「好感度自然素材」 | 「木」の神秘不思議 | 「木の力」恩恵 | 木の内科 | 木工 | 生命構造と機能
地上最高の美質「真性ホンジュラスマホガニー」煌びやかな輝きに裕福上層・権威筋が魅了され、木工師は木味にウットリしながら制作に励む極上材質、別格の品位|An endangered and exceptiinai quality of wood Honduras Mahogany, very facinated grain In memoriam nowdays.|船舶・家具・建築材に世界中から狙われて、伐り尽くされた絶滅種保護樹木の見えない、知らない樹性を明らかに 木の内科 -129

世界有数の木材専門書には、最も高級で貴重な熱帯木材「Honduras Mahogany」 に関する記述が見当たらず、伝聞は流布していても専門学識はゼロに等しく、実際の現物を知る練達の木工師は、「世界技術遺産」に近づきます。
20世紀後期、銘材業界筋では知れ渡り、高価で手が出せなかった垂涎の銘材でした。
原木玉切り、厚板揃いが判るマテリアルコネクション_トレーサビリティがわかる希有な業者間取引の2枚を購入。当時、伐採取引禁止木でしたから通関は不可能、船底バラストで運ばれてきたと思料します。
ホンジュラスマホガニー生材の妖変_マテリアルトリートメント
粗雑な木肌_銘木の雰囲気はありません。
この最後のホンジュラスマホガニー輸入原木は、既に伐採・取引禁止でしたが、2004年の秋に横浜港から町田市へ怪しく渡り、木材商を通じて流れ、長期自然乾燥・熟成変化を観ながら20年寝かせを経て、念願の研究用リアルサンプル材になりました。
実削すると、材質感、切削加工性・安定寸度、美性・品位の全てに驚きました。ズブナマが妖変するのです。
材質評価は、専門職の経験的知見が確かです。多くの銘材を実際に削り家具調度を制作してきた腕ききの現役に材質素性に関する技能や経験的知見を仰ぎます。
本稿、マホガニー材質に関するコンテンツは、「工房悠」杉山裕次郎卓越木工師の所見から始まります。(拙稿を補足、読み安く整える文才に感謝。)
✔️自然乾燥で動かず狂わない 暴れない
材種固有の特性でもあり、また大径木のものが多いだけに物理的安定性は高いようです。
(墨付けの際などに使う大きなスコヤ(2.5尺)、私はマホガニーの柾材で作っています)
✔️緻密で崩れない材組織_適度な堅さ・重量
芯央部追柾カット
気乾比重などは中庸ですが、精緻な加工にも破綻無く、緻密な加工に耐えます。
✔️「鉋仕上げ、研磨サンディング上がりが速い」
これは、いわゆる、世に数多ある、なんちゃってマホガニーの場合は、全くダメです。
アフリカマホガニーというモノをかなりの材積で使った事がありますが、
いくら鉋掛けしても、フカフカと毛羽立ち、まったく良い仕上がりにはならない。
対し、真正マホガニーは、実にシャープに仕上がります。シャキッと。
導管から細かいゴマのようなものが出てくることもあります。
✔️リボン杢
リボン杢が出る場合もありますが、この杢が主体の材はマホガニーでは無く、サペリの場合が多いでしょう。
以下、樹性・物性、材料学識を考究する手懸かりです。
□ 生木から狂わず、自然乾燥で不規則に動かず、安定した樹性
□ 魅了され、高貴な雰囲気が漂う不思議な素材 妖変し周縁を圧倒する威力と添い従うような従順さを感じる時があります。
□紫外線や塩化物酸性に耐え、海洋耐候性に優れるのでボート・ヨット造船逸材・世界中から上州牛・秀でた耐性が狙われた事由。
□均質緻密な崩れない材質_刃物でアタリがよく、仕事が綺麗に仕上がり映える。柾挽き材は、ほとんど動きません。
□原木の材面は、華麗な色調の「錦」、木地に妖変が起きます。自然光で木理が煌キラびやかなゴールドカラーに映える表情があり、凄い印象が強まります。
□ 辺材白太肥大が粗密レイヤーで交叉木理、逆向き・斜方成長_拮抗木理を繰り返し、木端の導管は太く長い。
□ 芯央は導管つぶれ圧縮緻密になり、大径木自重や暴風圧捩れに耐える腰曲げ年輪層を造り替える。
□ 材面の濡れ、接着性は極めて良好
□木肌材感が放散する「錦」色調は、カラー分解が際立ち縞状となり特異な輝度・ハイコントラストを表出
□ 入節元周縁・中間抗体分泌源をみると熱帯樹性の激しく特異な抗菌・防御組織を感じる
入節元から芯央へ伸びる年輪貫通_外部からの芯央伝達を担う末梢
大木の生命維持機能をみることができる抗菌・防御は、大型重量物の扱いが難しく研究領域を遙かに超えます。生命維持に関する樹性・材料学識は、十分ではなく、比較検証できる細部の生命シーンも限られており、更に考究が続きます。
□ 薬理作用は不詳 センダン科、苦楝 / 和漢方薬用事例あり)「苦み」には、特有の材色に有機酸が含まれ、自身を守るフラボノイド反応がおきます。熱帯で樹体を護る藥性の塊と見えてきました。
2004年以来、長期自然乾燥・寝かせ21年でようやく材質の特長がわかり出し、マホガニー論考をまとめる端緒となります。限られた原木では、樹性の全容までは把握出来ずに留まります。若木も曲がりくねり、枝張りも伐り削らないと内部組織の動きはつかめません。
絶滅種は、昆虫・動物だけではありません。動かない立ち木は目立たず、ゆっくり変化には気がつきません。レバノンシーダーは、古代フェニキュア人の貿易船交易でエジプト圏まで運ばれ、「金」と同じ重さだったという。その高尚な材質感はとてつもなく、見事な品位で針葉樹のイメージからかけ離れる世界最高の木材でした。レバノンには、保護樹林がわずかに残されています。鋸の發明から続く、大航海時代の受難でしたね。
※ 編集寄稿:工房 悠 杉山裕二郎木工師
All Rights Reserved. No Business Uses.
複製・変形・模造・転載作り変え・画像転用・ロボット、Ai無用、業務利用を禁じます。 ※不許自動翻訳・無断収録
木の総合学研究 2025 「ホンジュラスマホガニーの優れた特異樹性・材料学的解析」「銘材カット標準サンプルの扱い」