工芸
Mobillia 月刊誌:デンマーク・北欧家具インテリアデザインの本流
阿部蔵之|木とジョイントの専門家
Mobillia : Extremely rare collction of scandinavian design
デンマークの家具デザイン雑誌 Mobillia は、月刊で年間予約制でした。図書収蔵リスト作成にため整理するとNo.33 April,1958 からNo.315-316,1983 まで、欠番があるものの 25年間,合計89冊。
主に家具・インテリアデザインの記事で見本市情報や企業デザイン開発紹介、テキスタイル、工業デザイン、クラフト、ジュエリーデザインまで幅が広くデザイン誌のなかで西ドイツの家具・インテリアデザイン誌 mdとともに代表的な専門誌でした。
海外に出られないデザインを志す学生やプロのデザイナーには先端トレンドの内容が新鮮、毎月届くユニークな正四角形270 x 270mmの北欧雑誌は、勉学意欲を駆り立て、学校では得られないデザイン流通現場の知見と大きな影響を与えました。1970年頃は、北欧スタイル、Mid Century American家具のマーケット流入最盛期で,デザイン展示発表会が多くあり、学生には巨匠の作品に出会う刺激的な有り難いチャンス。
教科書は、実物ショールームにあり、最新のトップデザインにふれる機会に恵まれた時期です。目をみはる欧米の立派なオリジナルカタログやショウの記念品デザイングッズ収集も楽しみで、学生にも惜しみなく配布、将来の顧客として扱ってくれたおおらかさが身にしみました。
Mobilliaを1970年10月から購読を始めましたが、1958年から1970年9月までの12年分は、大熊コレクションを東光堂書店の媒介で当方が引き継いだものです。(Mobillia Denmark発刊 vol.1は、:1955年? 、廃刊は、1983年? 28年間のメジャーパブリシティでした。)
1958年当時、日本のデザイン業界は、まだ未成熟で海外文献を購入していた人も少なく、国内で保存されているところはあまりないのではないかと思います。現在、ネット上でまとまったコレクション売却が海外のサイトで散見されまが、揃っているものは、稀少性から非常に高価ですね。
月刊でも時々特集・合併号があり全てのVol.No.や年代毎の出版リストがなく、表紙も実物確認することが困難。1955年が発刊,全巻お目にかかることは非常に難しいようです。ACC. The American Craft Council Libraryには、1955 -1984 の収蔵があります。
製紙工程で入れる酸化アルミで紙焼けが進み、経時変化で次第に劣化してきましたがデザイン、研究資料として閲覧できるように準備しています。
現在でも十分に活用出来る内容ですが、教材、アイディアソース、製品意匠事例の検索、デザイン界の変貌・歴史研究文献資料として大いに役立ちます。
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