「エンボス桟木」で青・クロカビを抑制する楓材の専門自然乾燥法_品質保持効果は高いマテリアルトリートメント
突起付き桟木ならば表面乾燥が促進され、スティックマーク・桟木痕が付かないメープル楓のベストシーズニング桟木自然乾燥
メープル・イタヤ楓類は、乾燥の時に板材の間に通風する間隔スペースを開ける桟木を入れます。材の反り変形を抑え、水分を抜き、含水率を下げる乾燥工程が必要です。乾燥材間に入れる桟木は、重量で木材表面に密着し、カビ変色が起きることがあり、表面から数ミリも深く入ってダメージが大きく使えません。
メープル材などは、青みがかったスティックシャドウというカビ変色が付くので、ベタに材表面に密着させず、通気性をもたせた突起のある特殊な形をした専用桟木を使います。とんがり山型の断面で連続スパイラル状溝付きのオリジナル品は、カナダで考案・実用化されてPAT.になっています。市販され入手出来ますが、多量に使い専門樹種を扱う企業でないと輸入はコスト面で難しい。
突起が斜めについていれば空気の通りやすい溝状になり、ルータビットで半円成形したものでも十分効果が期待できます。カビの付きにくい栗材で加工した自家用カビ止め突起付き桟木です。更に、カビ防止の柿渋を表面に塗布し、乾燥後に桟積み。通風の良いところで自然乾燥、シーズニングしています。厚板の乾燥による収縮反り変形で、ストレートだった桟木は曲がり、板表面はカビ発生・変色によるダメージを抑制できます。
突起部は、写真を天地逆にするとへこんで見え、浮きだしの形状から「エンボス桟木」と一時的命名。この桟木、点接触で材の重量圧締効果は有りませんが、材質は木の動くまま、無理がかからず自然なマテリアルトリートメントにつながります。
自作簡易型もお試しあれ。(天地逆にするとデコが「ボコ」に見える錯視写真添付、凹んでみえます。左上からの光線を感じて陰影を凹んでいると思い込む錯視です。
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木の総合学研究 2013 – 2019「メープル材の黴び変色を抑える桟木積み」