ウインザーチェアー クラシックから、シンプルモダーンへのシフト|シェーカー・デニッシュデザインルーツがみえるChairmakerの手仕事・工房手法 1981 + Windsor Chair and Country Style ベストブック(追補)
住まいと生活財・道具の歴史では、戦争による破壊と経済復興、武器製造技術の転用、新素材開発のほか、量産機械化による技術革新を繰り返してきました。原木ソリッド材が枯渇すると地場産業もなくなり、制作技能や刃物道具は衰亡する一方、デザインパターンは、別の場所で修複、リメーク・リファインを経て再現されていきます。付加価値をつけるクラシックな加飾を削ぎ落とし、シンプルモダーンへ再生する揺り戻しムーブメントの諸元がありました。
産業イノベーションは、津波のように既存の落ち着いた生業を壊し攪乱してしまいますが、木の手仕事ではコピーされたり、少しモデルチェンジを重ね引き継がれて、やがて底流となります。
1981年5月、LIGNA Hanover Messe から Windsor Chairの伝統文化を継承しているHigh Wycombe へ飛び、友人を訪ねながらWindsor Chairmakerの末裔 STEWART LINFORD工房とWycombe Chair Museumを見学。注文の多い腕のよい職人の工房は、山里の豚舎改装ロッジでした。作品一覧ブロードシートを印刷し販売を拡げ、職人から家具制作家へシフトが始まる過渡期です。因みに、Windsor Chair 工房は、地名であるウインザー地方にはありません。
伝統の蓄積と多くのバリエーション、実物オリジナルに触れることにより、造形ルーツやデザインの時代変化も系統派生してくる様子を感知することができました。作家的職人やスタジオファニチャー、プリントマスターが登場してくる少し前のことです。
またコレクションには、Yew (一位)のスツールに朝鮮の膳脚をモチーフにしたテーブルがあり、有名な家具職人の創作デザインが並んでいたのも印象的でした。定型化した様式デザインが行き着いて詰まると、ブレークするために異質の造形文化を取り込むハイブリッド的な手法が出てきます。
李朝家具の意匠は、日本をはじめ、イギリス・ドイツにも影響を少なからず与えています。シェーカーデザインは、本国のモデルをルーツとし、装飾を抑えた素朴な近代的意匠ですが、厳しい宗派戒律と禁断生活の中から敬虔な人びとにより制作され、現在でも魅力的なスタイルが人気を集めます。「正調」を崩すことは乱調ですが、基本や素朴さを追求することから、シンプルモダーンの源流を訪ねることもクリエイティブデザインの大事なステップとなります。
Windsor Chairmaker’s Broadsheet 1980 by Stewart Linford Chairmaker
Nr High Wycombe, Buckinghamshire, England.
Patterns
① Gothic
② Childs High Chair
③ Smokers Bow
④ Wheel Back
⑤⑩⑭⑰ Lath – Back
⑥ Oliver Goldsmith
⑦ Mendelsham
⑧ Bergere
⑨ Lancashire
⑪ Double Bow
⑫⑲ Fan – Back
⑬ Stick – Back
⑮⑯ Gothic Small
⑱ Childs High Chair
⑳ Wheel Back Small
㉑ Comb – Back
㉒ Windsor Stool
㉓ Stik- Back Settee
All chairs have solid elm seat. Timber : All chairs have solid elm seats. Fruit woods, Home – grown hardwoods. Beech, Ash, Cherry, Yew .
STEWART LINFORD工房 Nr High Wycombe, Great missenden, Buckinghamshire. 810529ABE
工房をシェアーしているMr. Johmは、「Chippendale」などのクラシック様式家具を製作
Wycombe Chair Museum
Priory Avenue,High Wycombe,Bucks,HP13 6PX
School Visit 小学生の郷土社会科実習に出会いました。
High Wycombe には、大きな家具メーカーERCOL社があり、イス造りの伝統がある地域で近代的な工場製品を生産。このMuseumの支援会社でもあり、工場見学でElm材のモダンデザイン家具の輸出が多いこともわかりました。 量産でもソリッドワーク、クラフツマンシップを訴求すると手仕事イメージで売りやすい。(都内では一時期、高島屋で輸入専売)
High Wycombeの靴店主は、ウインザーチェアー研究保存活動とニューデザイン実作提案する。
JOHN HEARN LTD. Shoe Shop Oxford Street, High Wycombe
Comb-Backオリジナルデザインは 、並ぶと立て格子のような格調ある存在感が強い雰囲気を演出します。店主は、ウィンザーチェアー保存研究者だったと記憶しています。810530ABE
High Wycombの保存家屋
ヨーロッパElm 楡の滅亡的異変
ヨーロッパに大発生したElm 楡木喰い虫により、ほとんど全滅。木工産業は大きくダメージをうけ、合板・人工複合素材にシフトすることになる材料大事件です。当時、家具メーカーの存立は厳しい状況でした。
職人のリプロダクトから創作ワークショツプスタイル、クリエイティブデザインへ 手仕事の変化
1970 年代からWindsor Chair Maker も工場生産にのみ込まれ、僅か数ヶ所で手仕事が細々と続き、カントリーサイドの小さな豚舎を改装して仕事場を維持していたのです。手仕事の良さは賞賛されていましたが、クラシックスタイルよりも新しい刺激的なインダストリアルデザインへと変わり、工房アルチザンはマーケットから退場したのです。その後、大量消費財・環境負荷への反動から、丁寧な洗練された作品を手がけるワークショツプスタイルの創作家具の流れが生まれてきます。
現在では、制作販売一体の「デザインクラフト」、ハイブリッド、スローライフスタイルなど、Native and Natural 志向へ動いています。更には、当地のRoyal College of Art デザイン大学の存立基盤にも繫がる文化遺産を継承してきました。創作デザインによる革新は、長い時間を経て到達した輝かしい伝統の中から現れます。
生存環境資源に親和性をもつアートクラフツ・工房ワークは同源 – 教科目の新次元
優れたクラフト作品、安定したグッドデザインでも必ず「飽き」がくるもの。時間が経つといつしか陳腐化し退廃することも、変化を促すベクトルとして働くようです。流行は、職人の手仕事から生まれる時代から、デザイナーとメーカーが創り出す時代へ移り、目まぐるしいモデルチェンジ、デザイン偏重を引き起こしています。木の手仕事は、自然素材の循環・再生にあわせることができ、根源的なヒューマンテクノロジーとして見失ってはなりません。
生存資源の消失、環境意識の高まり、自然素材の尊重から作家的職人や木工家のクラフツ工房スタイルを志向する世代が増えています。学科統廃合を前に「木」の産業のための高等専問校、従来のカテゴリーを越えた資源・環境領域に観光・医療、教育、建築など、手仕事とデザインワークを結びつける新しい総合教科を設立するタイミングと考えます。
Windsor Chair / Windsor Design ベストブック
Windsor Style ・地方家具に関する名著を追補しました。 20170714ABE
① THE WINDSOR CHAIR An Illustrated history of a Classic English Chair
by IVAN G. SPARKES
Spurbooks Ltd. Buckinghamshire 1975
ISBN 0 902875 36 1 195mm x 252mm x 15mmT Hard Cover £4.50 / 3,060- TK
CONTENTS
List of Illustration 9
Introduction 11
1 Origins of the Windsor Chair 13
2 The Comb – back Chair 27
3 The Bow – back and the Wheelback 43
4 American Windsor Chairs 63
5 Wycombe Windsor and Wycombe Whites 81
6 Low – back Windsors and Children’s Chairs 97
7 The Craftsmen 109
8 Factories and Mechanisation 117
Glossary 127
Bibliography 135
Collections 139
Index 141
Windsor Chair研究の第一任者で、Wycombe Chair Museum館長Ivan G. Sparkes による著作。
多くの歴史的資料を基に編纂した名著です。www.wycombe.gov.uk/ Priory Ave, High Wycombe HP13 6PX
②WINDSOR CHAIRMAKING
by Michael Dunbar
Stobart & Son Ltd. London 1976 136mm x 157mm x 13Tmm p. 153 Hard Cover £4.95 / ¥5,140- TK
ISBN 0 85442 009 6
Contents
Introduction 7
PART ONE
Chapter 1: The Emergence of the American Windsor 11
Chapter 2: The Windsor Chair Industry 17
Chapter 3: The End of the Windsor Chair Industry 34
PART TWO
Chapter 4: Craftsmanship and Design 41
Chapter 5: A Windsor Chair Begins With the Seat 46
Chapter 6: Turning the Chair legs 61
Chapter 7: Beginning the Assembly 75
Chapter 8: The Undercarriage 81
Chapter 9: Types of Windsor Chairs 91
Chapter 10: Making the Spindles 97
Chapter 11: Bending the Chair Back 102
Chapter 12: Assembling the Chair Back 104
Chapter 13: Assembling a Crested Chair 125
Chapter 14: A Look Inside a Chairmaker’s Tool Box 129
Chapter 15: How to Finish a Windsor Chair 133
PART THREE
Chapter 16: Special Purpose Windsors 137
Chapter 17: The Chairmaker and His Customer 145
ウインザーチェアー職人による制作プロセスと技能伝承、及び歴史的背景を記述した手仕事の解説。アメリカウインザー家具産業の終焉やデザイン、クラフツマンシップにも言及しており、工房現場からの視点がユニークです。
③ THE WINDSOR STYLE in AMERICA Volume II
A Continuing Pictorial Study of the History and Regional Characteristics of the Most
Popular Furniture Form of Eighteenth – Century America 1730 – 1840
By Charles Santore RUNNING PRESS, Philadelphia 1987
ISBN 0 89471 – 551 – 8 267 x 268 x 26mmT p.276 $45.00 / ¥ 9,450- TK
Contents
Foreword by Robert Bishop 9
Preface 11
Acknowledgments 15
A Portfolio of Drawings 17
A Study of Windsor Surfaces 25
Chapter One Combe – back Chairs 41
Chapter Tow Low – back Chairs 59
Chapter Three Fan – back Chairs 67
Chapter Four Sack – back Chairs 91
Chapter Five Bow – back Chairs 117
Chapter Six Continuous – arm Chairs 141
Chapter Seven Rod – back Chairs 155
Chapter Eight Writing Chairs 167
Chapter Nine Rocking Chairs 179
Chapter Ten Settees 187
Chapter Eleven Children’s and Scaled – down Furniture 207
Chapter Twelve Other Forms of Windsor Furniture 223
Appendix Brands and Labels: the Maker’s Mark 239
Appendix A Checklist of Windsor – Makers 241
Notes 270
Index 271
移民によりアメリカ各州で制作された典型的で優れた作品を収集、地域による特徴を詳説し編纂されたウインザースタイルの本。制作技術や道具に関する記述はなく、形と寸法、構造の特徴に重点を置いて類形を解説。
英国から渡ってきたウインザースタイルは、コロニアル、シェーカースタイルの他、素朴なカントリーファーニチャーへと発展していきます。手仕事のタッチが素朴で、ソリッド木質感を尊重するので木地仕上げ、ダーク塗装のモノトーンのシンプルモデルは蒐集も多い。加飾彩色ペイント仕上げのイスや収納家具は宗教的雰囲気が強く、日本ではあまりコレクションされません。
イスの様式は、Back(背凭れ)で分類され、構造と意匠の特徴やユーザー地域を識別することができます。現在ではアンティークですが、当時は装飾家具の先端流行ファッション、多様な造形的バリエーションが生まれた手仕事の良き時代でした。Windsor Chair は割り木工・挽き物轆轤・刳り物で単純に見えますが、構成デザイン要素が多く、創作・リデザインの余地が相当あります。
④ English Vernacular Furniture 1750 -1900 (イギリス地方家具)
by Christopher Gilbert
Published for the Paul Mellon Center for Studies in British Art by Yale University Press New Haven and London 1991
ISBN 0 – 300 – 07462 – 2 253 x 284 x 27mmT p.294 ¥16,440- TK
Contents
Preface ⅶ
Introduction 1
1 Traditional Crafts and Native Timbers 7
2 Country Joiners 15
3 Provincial Price Books 25
4 Farmhouse and Cottages 31
5 Urban Working – Class Homes 57
6 Back – stairs Furniture 71
7 Alehouses, Inns and Taverns 87
8 Regional Chairmaking Tradition 101
9 Regional Beds 129
10 Straw and Wicker Furniture 143
11 Schools 151
12 Workhouse 169
13 Houses of Correction, Bridewells and Prisons 177
14 Lunatic Asylums and Hospitals 187
15 Almshouse 195
16 Meeting Houses and Chapels 199
17 Factories and Workshops 205
18 Offices and Shops 211
19 Railway Premises 223
20 Army Barracks and Campaign Furniture 227
21 Bothies, Chaumers and Mine Shops 231
22 Ships 237
23 Caravans, Narrowboats and Living – Vans 241
24 Children’s Furniture 245
25 Cricket and tennis 251
26 Ducking Stools 253
Appendix One Bibliography of Provincial Price Books 257
Appendix Two The Bolton Supplement to the London Book of Cabinet Piece Prices(1802) 259
Appendix Three The Wycombe Chairmaker’s List of Prices(1872) 264
Glossary 267
Notes 270
Select Bibliography 277
Index 283
多量のイスの出荷・輸送荷馬車の貴重な写真がみえます。市場の売り買いシーンなどの歴史風俗、産業経済記録は別にあるはずです。
1750 – 1900年年代の様々な生活シーンや施設で使われたあらゆる家具の事例を社会的な民俗記録資料として考察し、実際の使われ方を絵画やイラスト・図版と共に解説を添えています。
伝統工芸と板材、伝統指物職人、農民家屋・小屋、都市労働者家庭、隠し裏部屋、酒場・宿屋・居酒屋で使われた家具、地方のイスや寝台造り、麦藁・柳製の家具、学校用家具、作業場、拘置所・刑務所・監獄、精神病棟・病院、救貧院、集会所・教会、工場・工房、事務所・商店家具、鐵道施設、軍隊兵舎・遊説活動具、出造り小屋・鉱山ショップ、船、キャラバン・狭小ボート・移動車両バン、子供用家具、クリケット・テニス具、水責めイスをケーススタディとして取り上げています。
Windsor 家具は、最も様式が明確で典型的で重要な地域文化遺産として評価され、森林内フィールドワーク、Jointer 手仕事の優れた技能と多様なデザイン文化遺産として重点的にページ構成されています。それに従い、当時の特異なモノや民俗的絵画図版は本稿に掲載しません。
寝食、作業、教育育児から極貧・養護・刑罰施設など、歴史の中で使われた様々な家具の厳しいシリアスな姿と用途を知ることになります。造形工芸の視点に留まらず、家具から切り拓く民俗歴史、社会史へ拡がる研究者の目は鋭く、読み進むにつれて圧迫され、重苦しいほどです。
⑤ Dictionary of Country Furniture
by Marjorie Filbee
The Connoisseur Chestergate House, London 1977
ISBN 0 90030 5177 85 x 260 x 19mmT Hardcover p.200 £6.00- / TK 3.840-
Contents
INTRODUCTION 9
A-Z of FARMHOUSE, COTTAGE AND COUNTRY FURNITURE 19
THE CARE AND RESERVATION OF WOOD 189
WHEE TO SEE COUNTRY FURNITURE 191
HOW TOFIND MODERN CRAFTSMEN 192
BIBLIOGRAPHY 194
INDEX 196
「カントリファニチャー事典」
英国農家住宅、コテージ、カントリーファニチャーに関するデザイン様式、構造・模様。材料・金具・道具から収蔵先、木材の保存方法、制作家の見つけ方まで詳説。女性の視点で育児家具などについても行き届いた説明がされています。High Wycombe Chair Museumをはじめ、多くのミュージアムの収蔵品や研究資料を基に編纂。
⑥ COUNTRY FURNITURE
BY Aldren A. Watson
Tomas Y. Crowell Company New York 1957, 1974
ISBN 10 – 690 – 00190 – 8 200 x 260 x 32mmT p.275 / TK4,050-
Contents
Preface ⅳ
1 Furniture maker, farmer, woodsman 1
2 Where they can from 11
3 Ancient origins 15
4 Characteristics and properties of wood 29
5 Sawmill to workbench 47
6 The workshop 63
7 Bench tools and equipment 79
8 Woodworking methods 121
9 Cash, Customers, and credit 207
10 Sawdust and shavings 219
Glossary 241
Index 268
「カントリーファニチャー(英国・アメリカ)」
初期アメリカン家具製作者の歴史・コミュニティ、生活と木材の選択、工房、道具と技法のほか仕事について様々な視点から記述しています。製材・木取り、ワークベンチ、刃物工具、及び治具・ハードウエアーについても実際の手順を全てイラストで具体的に解説。古代の原初的なメカニズムも歴史上のルーツとして取り上げています。制作販売費用、工人往来と関係ビジネス、用語も作図と共に集録。工房手法が学べる実践的なコンテンツです。
⑦ 300 YEARS of AMERICAN SEATING FURNTURE
Chairs and Beds from the Mabel Brady Garvan and Other Collections at Yale University Art Gallery
by PATRICIA E. KANE 1976
New York Graphic Society Book
ISBN 0 – 8112 – 0678 – 8 250 x 262 x 28mmT p. 319 $22.50- / 8,500-TK
Contents
Foreword 7
Acknowledgments 9
Introduction: Chairmaking in America 11
Short Title List 20
Notes on the Catalogue 24
THE CATALOGUE
Seventeenth – Century Chairs, nos.1 – 8 29
Slat – Back Chairs 37
The New England Type, nos.9 – 15 37
Coastal Connecticut and Long Island, nos.16 – 17 42
Philadelphia and New Jersey, nos. 18 – 22 44
Other Variations, nos. 23 – 33 48
Chairs for Export, nos. 34 – 40 56
The Rural Turner 63
Reflections of Urban Taste, nos.41 – 52 63
QueenAnne Style 73
Early Expressions, nos. 53 – 65 73
Later Expressions, nos.66 – 72 86
Vernacular Expressions, nos. 73 – 89 92
The Rococo Period 105
Patterns fromChippendale, nos. 99 – 98 106
Diamond – Patterned Splats, nos. 103 -111 118
Gothic – Patterned Splats, nos. 112 – 128 123
Interlaced – -Scroll Splats, nos. 112 – 128 133
Other Types of Pierced Spat, nos. 129 – 132 150
The federal Era,nos. 133 – 161 155
Pedestal – Back Chairs, nos. 136 – 139 158
Shield – ∫ack Chairs, nos. 140 – 145 162
Square – Back Chairs , nos. 146 – 153 167
Chairs in the Grecian Manner, nos. 154 – 161 174
Fancy- Painted Seating Furniture , nos. 162 – 168 182
Windsor Seating Furniture , nos. 169 – 198 191
Stools ,nos. 199 – 205 214
Upholstered Armchairs and Lolling Chairs, nos. 206 – 211 221
Easy Chairs ,nos.212 – 220 227
Couches and Daybeds , nos. 221 – 238 235
Sofas, nos. 224 – 238 239
Seating Furniture of Board Construction, nos. 239 – 241 255
Revival Styles and the Arts and Crafts Movement, nos. 242 – 262 258
Factory Chairs, nos. 252 – 261 266
The Arts and Crafts MOvement,no. 262 272
The Bauhous, nos. 263 – 267 278
The Post – -War Era, nos. 268 – 289 282
Beds, nos. 290 – 298 300
Concordance 308
Photograph Credits 309
Index 310
「アメリカ300年の座る家具」
17世紀のイスから第二次世界大戦後まで英国の移民植民地開拓から始まる家具の歴史は、建国以来、様々な形や構造的なバリエーションを生みだし
モダーン化されて多くのアメリカ独自のスタイルが生まれました。
⑧ OAK FURNITUR The British Tradition A History of Early Furniture in the British Isles and New England
by Victor Chinnery
Antique Collectors’ Club Ltd. Woodbridge, Suffolk 1979. 1980 ISBN 0 902028 61 8 222 x 282 x 40mmT p.580 £ 30:00
「ウインザーチェアー」ではない Primitive,Vernacular,Country Furniture,Oak Furniture に分類されるもの。
The Windsor Chairs
Windsor Chairは、「Windsor Marketで売られていたAshとBeech材,及び Elmの安価な量産品で、Chalk Forest (太い幹が林立する森)、近隣の地方 Thames バレー近辺 Southern Chilterns (Burnham Beeches) で製造されていたもの。1725年以後の製造、特にSlough の近辺」とされています。
最も有名なウィンザースタイルの産地だったHigh Wycombe 地域のものをWycombe Chairと別名で呼ぶのは、品質と独自の意匠が評価されていたようです。
⑨ A Short Dictionary of Furniture 「要約家具事典」
by John Gloag
Containing 1764 terms used in Britain and America with 630 illustrations
GEORGE ALLEN & UNWIN LTD. London 1952 Original publication under the Berne Convention 1911
150 x 222 x 37Tmm p.565 42s. ¥ 2520- 昭和27年 TOKYO丸善
CONTENTS
Acknowledgments ⅷ
Plan and purposes of the book ⅸ
Section Ⅰ The description of furniture 11
Section Ⅱ The design of furniture 39
Section Ⅲ Dictionary of names and terms 108
Section Ⅳ Furniture makers in Britain and America 521
Section Ⅴ Books and periodicals on furniture]and design 532
Section Ⅵ Period, types, materials,and craftsmen from 1100 to 1950 565
ウインザーチェアーの来歴、スタイル、素材、制作技法にかんする広がりが要約されています。マーケットがあったChepping Wycombe タウン(現在のHigh Wycombe)では、周辺地域で加工されたパーツをアセンブルして、大きなイス製造産業に発展し、アメリカへ輸出されていた経緯も明らかにされ、英国とアメリカで活躍したファニチャーメーカーリストも附いた実業記録ともなっています。
ウインザーチェアーに関する最も簡明で適切な解説が掲載されています。1100 -1950年までの英国家具用語総集を目的にした編纂は、多くの出版物・資料に基づき多くのイラストをつけた構成。専問書紹介、家具メーカーと時計メーカーの現業リストをつけています。
20171123 ABE 補足
専問図書を総覧して
ウィンザースタイルの前には、アメリカ植民地に渡り、New Yorkコーストから輸入されたものが1708年にはPhiradelphiaの商業記録があり、”York Chairs”と呼ばれ、このモデルを地方のイス職人がコピーして制作したものが Splat – Backのルーツです。Elmは、割り製材が出来ない広葉樹ですから、手挽きだけでなく轆轤加工が出来ない座や板材は、既に水車製材所があったのではないかと推測します。
安く量産するための工房手法は、曲げ木と轆轤工程を機械加工にシフトさせ、工業化へのイニシエーションとなりました。シンプルで加飾の少ないソリッド材の轆轤・曲げ木による構成は多くのバリエーションが生まれる加工技術ですが、すべてウイン座のものではなく、歴史的かつ産地系統が厳密に分類されています。
地方のカントリーファーニチャーの中でも、Windsorスタイルは最も広範囲の地域で制作され地方ごとの特徴があります。手仕事から工房手法を経て、シンプルモダーン工業デザインへシフトした歴史をカタログ的に辿ります。
優れた家具コレクションは、歴史民俗的価値が尊重され研究資料としてギャラリー、ミュージアム、大学の施設に収蔵されてきました。家具は生活文化のエッセンスです。
「Windsor Stye Furniture」の研究記録資料は、地方の家具、農家住宅、座る家具などタイトルが異なる図書にも所収されています。アンチーク家具コレクターの蒐集記録や売買カタログ出版物には、目を見張るデザインが多く、デザイン資料としても一級です。
この名著クラスの9冊は、既に絶版本 O/Pです。世代交代期にあり、時々、インターネット上に出てくることがあります。傷みのない稀少本となると高価ですが、現在は古書で入手できそうです。
ウインザーチェアーに関する図書リスト・1981 ハイウイカムチェァーミュージアム
「A CHECKLIST OF BOOKS AND ARTICLES IN PERIODICALS ON RURAL CHAIRS, THE WINDSOR CHIAR, AND CHAIRMAKING
By IVAN SPARKES」
(Highwycomb Chair Museum 館長 Mr.Ivan Sparkesによるチェックリスト 1981年5月28日ABE)
Ⅰ. GENERAL BOOKS
Ⅱ. WINDSOR CHAIRS
Ⅲ. REGIONAL AND WYCOMB CHAIRS
Ⅳ.CHAIRMAKING
Ⅴ.LATHES AND TURNING
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「 Windsor Chairmaker and Shaker Design」「 Country and Vernacular Furniture Style」「Workshop Methods」「伝統クラシックスタイルからシンプルモダンデザインへのシフト」「A CHECKLIST OF BOOKS AND ARTICLES IN PERIODICALS ON RURAL CHAIRS, THE WINDSOR CHIAR, AND CHAIRMAKING 」
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