「木工家 日高英夫作品 」追悼展 2016 クラウドギャラリー CRAFTS HOUSE MUSEUM X Gallery H,Hidaka Memorial Exhibition 2016
「クラフツハウスミュージアム X 」ギャラリースペース開設
「日高英夫作品」追悼展示によせて
クラフツフェアーまつもとの始まりから、木工家具作品を連続出展。その丁寧な造りは、多くの人びとに親しまれ、シンプルで優れた手仕事を続けてきましたが、早春二月十一日に急逝しました。良材もしっかりストックし活躍の最中、工房は制作意欲あふれ絶頂期でした。享年59才、惜しまれる秀でた才能です。
作品を仕上げてはすぐに展示販売してきたため、限られた場所での展示と本や雑誌取材記事があるものの、作品の全容は未だ明らかではありません。オープンワークショツプで手仕事を公開して、自ら解説できる機会はなくなり、個展の準備もかないません。幸いにも、各作品は全てを手放さず所蔵しておりましたので、制作ノートの編纂や作品の撮影記録、実測図の作成が可能です。更に、アーカイブスにまとめる作業に平行して、ウェブサイト上でも同期させ、逐一掲載し公開することができるようになりました。
2014年より、私が構想を提案してきました「クラフツハウスミュージアム 」は、仮想クラウド上にギャラリースペースを開設することもできるようになりましたので、Memorial Exhibitionを先行発表することにいたしました。雲客となった木工芸作家も、きっと近くでアクセスできるはずです。
はじめに、作品の全体像をご覧いただき、制作ストーリーや解説、実測図面は、後日掲載予定です。このギャラリーでは、作品を寝かせ、ひっくり返して閲覧できます。脚元から座面の枘嵌合、腰背は覗くとSEXYな表情をしています。細部まで、目をおとしていただければ幸いです。
2016年12月吉日 総取組役 阿部藏之
□作品内容: ウインザーチェアー・ シェーカーチェアーのシンプルモダーン作品とテーブル・デスク・収納家具・小物類 Works: Modern Windsor Chair and Shaker Furnuture 、Table and Desk、Storage Furniture、and Small Goods.
前期では、イス作品12点を掲載しました。後期は、小物類・デスク・テーブル・収納家具を予定しています。
□主な材料 :真樺・トネリコ・水楢 Wood Materials :Japanese Red Birch, Ash,White Oak ※寸法・解説等は追補します。Specifications will be supplemented.
■作品所蔵、及び作品写真版権所有:日高雅恵
ⓒ2016 Masae Hidaka, All Rights Reserved .
■著作・制作:阿部蔵之 Produced by Kurayuki Abe
■撮影:カモフォト 加茂一夫 Photo. by Kazuo Kamo
■撮影アシスト:稲田正明 Assistant: Masatoshi Inada
作品 No.1 – No.12
CH-① ウインザースタイル ループバック Windsor Chair / Loop-Back
ⓒ2016 Masae Hidaka
CH-②サックバック Suck-Back
ⓒ2016 Masae Hidaka
CH-③ ローバック Low Back
ⓒ2016 Masae Hidaka
CH-④ ウインザーファンバック Windsor Fan Back
ⓒ2016 Masae Hidaka
CH-⑤ファンバックアームレスト付き Fan Back Arm Chair
ⓒ2016 Masae Hidak
CH-⑥ シェーカー 傾斜脚 ラダーバック Shaker Tilting Chair / Ladder- Back
ⓒ2016 Masae Hidaka
CH-⑦ 傾斜脚 籐編み座 Shaker Tilting Chair / Rattan Seat
ⓒ201 .6 Masae Hidaka,
CH-⑧ ローバック傾斜脚 Low Back Tilting Chair
ⓒ2016 Masae Hidaka
CH-⑨ ローバック傾斜脚 籐編み座 Low Back Tilting Chair / Rattan Seat
ⓒ2016 Masae Hidaka
CH-⑩ ミュージックホールセッティー Shaker Music Hall settee / Comb – Back
ⓒ2016 Masae Hidaka
CH-⑪ 丸スツール Stool /Round Seat
ⓒ2016 Masae Hidaka
CH-⑫ 方円スツール Stool /Rounded Rectangle
ⓒ2016 Masae Hidaka, All Rights Reserved .
■日高英夫略歴 Personal Historiy
1956 山口県萩市生まれ
1978- 1981 大学卒業後、名古屋 ドラムメーカーギター部門勤務 アコースティックギター制作に従事
1981 -1983 アコースティックギター部門閉鎖により松本市のギターメーカーに転勤
1984 長野県松本技術専門校木工科入学 家具木工技能を身につける
1985 東筑摩郡四賀村中川にて古民家を借り、箱物主体の松野 泉とMOEKI工房を開設
第一回クラフトフェアまつもとに参加出展 以後 2015年5月まで ほぼ連続参加、運営協力
19867 – 2003 クラフトショップ グレインノート(松本市)運営参加、作品展示販売
1988 松野が青年海外協力隊モロッコ木工指導参加のため分離、日高工房スタート
1987 第3回クラフトフェアーまつもと 参加出展 以後 2015年5月まで ほぼ連続参加、運営協力
1999 クラフトセレクション100 in松本城 イベント選出参加
2004 クラフトフェアーまつもと20周年「素と形 第二部セレクション40」参加
2006 第5回暮らしの中の木の椅子展入選 リビングデザインセンターOZONE主催 東京都新宿区
2010 長野県佐久市香坂に工房移転
2016 2月11日 逝去
木工家具のシンプルなオリジナリティを追求して自然の豊かな田舎暮らし35年。シェーカー家具の誠実な仕事を指針としているベテラン木工制作家の一人でした。自然素材のリーズナブルなコストでオリジナル作品を制作。丁寧な上質の手仕事が高い評価を得てきました。直接オーダー受注制作の他、クラフトショップで作品展示販売。1985年5月、第一回クラフツフェアまつもと設立開催以来、連続参加出展してきた主要メンバーの一人でした。http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/8251
初めての「イス寝かせゴロン」展示 削り出し造形の意外性
イス作品の写真は、美しいシルエットや雰囲気をとらえるために、プロはカメラアングルを絞ります。雑誌や本のデザインフォルムは、最も見栄えのする正調なカット選びますが、この日高作品では寝かせて、裏面まで丁寧な仕事をとらえました。展示では、普段は気がつかない下裏から、削り出し造形の意外性を見出すことができます。ギャラリーでは、作品ディスプレイで脚元から覗くことはしないのですが、クオリティが露骨になります。デティールはクローズアップしても、いままで寝かせ逆さ撮りはありませんでした。
□撮影協力:カモフォト 加茂一夫 / Photograph by Kazuo Kamo (Kamo Photo IP Cameraman)
(国内トップ家具メーカー納入先撮影、インテリア館、デザイン・アート展示物の撮影、絵画・アンチーク等のプロカメラマン)
川崎市川崎区在住
ⓒ2016 , Kurayuki Abe
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木の総合学研究 2016 – 2019 「木工家日高英夫遺作・木の手仕事作品」「「CRAFTS HOUSE MUSEUM X ギャリースペースの開設・ITクラウド展示」
「Simple Modern Designs of Windsor Chair and Shaker Furnitures by Woodworker Hideo HIdaka.」