デザイン

md Moebel interior design 1970 -1988  ドイツ家具デザインの絶頂期

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

家具デザイン、インテリアデザイン、キッチン、インダストリアルデザイン、遊具・育児家具・玩具、ジョイントシステム、金具、ディスプレイ器材、テーブルウエア-、テキスタイルデザイン、照明器具、間仕切り、住居など住まいに関する総合的な編集で現在まで続刊の年間予約・月刊マガジンです。デザイン雑誌で最長ですが出版社も買収統合され、デジタル化も進み、紙媒体・印刷誌は次第に消えて行くようです。

学生時代はとても買えなかった家具インテリアデザイン雑誌 、購読17年分 208冊。久しぶりにmd 定期購読収蔵を全冊を手に取り、ページを眺めると、改めてデザインの変化の波を感じます。木工量産家具は、年代を経るに従い、ボード・鉄・アルミ・プラスチックに替わり、合成素材・成形加工をベースにしたプロダクトデザインに変貌。職人の手仕事が無くなり、無機質な工業製品へと移行するドイツデザインの興味深い最盛期でした。

ドイツ家具産業マーケットは、住まいに費用をかける国民性で高度な製品加工・デザイン嗜好が強い。素材が木や自然繊維から合成素材へ変化すると、色彩・形・製品イメージまでがすっかり新しくなることが印象的。デザインの進化は、主要材料の変化とマシン加工技術の経済的選別・淘汰とも見えなくも有りません。
新しい製品デザインは、商品性、素材加工度・機能性、生産性から決まるような産業構造が見えてきました。デザイナーの役割は、商業利益を生みだし、ファッショントレンドを造ることが求められてきた四半世紀でした。新製品が流行を生み出す家具産業用の目引きデザイン紹介が主体です。毎月届く海外郵便小包がわくわく楽しみでした。
この雑誌は、デザインの現場は全く記事に紹介されていませんので、ドイツのデザインオフイス、ワーショップなどの制作の様子がわかりません。ドイツの家具市場は、取材ソースが見本市メッセ中心で、ビジネスラットホームとなっているためと思われます。日本国内でmd購読者は、家具デザイン関係のデザイナー・家具メーカーで限られていましたので、古本市場にまとめて出回ることがまれです。Mobillia,form,Abitare とともにデザイントレンドを引っ張ってきた主要雑誌ですが、製本接着材が劣化し、アート紙の酸化焼けが進んできましたので手当中。
P1090606-1P1090607-3
 ⓒ 2013 Kurayuki, ABE
複製・引用・転載・模造・流用・キュレーションを禁じます。

▼ お気軽に一言コメントをどうぞ

次の記事: