デザイン工芸

セクシーな伝承キノコ籠は、自然循環に配慮したエコデザイン。

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

愛用のキノコ籠は、この地方独自の竹編みフックラ巾着形。腰に紐でつけると出っ張り、歩く度にスイング。入れたご馳走が次第に重くなると、尻からずり下がり、ヘンテコなスタイルに。独自の編形は、口広で後ろ手に入れやすく、通気性と籠の網目からキノコの胞子を振り蒔きつつ歩ける工夫です。腰から浮いており、斜面で移動している間にも紐結びの遊びで垂れ下がり安定して、キノコはすれず、意外に傷みにくいのです。くびれ部腰紐かけは、シンプルで合理的な結び構造。この竹編組細工は、G デザインに選定したい民族文化・伝承の民具ですが、作れる人が絶えて山部の荒物屋店頭から消えたのが、10 年前。生活の知恵、手仕事の編組技術が継承されずに消えてしまいました。文化財でもなく、生活道具ですから日常の用途が無くなると密かに消えます。軽くて洗浄・乾燥しやすく、山里の暮らしを支える手工芸品でもありました。用途機能から考案された茸籠は、各地方でいろいろな形があります。

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くびれた部分から尻部のフックラ曲線は、ちょっとセクシーなヒップカーブです。2 -3本の外骨がくびれから内側に差して張力を与え、衝撃や擦れを滑らかにし強度を保持。使い込むほどに、手仕事の良さが伝わります。ポリ袋は軽便ですが、キノコの間隙がなくなり圧迫、蒸れたり、押しつぶれるだけで無く、胞子を山に残して行かないことになるわけです。自然の生態、循環再生を絶ちきることに。エコデザインは、再生だけでは無く、自然循環・世代継承をも包含していることが求められています。ポリ袋は、山には無用。
寸法資料:
大:300 (口径 ) x 320 w(ヒップ)x 320 h , 365 g
中:230 φ x 300 w x 280 h, 310 g
小:200 φ x 230 w x 250 h, 210 g
ⓒ 2013Kurayuki, ABE
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