天性の、美しい本質 ESSENTIEL PAR NATURE
葉脈の軸に水しずくに拡大された「HERMÈS-PARIS 」包装リボンロゴマークを軸に
「完成された、シンプルな自然の美しさ。
何千万年もの時を生き続ける、木という本質的な存在に
エルメスは今、自らの姿を重ねてみます。
それは、伝統という根から樹液を駆け登らせ、新芽を育みながら、
枝の伸びゆく先に目を向ける、一本の樹木。
エルメスは、1998年を ″木の年 ″ とし、木を讃えます。
さまざまな価値が揺らぎ始めた日々のなかで、
ふと目を凝らすと、ずっとそこに存在している—-。
そんな信じられる本質でありつつけるために。」
S:日本経済新聞 全面広告 1998年3月12日(木曜日)
エルメス。天性の、美しい本質 ESSENTIEL PAR NATURE
HERMÈS 1998. ANNEÉ DE L’ARBRE
三編みレザーでくるんだ鉛筆
S:Men’sEX May 1998
HERMÈS 1998. YEAR OF THE TREE «1998,木の年»
ESSENTIAL BY NATURE 天性の本質
Design : Publicis EtNous
Strappy dress in matt dipped lambskin
Sandal with beechwood sole
S:VOGU April, 1998 NY 980410AQ
エルメス。天性の、美しい本質 HERMÈS ESSENTIEL PAR NATURE
山羊皮のサンダル。ヒールはブナ材 マット仕上げのラムスキンのストラップワンピース
S: 家庭画報 1998 年5月号・6月号
「木の年1998」エルメスのアプローチは、「木と人の関わり」をデザイン研究開発テーマとしてきた私にとって、最大の関心を向ける対象となりました。「美しい自然素材の手仕事を創造する」クラフトマンシップを超え、環境重視の時代に美の本質を極める精神的基盤と企業理念や在り方を表明することで、高い商品性、比類なき存在感や永続性を謳うとともに、優位なステータスを構築でき、自然素材を重用するトップブランデイングの先達となりました。時代はECOデザインへまっしぐらです。
地球の美と出会う
RENCONTRES AVEC LES BEAUTS DE LA TERREÉ, 2001
ケニアのイチジクの木
ポーレネのリバーシブルコート
Design : Publicis EtNous
「美しい樹肌に寄り添う人の衣装」テクスチャーの違い・美質を強調対比させる構成です。ロゴを目線に置き、文字を最小限にレイアウト。人の肌も木の肌に近いイメージで調和するナチュラルモードを強調。樹木イメージに語らせるメッセージは、読み手の生活文化圏が違っても自由な解釈ができるのです。グローバル時代の高度なブランディングでは、コピー文字よりも視覚的イメージが優位にあります。文字無しは、自由な解釈が可能。
2001・LOOKING FOR THE BEAUTY OF THE EARTH
S : CASA BRUTUS No.19 Oct.2001 ( 株)マガジンハウス Architecture +Fashion
HERMÈS PARIS
CUEILLETTE D’AUTOMNE EN MÉDITERRANÉE
エルメス。地中海の実り
4本どりの カシミヤ・コート
カシミヤジャージーの マフラー
ラムスキンの手袋
Design : Publicis EtNous
オリーブの枝葉、幹で「樹人」を表現、自然素材の衣服・服飾品をキセ、
ナチュラルデザインイメージを強調、樹木を人のパーツに「アレン樹」した作品です。
意外性、面白さからだけでなく木人の「命の近縁さ」をさりげなく伝える。
S: AXIS No.106 Nove. Dec.2003
おくりものの時間(とき)L’ARBRE AUX CADEAUX
HERMÈS PARIS, 2012 クリスマスプレゼントセール連続広告
新聞全面同時ダブル広告 「ツリーイメージ」 2012年12月9日 日本経済新聞
A. HERMÈSネクタイツリー 添景樹木+トナカイ(真画像と手描きイラスト)
B. HERMÈSパッケージボックスツリー 添景樹木+トナカイ(手描きイラスト)
コピーなし 手描きイラストのみのデザイン
30年前に買ったネクタイは今も新鮮、タイムレスデザインです。
現在も伝統基盤のパターンや色調を踏襲し現在未来進行形、エルメスのデザイン藏床をみる。
THE GIFT OF TIME (時の贈り物)HERMÈS PARIS,2012
Design : Publicis EtNous
クリスマス直前 1/3 段新聞広告 ショーウィンドから飛び出す贈り物
*デザイン視点
細密手描きイラストでウインドディスプレイを楽しむ絵柄は新鮮。自然の雪原、樹木添景が親しみやすく都市生活者に贈り物の魅力を増幅する作品です。窓上のブランドロゴは、絶大な信頼のロゴです。マークは、創業時代からの馬具製造の馬車マーク。コピーなし 手描きイラストのみのデザイン
THE GIFT OF TIME (時の贈り物)HERMÈS PARIS,2012
目の動きに従い、要所に品留めして、最終落地部に控えを置く構図 Composition : Eye-moving and Stay with End -Tag
S:Wallpaper Design Interior Fashion Art Life Style ,March 2012
自然の樹景に佇む婦人の足元には、商品をZ形で要所に配置。文字は最小にとどめ、商品イメージを固定したり、うるさくしない。オリーブの枯木のに«Toolbox» Bag in Swift calfskin.仕様と連絡先社名記載。
「樹下美人」の装身具を別々に配置するエレガントな演出をみると、一番目がいく左上の仰ぐ目線位置にブランドマークを点晴。巨樹の長い命の時間を象徴する複雑な樹皮が、シンプルな商品との対比を強めています。
オリーブの巨樹は生命の樹であり存在そのもの。「時とともに」生き物が創りだす自然素材の風合い、皮革・シルクを魅せるアートディレクションです。説明は一切つけず、背景と品物自身で魅力を伝えるほうが胸躍るフィーリングが持続します。生活文化圏の異なる様々な人々に違和感なく受け入れてもらうためには、自然の樹木が重要な脇役を果たします。
オリーブは、平和のシンボル樹であり、イスラム圏では聖なる世界樹(中心樹)。欧州・中東アフリカ地域では、重要な食・薬用樹。自然樹に寄り添い安息感を結び付けるという環境重視の時代の借景手法の一つです。誰もが親しみを持つ添景・背景・点景など、演出効果は抜群です。
「 時」の贈り物「樹下美品」「自然素材の風合い、自然環境に調和する美しい手仕事」などフレーズが繫がり浮かびます。
HERMEÈS 木の作品コレクション
CARRÉ 「正方形 」Automne Hiver エルメス秋冬スカーフコレクション2001/2002
世界の中心軸(ディテール)
「- – 宇宙も地球と一体となって、ある軸を中心に優雅に廻っているということ。その軸とは? もちろん樫の木。とりわけ頑丈な木。これからまだ数千年ものすばらしい歳月が目の前に広がっている証し。- – -」小冊子から
宇宙樹神話にあるOAKがモチーフです。( フランス語 Chêne、ドイツ語:Eiche 、 日本固有種の「樫」ではない)
「大樹が世界の中心軸であり、希望の歳月の象徴とされる」
AXIS MUNDI(détail)アクシス・モンディ 世界の中心軸(ディテール)、シルクプリント
Design:Christine Henry 樹のモチーフ図案によるスカーフ(色違い8タイププリント)
包装リボン文字:「2001・LOOKING FOR THE BEAUTY OF THE EARTH 」20011123AQ
デザインワークを極める一つのアプローチ
印刷コピーから篩浮用語:「木の年」
中東地域には「木の新年」や「木の正月」を迎える習俗儀礼が続いています。「木の年」を定め、敬愛し大事にすることは、自然で率直な感受性から生まれると見えてきました。
完成されたシンプルな自然の美 天性の美質 遙かな時を生き続ける 木という本質的な存在 伝統という根 樹液を上昇させ、新芽を育む 枝の伸びゆく先 目を向ける姿を自身に重ねる 揺がない確かな価値 信頼品質 創出し続ける 木を讃える時間 希望の歳月など、
重要で象徴的な意味が沢山含まれています。
樹木は、地上の生き物を支え、人の生存に重要な恩恵を与え続けてきました。卓越した職人技能から生まれる品格と品性は、自から広告デザインも際立せます。身近な樹木イメージを広告デザインに取り込むことは、人の動物的感覚・本性にはたらきかける仕組みを創ることでもあるのです。
デザインイメージには、全て外観・表面の具体樹形がつかわれています。木を伐り、木の内部からの視点は情緒的な雰囲気やコモンセンスを超えていて、内科視点からの表現は未だ表れていません。
*Ebony, Rosewood, Pearwood の自然木の美しさをそのまま活かしたPillboxes (ミラノPierluig Ghianda工房作品)が登場したのが、2002春の「HERMES.BORN UNDER THE SIGN OF THE HAND 」。
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木の総合学研究 2015 – 2019 「樹木イメージ広告デザイン」「樹に寄り添う手仕事の工芸品」