07. 象嵌枘・徳利(ぞうがんほぞ・とっくり)
装飾技法の象嵌(ぞうがん)を施し、「徳利」形を表面に埋め込んだように見える枘組。徳利は、日本酒を味わい、楽しむものですが、江戸時代に流行した、遊び心のデザインです。
この枘先には、「ハナ付け」と呼ぶ、化粧用の銘木薄板を貼り付け、アクセント的に強調する技法を用います。現在では、家具や室内に手の込んだ装飾をすることがなくなりましたが、生活用具の部分・局部に凝るという、粋なセンスを楽しんだ時代の遊び心のデザインです。化学実験道具のフラスコに見えるかもしれません。