木香コレクション 1986 木の大学講座第一期 香料の科学 記録-1.  

木の大学講座(1986 年・第1期)の、「木と香料の科学」という講義にあわせて制作した、木から抽出した香油25種の珍しいコレクション。

受講生のために特別に試料をセットにして頂き、私が特別な収納ケースを創作、貴重な教材・研究資料になりました。ニオイ紙付きで、採算度外視の教材作品です。

このアロマオイル瓶を調香やディスプレイにも便利な収納ケースとして、このプログラムのためにデザイン制作、受講生に頒布したもの。持ち運びやすく、棚やキャビネットに仕舞い、指先で取り出しやすく持ちやすい形状にするため、上部はテーバー形。

 

 

開くと自立するダブルヒンジ構造ですので、開けたまま作業することができます。

ケースの創作ポイントは、指物技法「送り蟻」をスライドロックジョイントにして手持ち部分と背見出しタイトル部をひとまとめにした構造です。ロック型の締具兼背見出しは、シルクプリント仕上げ。構造・内部:イタヤ楓・シナ木地仕上げ無塗装。ケース本体と香油サンプルセットで約2kg。

香りの瓶収納ケースを取り出して使いやすく、見た目もきれいな洗練されたスタイルで木の大学講座のあとも続いて楽しむことが出来ました。

講座開講当時は、まだアロマブームではなく、香料の時代。時代の遙か先にステージへ登場し、36年間木の香り木製ケースは,香り高く、いまなお現役で活躍しています。

 

 

企画、プロデュース、デザイン

阿部藏之

香油製作協力

浅井三千秋(高砂香料株式会社・インターナショナルコーディネイター)

ケース製作協力

大門 嚴 (bau工房)

仕様

サイズ:272 x 225x 80mm

重量:約2kg

ケース素材:イタヤカエデ(本体)、花梨またはWenge材(ヒンジ部)

香油:25種類、10cc瓶入り、スペア瓶5本、におい紙2冊