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落葉かし類「楢柏ナラガシハ」混淆富強の繁殖樹勢|The vitalized variants of near relative family NARA GASHIWA of the fallen leaves J-KASHI OAK.|里山自然林の賑わい殼斗科堅木族バイタル 木の内科-143
「ならがしは」は、およそ知られていない国産木族_「かしは」「みずなら」類の交配種とされ、両親木の形質を受け継ぎ、葉形・樹皮・結実に変性バリアントがあります。
伐採・製材・木取り・切削作業を続けていますが、原木の性質を記載するには産出量が少なく、柏さんの葉形・硬木質と楢さんの樹皮風貌が強く顕れて、大雑把な「楢柏」プロでも識別しにくい中間種・雑木扱いでした。すでに混淆林・純林は少なくなり、自然木母樹もママなりません。

樹形・外皮・葉形・紅葉_中信地方









東北山形県舟形町の「ならがしは」





「かしは・ならがしは」

「濶葉樹材利用調査書 第二輯 落葉かし類篇」 1930 (後述調査資料より)
柏の木 (松本市内)


原木玉切り・切削_外作業場

土場玉切り作業

混交二次林に現れる原木には、「なら」「かしは」の他、近縁の「くぬぎ」「こなら」が混じります。


木口をなめ、ゴロリ並ぶと違いもはっきり判ります。

芯央木理_抗体・材色の中間分泌、増幅組織・入節・端節
木理木肌


楢・コナラの木理に似ています。楢の虎斑(向芯髄線 Ray)が細身で華奢、
材質感は柏より硬く、櫟・コナラの印象もあり。
伐採・製材・木取り・切削を連続してみて、材質を記載するには産出量が少なく、柏さんの葉形・硬質と楢さんの樹皮相が強く顕れ、おおざっぱな「楢・雑ナラ」_プロでも識別しにくい雑木樹種扱いでした。標準サンプル材の特徴を近縁樹種を比較対照しながら絞ります。ABE-R 2026
割れやすく、楢・樫類よりズッシリ重く硬い、反張・割れが目立つ材質 (気乾密度比重= 0.96 )・主な用材:薪炭燃料、農具・棍棒_樫の代用とされ家具・器材にはつかわれない粗末な扱いでした。
原木には櫟・コナラの性質が混じり、大径木になる前に、タンニン生産・薪炭用で伐り尽くされ、戦争・経済高度成長時代に里山からバッサリ消えたのです。
標準サンプルとして識別するには、バラツキがあり、微妙な特徴がつかみにくい。国内混交樹種は、15樹種の調査記録があります。
■ 「濶葉樹材利用調査書 第二輯 落葉かし類篇」昭和5年 印刷 東京營林局
殼斗科落葉かし類( 1 ~ 12頁 ) 総説:おほなら こなら ならがしは かしは くぬぎ あべまき

・殼斗科落葉かし類 ( 1 ~ 12頁 )
各篇:おほなら こなら ならがしは くぬぎ あべまき ならがしは
■ 落葉かし類 _ 15樹種
くぬぎ ならがしは おほみづなら おほなら ながえのあべまき かしは えぞみづなら はごろもかしは あらかしはなら こなら こならもどき あおなら ほそばかしは あべまき こぼうそ
温帯南部にてコナラその他の落葉灑葉樹と混淆コウし純林をなす。成長の状況はかしはと同様、樹皮は、幅狭く深く縦裂し、ミヅナラに類す。
■ 常緑かし類 _ 9樹種
白樫(細白) 赤樫(血櫧) いちいかし あらかし あおかし(つくばね) うらじろかし はなかし うばめかし
かしはの葉に似て、大ぶり先丸味あり生育が旺盛、樹皮はナラの縦溝割れ_木理・材面は、楢・櫟・コナラと同じように逆放射髄線が乱調に入り、親木の性質を整った受け継いでいる。
カシワ・ナラとコナラ・櫟も混交して樹体のバリアント変形が多い。固有の際立つ特徴がなく、葉形・材質や標準サンプルを撰定しにくい。人間が伐採後、更新再生自然林が増え、混大径・高樹齢木に巡りあうことがありませんが、混交・交雑・変性種なので、木材市場では、おおざっぱな「楢・雑ナラ」扱いでした。
欧州中央域ドイツの「Eiche」Stieleiche 、Traubenich 2種に比べ、日本樹種は常緑かし類を含めると25種。圧倒的に樹種が多く、氷河期を耐えしのぎ、地質時代洪積期から残存しましたので変種や多様性が生まれる原生資質を受け継ぐ風土とシニア樹種の厚みが違うようです。
材感の違いは、楢・樫類よりズッシリ重く硬く、反張・割れが目立つ材質 です。(気乾密度比重= 0.96 )
・主な用材:薪炭燃料、農具・棍棒_樫の代用とされ家具・器材にはつかわれない粗末な扱いでした。
■ ならがしは 方言:いぬがしは おほなら かしは かしはぎ かしはなら かしはのき かしやつば ごんぼうかし なら まき みずなら
(日本植物方言集成)

調査資料:「濶葉樹材利用調査書 第二輯 落葉かし類篇」
調査・執筆:吉田義孝/昭和5年1930 印刷 東京營林局
カシワ・ナラとコナラ・櫟の形質も混交しており、見分けるのが難しい。植生地で樹皮や葉形に差異があり、標準サンプルの撰定に戸惑うことがありました。
🔳 史料:「 和漢三才圖繪」 巻第八十七 山果類 楢・枹かしは

正徳2 (1712) 年 寺島 良安(醫薬師)による編纂
同族の「かし・くぬぎ・コナラ」にも言及していますが、当時は交配樹性の知見はなく、どんぐり加工食物・医療薬用成分・樸樕について記述しています。
「こなら」は、楢の俗名とされ、山果類「楢」は、木材利用評価はなく粗末な扱い_西洋OAK が知れ渡る明治中期以後に注目されて、家具・器具材の産業利用が始まりました。正確な樹種分類は、明治後期に調査資料が刊行されます。
「かしは」の語源は、飯かしぐ_食物を「包める葉」のゆわれですが、葉には抗菌作用があり、痛みにくいので笹や桜・椿・柿の葉を巻いたり包み、味わいます。葉の役割は光合成だけでは無く、生成される養分、騒音・大気汚染物質の吸収、腐葉土へと姿を変え、環境を整える生命循環を果たします。さらに、葉には動脈硬化を抑制する成分があるという研究等、人体を整える作用も見出せる可能性があります。
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木の総合額研究2026 「殼斗科・落葉かし類ならかしは樹種の特徴・材質感」「ならかしはの樹性・切削材質」「楢柏の混淆樹・交配バリアント」





