伝えて参ります。「人は、木から離れては生きていけない」いきものです。

環境・資源・生活・文化・産業・教育・医療・芸術・科学技術の各領域から「木と人のかかわり」を総合的に、かつ実学として考究しようとする次世代にメッセージを送ります。

 

木の総合学

 

 現在、「木」の総合学域として位置づけている日本語のカテゴリーから照合し、ドイツ語とフィンランド語に抽出すると、ドイツ圏では関連共通の項目が多く、北欧フィンランド語ではニュアンスが違います。類似がなく別の習慣風俗では近いものがあます。

多言語の共通語彙やその連関を明らかにする試みは、自然風土や生活環境条件に大きく左右される違いが大きく、独自の文化圏であることを感じるようになりました。「食」文化と同じように、「木」と人間の関わりの基層は、ネイティブ樹種が支配し民族性が特異に現れます。 有史以来、環境・資源に依存してきた暮らし方に整った多様な姿です。

「木」の総合学域の思考・手法について:別稿

 星座イメージが生まれるように繋がりを導き、理論構成に還元できるジョイントシステムを根幹に自然と共に暮らしが整う学識・技能を目指して|A comprehensive research method to have, to be with Tree-Wood on JOINT-SYTEM.「木」の総合学研究は進捗します。http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/41931