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ウリハダ楓若衆の魅惑的アールデコ 樹皮裂傷治癒被覆と抗体放散オペ Insight 木の内科-27
貼りつけた箔菱象嵌のような装飾模様班を描き、グリーンコントラストで華麗に装う18才。樹木も若い時にはファッション・おしゃれを楽しみ、目立ちたい着飾る青年期があるようです。幼樹から100年大径成熟までのステップ変化は大きく、受創抗菌バリアと樹皮被覆の同時オペレーションをみると、激しい生命活力を感じさせます。
外部からは、想像が出来ない細胞レベルのダイナミズム、樹体内部の生命維持活動が印されています。
美しい瓜肌の芸術的装飾模様の色相変化は、まだ誰も見たことが無いのです。
15 – 20年の成樹期に現れる班紋は変換に富み、アート装飾模様を造り出し森林の密かな麗人の雰囲気があります。
玉切り2年後では、青緑から自然乾燥で紫・ブルー樹肌へ色相変化。日本固有樹では、最上の魅力的なモダンアートデコ樹皮です。
カラマツ植林地実生18年樹 伐採共倒れ倒木 20141103 梨の木平ABE
玉切り後, 45日経過木口・被覆入皮に抗菌バリアライン呈色
日本鹿角突きによる樹皮裂傷は、5年でリカバー修複完了。肥大はハイスピードで閉がれ、完璧な重層細胞層のセルフキュアーが力強い。
黴び菌類を抑え込み抗体色素が芯部から傷ダメージへ放射され、抗菌レジストのバリアーが形成されています。間伐・択伐後の植林地ギャップ(空き地)に実生で立ち上がり、林内樹種変化・樹相は少しずつ楢・楓・水木が伸び始める自然更新の初期過程で成長が均等の内層からダメージ部分をキュアー被覆しています。伐採木による打撲割裂で伐られた幹を玉切りし、若木の二年の樹皮変化をウオッチング。
芯髄部から内皮まで微細放射組織・髄線が連続して拡がり、木口カット面に淡い多色層が見えます。玉切り後二年、年輪ラインが濃色に目立つ。
13年目の樹皮受創 被覆肥大スピードは、3倍の肥大層を広げて樹皮傷の被覆。グリーンから紫茶褐色へ変化していきます。
13年年輪径:72mm 18年被覆肥大径:29mm 外径:112 – 117mm
瓜肌楓 樹齢18yrs. 来歴
1994 唐松植林間伐
1996 実生 GAPが空き単独成長 年輪幅幅均等の立ち木
2009 樹皮日本鹿角で裂傷食害を受ける 13年目 幹径72-73mm
2014 18年輪 肥大幅増大・樹皮被覆治癒完了 径112 -123mm 2回目のカラマツ林 40年生 間伐風択伐施業により伐採
伐倒下敷きダメージを受け支障木扱い切り捨て。玉切りをサンプル材に蒐集
2016 自然乾燥2年経過、樹皮・芯央部変化を記録
幼樹5 yrs.
大径木樹齢100年の挽き材内部 木目
大町市鷹狩山 斜面曲がり材伐採 200302 元口650 末口500mm x 2,400L
芯央に色素集積 髄班は芯央部まで入る 端部の黴び・木喰い虫除けの柿渋塗布 割れ・変色抑制酢ビエマルジョン塗布 製材20030522 MT 20030620ABE
成長肥大とともに、年輪繊維方向に微少班点を出すPith Flecks髄班(潜虫喰痕)は、20年生ぐらいから目立つようになります。青緑色素は、樹皮からの取り込みで内積され抗体作用を保持しているようです。微細滲み班点は、材質ダメージとなり用材には敬遠されてきました。
*自然乾燥MT 物性・材料的な知見は、別途記載追補予定
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木の総合学研究 2016- 2019 「樹皮模様・自然の造形」「瓜肌楓の受創損傷治癒、抗菌レジストバリアー反応」
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