「木」と芸術「木」の本木と人間の関わり木の総合学

「木」の本 「樹」と人の関わり3000年 ドイツベストブック−2.BÄUME

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

「樹」と人の関わり3000年の表象  神話・宗教、伝説・メルヘン、寓話、枝状形態、森林と暮らしから根源的な木のイメージ・形象を俯瞰

BÄUME  樹

ゲルダ ゴロビッエッル著 von Gerda Gollwitzer, 1980
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古代から中世、近世、現代にいたる3000年の歴史的過程で、いかに絵画・彫刻等に図象イメージをおこし、政治的権勢、信仰やアート作品に具現してきたのか。カテゴリーごとに解説して、「木」と人の関わりの意味を考究しています。言い換えれば、生命と形の関係、描かれ意味づけらた姿と木の本質を読み解くことに繫がるのです。
Schuler Verlagsgesellschaft, Herrsching 刊
改訂版 1984  ISBN 3-7796-5181-5
265 x 306 mm , 図版206点 大型豪華本
Hugendubel, München にて購入
内容   INHALT
・巻頭言 Vorwort   p.7
・序論  Einführung   p.8
・樹木の神髄(本性)   Vom Wesen des Baumes   p.11
・神話と宗教の中の樹木    Bäume in Mythos und Religion   p.39
・伝説、メルヘン、訓戒と寓話の中の樹    Bäume in Legenden und Märchen, Sagen und Fabeln p.73
・樹の枝振り(ツリー形状)   Baumgestalten   p.95
・季節の樹木   Bäume in den Jahreszeiten   p.127
・世界の樹 Bäume in aller Welt   p.159
・木立(林)と森 Haine und Wälder   p.181
・樹木と暮らし – 伐採と植栽   Leben mit Bäumen – fällen und pflanzen p. 205
・附記  ANHANG   p.237
 参考図書、出典、索引 Literatur, Quellen, Register
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 樹木の姿や現象は、その実体が人間に与える影響力、感性・思考・観念への反映を意味づけてきた歴史を概観することができます。樹木のもつ自然の生命力、樹精と神秘性、豊穣な実りや有用な恵み、美や造形の素材、詩歌、祈りや信仰の対象としての創造物を身近な象徴的存在をとらえ、世界各地にある事例から偶有性、精神性などを詳説。出典は、絵画図版が多く「木と芸術・哲学へのプロムナード」の趣です。
森の民、ゲルマン民族文化独自の視点から、木と共に暮らしてきた木の記憶がしみこんだ自然観、美の対象として作品を普遍的に洞察した優れた一冊。巻頭に狩野永徳画「檜図屏風」がカラー見開きで、中葉に酒井抱一の梅屏風図、ゴッホが模写した広重の錦絵「名所江戸百景・亀戸梅屋舗」等を掲載。木の文化は、民族ごとの固有の習慣や表現や物作り、産業、文学、医療、教育・音楽・祭儀のほか、いろいろな捉え方がありますので構成している各様相を総体・総合学として考察していきたいと思います。
「日本文化の中の樹木と表象」表現された様々な形や好まれるイメージをデザイン分野も含めて集大成できそうです。(木の総合学研究資料:樹木イメージ・表現と形象)
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現代では、アートは始めから表現目的がきまります。以前では、はじめから芸術作品 (ART)として創作され現れたのではなく, 後「アト」から美的価値が評価され、観賞の対象となってきました。宗教絵画・彫像・祭具、考古の武器(ARM)戦闘具も現在ではミュージアムに収蔵展示されART作品として残されています。
「Arm」から「Art」への造形物シフトは至近。Designは、はじめからデザインワークですが、第二次大戦最中の爆撃グライダー機の成形合板機体シェルがモダンアートになり、1999 年3月 修復後MOMAに収蔵されています。1942 – 43年 当時、California Art & Architecture Magazine では、Eamesの成形合板家具・スプリント、航空機を特集。 アートやクラフツの解釈は、広いようです。
 ⓒ 2013 Kurayuki, ABE

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木の総合学研究2013 – 2019「ドイツの木と人のかかわり」「樹木と信仰・芸術・文化」

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