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「森林枯れ死」展記録 バーゼル自然史博物館 Naturhistorisches Museum Basel 1989 森林科学の評価を下げ、ドイツ林学・木材学の自然林転換となった大気汚染酸性雨による環境破壊・大規模暴風倒木被害
1970年代、大気汚染・酸性雨による被害が深刻化し、スエーデンでは水質酸性化による魚が生息できない死の湖沼が大きな公害環境問題となりました。西ドイツ国内では、森林の55% 、スイスでは33%の森林被害が広がり、森林枯れ死が進み、森林科学の分野では環境保全へ懸命の取り組みが続きました。生存基盤・環境資源の衰滅が目に見える高度工業化社会の姿です。
ドイツ国内では、環境問題・産業経済だけではなく、社会活動へも連動して市民の関心を高める様々な教育学習プログラム・イベントが行われていました。 スイスバーゼルでも Grün ‘80 (環境メッセ1980)、「Natur Kunst」(自然景観アート)などの取り組みがみられました。現在の自然素材へのシフト、オーガニック志向のイニシェーションとなります。
対策ソリューションだけではなく、研究手法やプレゼンテーショングラフィックスにも関心があります。
「Waldsterben 森林枯れ死」展のパネルソースは、当初ドイツ国内の森林施設で掲示され、屋外森林学習の現場でみかけました。Odenwald ドイツ中部低山地帯(Heppenheim 休護案内施設) 1987年5月ABE
この数年、長野県松本地方では松枯れが急速に拡がり、高速道路トンネル付近やバイパス沿道では、大気汚染による衰弱で松食い虫被害が拡がってきました。自然林相では寿命が50年ほど、次に生育する広葉樹に変わります。防除対策でどんなに殺虫剤散布をしても松枯れは止まりません。敗戦後、燃料革命により薪を使なり、松林が次第に肥沃になると広葉樹が侵入して自然更新するほか、國土緑化、拡大造林政策で自然林を伐採して、苗木が安い赤松・唐松・杉の針葉樹苗を植林してきました。自然の姿ではない、全山同樹種、斜面かまわず無理な造林で脆弱な山林となり、山辺地区では、昨年から唐松人工林倒壊・山崩れが起きています。自然の樹木はそれぞれ生存するための適性や抗菌・抗体性をもち、損傷ダメージを治癒する生命活動をしていますから、人間の都合や利益目的でコントロールするのは無理な所業です。
1980年代には、中国・日本国内でも酸性雨被害林が目立ち、深刻な公害・環境問題となりました。
森林科学、林業の専門的な知見、研究成果の学校教育現場への提供は出来ず、地域市民への警告周知はいつしか関心が薄れて、大気汚染が生き物の生存基盤が危うくするというコンセンサスも一過性でした。近年、石油燃料消費による硫酸イオン降下による森林枯れ死現象の広がりを警告する研究レポートがあります。
ⓒ2018 , Kurayuki Abe
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木の総合学研究 2018− 2023 「森林枯れ死展記録 バーゼル自然史博物館 Naturhistorisches Museum Basel 1989 」「酸性雨森林環境破壊」
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