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木材標本ロングセラーと突き板単板材色安定・多段高温プレス圧締乾燥「35 Holzmuster Echantillons de Bois SWISS」木のベストブック-17
35樹種のSwiss見本帳は、ドイツでもText教材に使われ、19版を重ねたロングセラー。中央ヨーロッパ圏の自生樹の他、魅力的なアフリカ・アジア熱帯雨林産材で構成し、解説しています。輸入銘材が無くなると、突き板素材エキゾティックサンプル冊子も商業出版することが出来なくなりました。1990年にはプリントアウト。
アフリカ・アジア材の銘木・貴重樹種の多くはアメリカ・ヨーロッパへ運ばれ、家具・インテリア装飾に消費されます。貴重な木材は、美味しい重要な貿易商品であり、豊かな経済圏マーケットへ集材されました。
1980年代までは、高温圧締加熱で乾燥しており突き板品質は高く、この見本帳カットサンプルは、0.6 – 0.7mm あり、1mm以上あれば単板(Veneer)と呼ばれていたもの。サンディング・仕上げ鉋レタッチもできた厚みがあります。30年経ち色落ちは少なく優れた実物木理サンプルです。ヨーロッパの突き板は、この厚みが標準でした。
35 Holzmuster Echantillons de Bois SWISS 35 木材の見本帳 19. Auflage 1987
Verla Paul Haupt, Bern 出版
138 x 210 x 四つ折り 屏風開き 964mmL
18. Auflage 1985 DM30.00 Hugendubel Muünchen / ¥ 3,500- Tokodo
Lignum Holzwirtschaft Schweiz スイス林業機構 の推奨・学校教材でした。19版 1990年まで刊行。
ヨーロッパ中央圏の自生樹種商材は少なく、日本の約半分ほどです。
35樹種 木材サンプル
ヨーロッパ針葉樹
①Tanne, Weiss タンネ白
②Fichte, Rottane フィチテ赤
③Arve, Zirbelkiefer アルブ
④Kiefe, Föhre,Dähle キーファー欧州赤松
⑤Lärch 唐松
⑥Douglasie ダグラス
ヨーロッパ広葉樹
⑦Vogelaugenahorn, Zuckkerahorn バーズアイメープル
⑧Pappel,Popilas euramericana ポプラ
⑨Linde リンデ
⑩Edelkastanie 欧州栗
⑪Kirschbaum 欧州桜
⑫Ahorn, Bergahorn メープル
⑬Birke 樺
⑭Nussbaum, Kernholz 鬼ぐるみ
⑮Ulme, Rüster 楡
⑯Eiche,Stiel- und Trraubeneiche Oak
⑰Esche トネリコ
⑱Birnbaum 洋梨
⑲Apfelbaum 林檎
⑳Buch, Rothbuche ブナ赤
アフリカ・東南アジア
㉑Abanchi
㉒Okoumè オクメ
㉓Limba リンバ
㉔Mansonia マンソニア
㉕Makorè マコーレ
㉖Teak チーク
㉗Ikoro,Kambala イコロ
㉘Afrikanishe Padouk, Korallenholz アフリカパドック
㉙Zebrano, Zingana ゼブラウッド
㉚Sapelli, Punkawa – Mahagoni サペリ
㉛Kote コテ
㉜Bubinga,westafrukanishes Rosenholz ブビンガ
㉝Wenge ウエンジ
㉞Palisander, ostindischer パリサンダー
㉟Makassar – Ebenholz 黒檀
スイス・ドイツ商材樹種リスト1985 -1989
突き板のスタンダード0.6mmT Rose wood・Walnut・Ebony・Teak・花梨
1972年 北三 セカンドサンプル – 2016ストック材 紫系・赤味は色素退色は進み、チーク・黒檀は最も安定。
この他、クイスランドウオルナット、ゼブラウッド、レオ、サペリ、ブラジリアンローズ、水楢等多数。材色変化を抑えるには、高温連続熱乾燥による樹脂色素を重合反応させると安定し、酸化焼け・劣化速度が緩やかになります。辺材付きですと芯色移動が起きる。
銘木材トップメーカー北三の突き板も1970 – 1980年代、国内生産時に材色変化は、あまり気がつかない程度で、厚突き・薄突きがありました。新木場再移転後に米国産輸入・熱風乾燥フローに変わり、色素退色が目立つようになった。加熱多段プレスから連続ヒーティングライン乾燥工程の効率化で、材色品質は低下していきます。世紀末は、自然素材樹種の減少、低質材の有効活用へとシフト、美しい優良貴重材は伐り尽くし無くなりました。
アイロン張り練りつけ簡易工法
酢酸ビニールエマルジョンタイプ接着剤を両材面に塗布し乾燥後、水で表面をぬらし戻してアイロンで圧着する化粧仕上げ。小規模のボリュームの突き板を表面に練りつける仕事ですが、アイロンの熱で材色素が重合し安定しますので仕上がり後の退色劣化を抑える効果があります。日本では半分の0,3mmが普通で、0.2 以下のものがはこびりました。薄く下地がみえる表面化粧仕上げは、塗装膜でカモフラすることになります。無垢材と突き板では、薄い表面層の色感は明らかに違うのではっきり出てしまいます。
練りつけ下地の合板面から反射光により、明度・色相ギャップが出るBlack Walnut材オイル仕上げ(20年経過)
突き板という名の削り屑化粧仕上げ 薄削りは手仕事を失わせることにつながる
突き板厚み 0.2 – 0,3mm以下では、導管組織は穴だらけになり下地処理目止めをしなければならない。プレス時に下地接着剤が上がってきてしまい材質感を損ねます。薄いと下地面の反射で見えることになり、研磨後は0.15以下、接着剤染み込み塗装となり、予め接着剤を着色していました。板というのはどの位の厚みをいうのか、鉋屑に近いスライスは、鰹節削りと同然。材質感ごまかしは際限なく続きます。
敗戦後、復興期のタンス業界は天然木化粧板を売り物にしてドンドン薄くし、やがて建材メーカーの収納壁造作住設部品に市場を奪われました。スライサーでは0.1以下でも可能。利益追求の極薄技術はミクロン単位まですすみ、やがてプリント木目化粧板、さらに人工木材擬木へ移行してしまい、国内では品質の高い「厚突き」単板は定着しませんでした。
スライサーにかける前工程で、原木を煮沸すると材色は動き、スライス刃で剥き裏割れが起きます。手鉋で檜角糸柾刺身を薄削りして、匠の技と自慢しても、実際の仕事にはない遊びの世界。現場では、「玄人はだし、素人だまし」といわれていました。削りの本質を損ね、技能を歪めるものです。針葉樹柱材をするすると削れると、腕があがったように見えます。刃の仕込み角度、鍛造金属組織・研ぎも違うので、堅木の逆目は削れません。本当は、逆目・斜目・厚めがとても難しいのですが。
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木の総合学研究 2016 – 2019 「木材樹種サンプルリスト」「材色安定加熱圧締乾燥」