28. 梨割れ(なしわれ)

梨の実を半割したときにで果芯をイメージした枘型。左右シンメトリーに並ぶ種の形を参画錐形に表現した繊細・華麗な組手です。梨の実は、江戸時代には薬用でもあり重用、梨を「アリノミ」と験担ぎしたりして身近な素材でした。類型模様:「梨割り」同じ呼称では、江戸小紋に梨の切り口を図案化したものがあります。

この枘形のように切削角度がきつくなり、刻み部分も多くなると、枘先が欠損しやすくなります。板の繊維方向と直角に木口へ薄い銘木板を接着し(練り付け)、「はなづけ」(花付け・華付け)という装飾と補強をかねた加工を施して枘組みを仕上げます。ハナ付けにより、枘の形が強調され、構造補強と装飾性を加える独特の手法。