09. 内天秤(うちてんびん)

天秤型が外に出ない内枘。枘型を見せない、隠した化粧仕上げの構造です。外部先端は、突き合わせた斜め45度の段付きになり、丁寧な作風になります。「隠し枘」ではなく「内枘」が正統な言葉で、親方筋を継承してきた人は、この一言で資質がわかり、用語そのものが出自(でじ)・弟子経歴を意味していました。

現在、この組手を使う人は、修復以外は居ないでしょう。(一般的に使われる「隠し」は、英語のネーミングが入り込んだもので、教本・接ぎ手集にある呼称は、ごちゃまぜ・変形しており、原意が損なわれてしまいました。)