14. 一の字天秤(いちのじてんびん)

「天秤」に漢字の「一」の字を組合わせた枘型。天秤形だけの連続では単調で手数もかかるので、見た目の変化をつけたバリーションを展開した元形です。板材幅寸法の拡大に対応し、バランスを良く割り付けることができ、見た目にもリズム感が生まれ仕上がりの端正な雰囲気がでる技法です。「一の字」は、紋章の意匠に影響をうけていますが、変わったものを珍重する当時の装飾・デザイン感覚・流行の影響を感じます。模様類型:「一二筋小紋、「菊に一の字」紋章、「一の字」印半纏に使われています。