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良質堅木の長期自然乾燥・寝かせ約20年、樹体内部でおきている重要な抗体生成分泌腺・器官の有機反応は、そのままの様子が鮮やかに顕れます。|Invisible shaping of ABES (Anti-Blastic Essential Secretion )glands were appeared in sight of real activity beyond human comprehension in about 20yrs.|卓越斧鉈割りオペレーション 木の内科 -133

含有水分がゆっくり下がり、組織細胞が落ち着くまでの長い時間でしたが、肥大成長と同時に防御物質を内分泌しながら材色も造りだす様子をつきとめました。逸材には、発達した抗体の生成分泌腺・器官が現れてきます。
樹幹の要所にできる組織は、次第に輪郭と色差が顕れ、ミクロの有機化学合成を行う部分は、固有の仕組みを整えるがことを察知できます。人知の及ばぬ世界ですが、生命の鮮やかな彩色に目を見張ります。美しい木理・材色を造り出す、重要なオーガニック分泌をご覧下さい。
前稿に記載した 4樹種_アサダ(白)、刺桐ハリギリ・栓、オニグルミ、シウリの抗菌・抗体反応組織の機動を明らかにかにします。(針葉樹種の抗体生成・分泌は別稿に記載)
共通して
・斧鉈割りで木理・分泌組織を傷めず、割肌はパックリ顕れ、崩れずに形・色調が顕れ、輪郭は鮮明です。
・分泌体には、柾目にできる扁平縦形と屈曲部に顕れる塊状、楕円、不定形のものがあります。
・各樹種の抗体組織には、生成する有機生化学反応を担う酵素(微細白粒)が取り憑き
・赤や濃紫色の反応界面と肉色が充満層の融着がおき、外側に吐出分泌、滲み出して
・基質養分の吸収から抗体発出へ到るオーガニック組織の連続的な動きを識ることができます。
・中間抗体分泌源は、肥大成長が伸びる部分に結着するとともに、木理が樹皮側に膨らむ。
①アサダ(白) ②刺桐ハリギリ・栓 ③オニグルミ ④シウリ の見ええる細部を記載します。
❶ アサダ(白)
微細白粒は、抗体の生成反応を担う酵素の残留です。
ツイン増幅体も現れ、色変で周縁に拡がる様子がみえます。内部構造は複雑に詰まってみえます。
❷ 刺桐ハリギリ・栓
❸ オニグルミ
扁平分泌腺を柾目に造り出して材色を増幅_タンニン成分の結着
材色は、芯央に生命維持物質が蓄積されたもので主にタンニン類です。
森林学・木材学専門教科で教えてきた「芯材は、生命活動をやめたとか死んでいる組織」ではありません。立木は、紫外線から身を護り、抗菌作用や黴・菌類・微生物・蟲の防御、受創ダメージを塞ぎ治癒しているのです。
❹ シウリ
長尺・太径の良質材には、この抗体生成分泌組織が結着しますので入節・端節や脂溜・抗体分泌腺は文句をつける欠点ではなかった_かけがえのない様々な有機物質の集積がおきています。
色差で生成・分泌が見えるオーガニック器官斷面:段階的に造り出すプロセスが凝縮一体化され、ミクロの化学合成・分泌装置のイメージ
下方からの養分基質の取り込み ↑ 酵素反応による生成物の充満(貯め溜まり)→ 外部吐出・周縁部への滲み出し↑、外側・上方への分泌移動・拡散がおきています。局部の代謝は、細胞間の浸透圧で動いていると想像しますが、製造量を調整したり、感知制御する外部メカニズムは見当たりません。自律的な稼働か、統合組織が存在するのか 未知の領域です。
「基質」養分の取り込みから、酵素による真っ赤な「臨界」と擁護周縁部分の滲みから、有機反応プロセス・分泌排出までを具に診ることができます。生命の根源は、まさしく赤いのです。
隣接・結合している擁護付随部に異色があり、反応促進を支援する部位にも見えます。生命の色彩と脈動そのものです。
優良材質を造りだす見えないバイタル組織
この抗体分泌組織は、肥大成長する大径木・良質材に必須の生命維持組織であり、辺材の伸長により芯央辺縁から現れます。不良欠点とみるのは不見識であり、大事な付随組織が見落されてきました。
外形だけでなく、内分泌化学成分移動まで検知するには、侵入微生物・抗菌バリア防御や芯央材色への取り込み、節元・枝葉への供給など、体内物質の移動にも連動しているようです。
堅木の寝かせ 20年
長い時間の色変で組織の輪郭が安定し、更に斧鉈木割りにより、木成キナリ細部まで鮮明になりました。未だ誰も観たことがないのです。ゆっくり20年待つのも苦業に近いのですが、「木味キアジ」が良くなり、古代から「樫は寝かせて使う」智恵が継承されてきました。
治癒・医療効果がある有機自然物質
樹性に備わる薬理作用は、染料や伝統技術、自然薬・漢方医療分野の知見・学識が多く、なんと「薬の80%は木の由来」でした。江戸中期の和漢方医療には、薬効のある樹木を植栽する「医絞イコウ」を推奨しており、病が依り付かない処方を自然木の生命維持力に見出します。
以上、バッサリ斧鉈割りサンプル作業の連続でしたが、冬に備えて薪割りの命も兼務しながら勤しみます。ご苦労さん。
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木の総合学研究は、マテリアルに留まらず、体を休め暮らしを整え、樹性を尊び、持続と循環を考究するものです。人体は、有機質・木の微細放散に感応しますから、受容センシビリティーや免疫衛生面にもシッカリ関与するのです。
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木の総合学研究 2025 「木がつくりだす成長肥大・防御物質」 「抗体の生成・防御・材色形成を担うオーガニック分泌腺・器官」「樹体内生命維持反応プロセスの考察」
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