「木」と芸術 | ジョイントシステム | デザイン | 修複・保存 | 工芸 | 木工
木の大学特別講座2018 〈木〉と保存・修復—2 「絵画の保存額装 」「木の内科 保護・抗菌抗体材質」世界初の最進レクチャー案内(予告)
絵画の保存額装 _数百年先も重要であるために
ジョイントレクチャー 絵画の保存額装と 自然木ソリッド材の抗菌・保護 マテリアルトリートメントについて
①「額縁の裏側 — 枠から器へ — 」 講師:工藤額装工房 工藤正明
②「木の内科 抗菌・防虫・保護マテリアルの実証レポート」木の総合学研究所 阿部藏之
建築からファーニッシングまで「人も物品も木材に囲まれて安全に居住し、収納保存されている」と見ることができます。
「額装」を切り口とした美術品の保存技術は、工房手法が活躍できるコアテクノロジーとなります。絵画作品に対する敬意といたわりのアートワークですが、主材として「木の内科」の重要性は美術品の保護・保存に留まらず、「フレーミング」に共通する新たな構造的なアプローチから仕事を拡げ、新しいビジネスに結びつく多くの知見が得られるでしょう。
講座主旨
昨年の講座、MoMA ニューヨーク近代美術館コンサバター(修複師) Roger Griffith氏によるレクチャー「保存修復の現場から」に引き続き、本年は受講者のお一人で絵画保存額装のプロフェッショナル、工藤正明氏に関連講義をお願いすることといたしました。
講座後のイクスカーションでは、上田市立美術館収蔵作品の保存額装解説と工藤額装工房の現場を見学訪問して、ニューヨークからの建築ジャーナリスト、美術関係編集者の受講同行参加メンバー全員が初見で高い専問性に刮目。とても興味深い内容でした。工藤正明氏は、保存額装の世界では第一人者であり、誠実かつ丁寧な仕事で高い評価と豊富なキャリアに裏付けられた先端技能を保持されています。
絵画額装業界は、重要美術品の移動・所在や修複の取り扱いもセキュリティからオープンにされない性格です。長年の蓄積と先駆的なノウハウは、美術品や文化財の保存・修復技術の向上発展に結びつき、コモンセンスとして共有できることが望ましく、国際的にも求められているリーディングスキルとして注目されます。
額縁を「フレーミング」としてとらえますと、窓枠・サッシ・建具・家具、箱計装とも共通した構造要素があり、室内建築、展示装飾の歴史と深い結びつきがあります。美術作品の保存修復や収蔵環境にいたるまで木材が多用されており、トレーサビリティや素材管理など作品に密着した連続作業になります。この一体性を重視して、これからの木の科学的高度利用・インテリジェントワークの一つとして特別講座科目に選びました。
本講座では、保存額装用マテリアルとして重要な木材の抗菌・抗体作用について「木の内科研究」から、阿部藏之が補強し、現在まで明らかになってきた抗菌耐性、ガード・プロテクト作用について総合的な知見を実物サンプルとともに解説・補佐をいたします。
講義内容(予定)
①額縁の歴史 ルネッサンスから現代まで
②額縁の構造と様式
③保存額装とは:微気候空間の環境管理
④バックフレーミング・アーキテクチャーについて
⑤保存額装用材料・副資材、用品・ツール
⑥南洋材クライシスと保護・抗菌性能をもつ国産最適ウッドマテリアルについて 「木の内科・シーズニング・マテリアルトリートメントの実際」
⑦工藤額装工房のクラフツマンシップ・ビジネスの方向性 及び最新の工房手法 AASCF (Art-Archi. Scientific Conservation Framing )について
⑧専問図書・資料の開示
受講対象
・美術品修複家・文化財保存ワークスタッフ
・ミュージアムキュレーター 、画商・ギャラリーオーナー
・木工家・アートクラフトマン、技能専修・訓練生 、建築造作・建具・家具、箱計装、鞘師、展示ディスプレイ職
・装飾造形デザインタレント
・その他 関連分野の専問職
講師プロフィール
工藤額装工房 工藤正明 氏 Conservation Framing Architect
略歴 別途記載 関連サイト:http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/17856 http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/17925
木の総合学研究所 阿部藏之 http://kurayuki.abeshoten.jp/ produce/ki-no-daigakuhttp://kurayuki.abeshoten.jp/profile
日時:場所(予定)
2018年5月26日(土) 松本市県の森文化会館(旧信州大学校舎 / 重要保存建造物 )PM 3:00 — PM 6:00 クラフトフェア会場隣接
*受講のご案内は、ネット上では 3月25日に掲載いたします。
2018年3月6日 木の大学講座運営委員会 阿部藏之
■ 関連コンテンツ:
木の大学講座・特別講座 2018 「木」と保存・修複 世界最先進の「絵画の保存額装」+「木の内科 保護・抗菌抗体材質について」
http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/21864
ⓒ2018 , Kurayuki Abe
All Rights Reserved. No Business Uses.
複製・変形・模造・転載作り変え・画像転用・ロボット、Ai無用、業務利用を禁じます。
木の総合学研究2018-2019 「アート作品のための保存額装ワーク」「付け枠・額縁・フレーミング構造ジョイント」「装飾デザイン・オーナメント」「木の保護・保存・修複」「様式家具・内装壁装飾」「文化財保存手法」
▼ お気軽に一言コメントをどうぞ
次の記事:アート作品には「木枠」がツキモノ_「フレーミング」を知ることは上質の仕事を拡げ、専問性を高めます。「木の大学特別講座2018 」予講ガイダンス →
← 閑話休題 色あせる「今日のエコロジー AUJOUD’ HUI L’ECOLOGIE 」Blue Shadow by Jean-Michel Folon