ハンドツールコネクション工具・刃物木工産業イノベーション

先端的「鋸研ぎ」による本目立て両刃鋸の復活 次世代を先導するコンビネーション・ソフイスケイトソーブレード 名工長津勝一の卓越技能 ハンドツールコネクション-20

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

「切れる、安い、目立てが面倒で高くつく」切れなくなったら使い捨てる。 衝撃焼き入れ・替刃技術で命脈を絶たれた伝統本目立て鋸は、圧倒的な工業大量生産製品に圧倒されて衰滅。替刃使い捨て全盛、経済メリット・利潤優先。このままでいい理はないない。目覚めよハンドツールジャパン。

両刃鋸は、手許へ引く鋸の日本独自の形でした。伝統の本目立てが終焉したことは、急激な地滑り的産業変化でした。往時のストックはまだ業界にのこり、製作技術の継承と研磨、目立て・鋸研ぎについて慎重に再評価するタイミングにあります。

切れなくなれば捨てて買い換えていくのは、資源エネル技の無駄、無理、軌道逸脱です。本目立て・目研ぎには、数多くの目立て鑢が必要ですが、修理再生技能の伝承、鑢製造、周辺産業技術も含めてツールジャパンの本質と行く末を再考するイニシエーションにしたい。

伝統諏訪鋸両刃の切れ味アップ 歯型改善造りかえ「切り立て鋸研ぎ、サライ目・窓アキ鋸研ぎ」

上:オリジナル1985年  下:切り立て目研ぎ 2017 11月   106g   (秀作最上品質)

諏訪鋸の最高品とされた  ⑥真道勝雄作 八寸両刃   15,100-

 

オリジナル八寸両刃・真道勝雄作の歯形

本目立てオリジナル新品を「切り立て鋸研ぎ」に   縦歯・横歯刃型変え

縦歯:切り立て目研ぎ 横挽き歯:サライ目窓アキ アサリ無し(ヒッキリ横挽き)広葉樹用

窓アキ鋸歯の縦・横切り刃コンビネーション

横挽き歯:サライ目・窓アキ アサリ無し(ヒッキリ横挽き)広葉樹用  日本鋸の進化した先端コンビネーション複合刃テクノロジーです。

「長勝鋸」切り立て・鋸研ぎの要綱

長勝鋸の窓アキ鋸コンビネーション歯は「アサリ」をつけないストレート挽きで鋸身厚が薄く、真っ直ぐ降りるので切れ味が秀逸。

窓位置にある縦挽き歯形と横挽き茨目の双方の利点をコンビネーション刃に仕立てています。ぶれないで切削抵抗を低く、オガ屑を直ぐに排出しながら通直に挽くことができる革命的な発明です。

伝統諏訪目立てでは、直裁な刃型でシンプルな歯つけでアサリが切れ味を決定しています。刃角、掬い角、先端上目スリ、歯元のクリアランス、鋸身厚み、アサリ幅、アサリレス等、ソフイスケイトされた鉋刃に近いイメージです。長勝鋸の刃角は起きています。挽き降り下がりがスムーズで切り肌が粗れない。真っ直ぐに良く切れることは、道具刃物に信頼感だけでなく能率をもたらします。腕が上がったように実感錯覚できます。

本目立てから鋸研ぎへ変更寸法

Y目アサリ: 0.6 → 0.5 mm  鋸身:0.3 → 0.25  mm

T目アサリ: 0.6 → 0.5 mm

窓アキ:アサリ無し 鋸身: 0.5 → 0.4mm

T目アサリ: 0.5 mm

20世紀後期の信州諏訪鋸  「八寸両刃」1970年代最盛期の製品

① 五味春永 作  上:オリジナル1985年 下:切り立て目研ぎ2017 11月 97g

スタンダード品質   12,000-

④ 両角忠三郎作 上:オリジナル1985年  下:切り立て目研ぎ2017 11月    83g  12,500-

上質品とされた作風

窓アキ鋸の由来

窓アキ鋸は,明治・大正期に開拓・北海道向け仕様でした。杣・木挽き職は、切り刃のオガ屑を排出する大きな空隙をつけて目詰まりがなく、長切れする山林現場ニーズから製造されていたもの。道内の森林を皆伐し、挽き材を内地向け、枕木・フリッチサイズにして、楢などは英国などへ輸出されていました。

「アサリ無し窓アキ+ 目研ぎ」新技法の伝承相伝

鋸研ぎ」は、長年の目立業務経験から考案開発された先端技能で世界へ拡がりがります。

歯つけ機械は使いますが、熱処理、研磨、鋸歯整形、仕上げの段階では歪み取りなど微妙な調整がされています。既製品で真似する事は出来ません。真似しても品物には成らないほどすごい技が隠れています。スリ込み動作音から鑢目の切り替え、抑え治具の工夫など、実際のケースに応じて処置はことなり、親方の前で長年みていない修得できない。複雑で専問職でないと手に負えないかも。現代のハイテク技術製品を江戸・明治の人が使ってみたら目をパチクリさせることでしょう。

鉋刃は毎日何度も研ぐのに、手鋸刃は数ヶ月、数年も目立てせず切れないとクレームをつける。おかしな感覚を反省板します。

*記載図版は精密測定ではないため、刃角度、切削研磨形状などはイメージに過ぎません。

「鋸目研ぎ」と「アサリレス・薄刃」高速回転切削刃による材面の合着性

伝統的な鋸歯は、明治期より素材の品質、鍛造技術の改良が重ねられてきました。鋸の製造は、素速く綺麗に長切れすることを目指して職人たちの技が磨かれてきたのです。

電動高速回転刃物が登場すると、切削効率、切削面の平滑さが重要視されて木材から合板・ボード類、化学合成樹脂、金属複合パネルへと硬い無機質材へと工業化が進んできました。 超硬高速回転刃で自然素材の有機質木材を切削すると、手鋸や鑿・鉋の切り口や材面・木肌はバリ・ケバ立ちがなく仕上がりますが、表面組織を圧迫すると細胞間の合着(コヒレンス・分子間力)は、接着剤も十分に働かないまま固まっていることがわかります。

「アサリ」があると接合木材面のなじみ相性は良く、結合度が高まることも考慮して鋸・鑿・鉋の切削を再考しています。大工・指物、建具、木型、提灯、箱・木地など材種と専問職による研磨の違いがかなりあり、個人差も大きい。鍛造品質や調整の仕方にも左右される。因みに、道具を使い捨てにすれば仕事も荒れて、キリバリ木工はさらに進みます。

「組手」の鋸挽き肌では、アサリが生成する粗面でミクロの分子間力を引き出す作用が起きると知覚することがあります。木造大工仕事や家具製作で高速回転刃で加工したジョイントでは、経時変化でズレ滑りが生じることがあり、あまり綺麗ではない。手仕事では、組んだ後に動かないものが多いのです。この「アサリ合着作用」は、鋸歯の違いによる切削、接合面の性状、馴染み、有機素材の合着については、来春にもベテランの友人の知見と判断を得たいと思います。

「アサリ」と枘挽き鋸歯目立て、挽き肌、組手ジョイントワークのミクロコスモスはこれからの解明です。

 

諏訪鋸最後の両刃 1995 年 練達 真道勝雄作

銘:WOODWORK SUMMIT 1991 保存用別注品

九寸両刃240mm、同八寸目、八寸両刃210mm 七寸目,七寸両刃 180mm 、六寸両刃150mm

諏訪鋸両刃  八寸は新品ストックがたっぷりありますので、お問い合わせください。

 

ⓒ2017 , Kurayuki Abe

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木の総合学研究 2017 「伝統木工道具刃物の進化・改良」「使い捨てしない上質切れ味格段アップ切り立て・サライ目研ぎ」「Full-Refined SUWA Double Saws in the end of 20th century」「Nagakatsu’s Sophisticated Combination Tooth Saw Blade」

 

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