クラフトフェアデザインの目

海外ゲスト・モダンアート修複師とNYジャーナリストの取材・評価  クラフツフェアまつもと2017・Gセレクション

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

木の大学講座「木と修複・保存」講師のMoMA修複師 と友人ジャーナリスト・写真家ファッションモデル一行は、初めてクラフトフェアーと地方都市のアートクラフツサイトを回り、ジャパンスタイルに戸惑いながら、手仕事と旬の和食を堪能されていました。松本→上田・東御→美麻→飛騨高山・白川郷→京都→瀨戸内は、五月のベストアートクラフツイクスカーション。

同じ会場ですので講座は、多くの来訪者が館内を覗いていきます。半日のニューヨークからのプロフェショナルにクラフツフェアーまつもと2017作品展示の印象を伺うと、

「竹工に斬新な造形作品があり注目、MoMAバイヤーに紹介したいレベル。テキスタイルにはセンスのよい優れたものが多く見うけられ、陶芸には観るべきのがない。既存の作品の類形や遊び幼児感覚がめだつ。

木工には、手練れが見えず、新感覚はなく凡様。スプーン篦荒物が雑貨的雰囲気。尖った才能や意外性、好ましいフレッシュな感性はあまり見当たらない。華奢でイージー。手をかけ、時間がにじみでるような造り込みが足りない印象」と的確な評価でした。

クラフトフェアーまつもと2017 展ビュウ 竹工・テキスタイル・紙折り

 

① 竹 工 ヒガシ竹工所  東 浩章 大分県杵築市

隣は細君の作品 「バスケット」 大分のひごかど higo&kado 細川由紀子

 

「染織」テキスタイル部門

②工房 月慈  滝沢 都  長野県上田市 和綿

③ no+ah     谷口みかさ 長野県松本市 天然繊維・天然染料

④富樫由紀子     岩手県盛岡市 ホームスパン

⑤小河幸代  長野県伊那市 シルク

⑥ beige 佐々木トモミ 岩手県     「カラードウール」(有色羊)によるホームスパン

⑦ ATLIER VERT  松島しず 長野県白馬村 羊毛

⑧日高工房  日高雅恵 長野県佐久市 麻織り

 

紙折りデザインクラフト 折紙かのか 品田美里 札幌市手稲区

制作まで行う「デザイナーズクラフツ」新鮮な感覚で、シェードからマイクロ紙折りアクセサリーへデザイン領域を拡げてきました。日本の折り型の伝統が深化してきています。(ABE 選)

眼をパチクリさせる作品は、斬新ハイ好感度です。

テキスタイルは、風合い、カラーコーディネイション、テクスチャーが装い好感度を増幅し、素材への傾注が作風を際立たせていると感じました。

最近は、本格修行を避け、デザイン偏重、速成がもてはやされます。亜流とか小手先手芸、売れ筋意識では、才能が大きくブレークすることはありません。長い創作活動を維持することは難しい。デビューする時は、才能を感じさせる独自の手法をプレゼンしなければいけない。若くはない専問家たちは、類似や既視感のない創作・オリジナリティを重視しています。眼をパチクリさせる作品がクラフトの明日を拓くのです。

ⓒ2017 , Kurayuki Abe

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木の総合学研究 2017 – 2019「クラフトフェアー2017のG作品セレクションと印象」「モダーン木竹クラフト作品」 「デザイナーズクラフツのデビュー」「まいくろ折り形」

 

 

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