「木歴・木録」「木識・木学」フルーツウッド木の内科

「けんぽなし」日本フルーツウッドの代表格 プロも知らない木肌木理の美質ノーブル(赤・白) 甘い枝軸果はポッキィーの元祖  臭気・大割れで害蟲・人間を厭忌 自然林消滅で山野に姿なし 木の内科-44

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

肥大成長が速く切削木肌は美麗でも、強い臭気と胴割れで悩まされる。若木から壮齢木の抗体・治癒出動・血色素移動と挽材大割れ、大径木・老木の材質変化、フルーツウッドの美質。スッピンの素性をキコリダイレクト、長期ナチュラルシーズニング15 年の初見。

樹体内細胞色素の激しい動きを秘めて木肌の美質・上品さは随一

成長肥大が速い立木は、伐採・製材時にブスン・バンと割れるほど。見た目に良さそうと期待をしてきた立合い人は、ガックリして二度と買わない。

枝・幹に歪み・テンションをはらみ、濃血色芯央色素の著しい切断面 – 細胞壁を貫通滲出。芯材色素は細胞壁を貫通して動きますから、これも観れば仰天。専門書とは大分違う素材の性質が明らかになります。

生材の切削屑は食欲が減退する独特の臭気。抗体ガードを発止、除菌力を帯びて専守防衛。糖分の残る辺材白太にはピン虫が入りますが、芯央部は堅く芯材色境界で止まります。材質は崩れない身持ち堅さで加工しやすく、乾燥に従い臭気は薄れ、江戸・明治期には桑の代用・摸擬木として家具・器具用材に使われていました。

A.「けんぽなし(赤)」胴割れ若木 43yrs.

伊那市西春近( 旧西春近村)近在/杉林内の立木  支障木とされ2003年3月伐採  末口径:30cm x 2mL   伐倒時の胴割れあり

製材前に玉切り元口をきれいに。(玉切り・製材作業協力:柏木工房 柏木 圭)

B. 「けんぽなし(白)」目粗大径木 115yrs.

伊那市西春( 旧西春近村)近在 杉林内の立木 支障木とされ 2003年3月伐採

元口 550 x 600mm x 末口径:470mm x  2mL

伐倒時の胴割れが起きやすい定評。素材として木材市場へ出せないためチップ材工場へ持ち込まれた大径木です。チップ粉砕機投入最大寸法の450mmに割るためチェーンソー切り込み入る。これが内部年輪層の歪み応力は緩和し木口大割れを抑制。この幹は円形流れで不均衡な成長、カット面は一見「桑」に似ています。栃・朴・塩地・鬼胡桃・ハナノキ楓・ハリギリ栓・シナの大径木元木には、なぜかテッポウ蟲が入る。

 

芯大割れあり、辺材部クラックが予想されましたが軽微でした。経年年輪幅不等、辺材部密度差が大きく、製材途中で内部歪みを開放して大割れに至ります。簡単にいえば「割れヤス」製材作業協力:柏木工房 柏木 圭

二又枝分岐部 辺材白太に木喰い蟲集中、三月水揚げ時の伐採、自然乾燥中に白太へピン虫が入る。分岐二又は、虫喰い激しく。

 

糖質が多い辺材部は木喰い蟲の巣  柿渋効果は3年ほど

支障樹木除伐の逆効果 N/L針葉樹・広葉樹比率・植生バランス

杉人工林内に大木があると被圧するように見えますが、混在は周辺隣木との枝張り日照、根張りで競争的バランスが活性を生み出し、本来、共存のままが望ましいのです。杉林にケヤキを混植すると根系が拡がり、互いに成長がよいという実例もあります。針葉樹は広葉樹と生存競争するので生育が良好になると。混交していたケンポ梨を伐れば杉林木立も植生の力強さが失われたことでしょう。

C.「ケンポ梨」(白)壮齢木 64 yrs.

20030112製材 オグラ木材(南会津舘岩村)
2002 年初冬伐採 岐阜木材市場落札一本口 末口径 465mm x 元口径 500mm x 1.800L mm
製材寸法 ・ 板目16mmT 4枚 ・中杢 28mmT一枚 ・芯央中杢 60mm T 二枚 MT2018  MT 20181105 黴蟲喰い・割れ止め効果確認の木口・木端・木表・木裏削り 素性のよい気品がある優良木

木裏クラック・木口割れ

薄板立てかけ束ね自然乾燥 芯央色素血色の滲出・激変動

耳落とし、挽き板重ね立てかけ置き、4ヶ月余り屋内保管 2010115 – 20030523

濃血色芯央色素の著しい切断面 – 細胞壁を貫通し滲出 芯材色素(治癒抗体z)は細胞壁を貫通して動きます。表面層乾燥・赤濁褐色表面付着、辺材糖質部分に黴の発生が観られる。桟木を直ぐに入れ、重ねてはいけません。

秋口の伐採、厳冬期製材でも芯央からの芯材色素抗体の色変が起き、切断板の立てかけ束ねに滲み出しが起き、切断面を通過する治癒挙動に目を見張りました。赤紅・血色芯色濡れはベトツキ、乾燥して赤濁黒ずみ、激しいほどの芯材色の動き。

D. 「けんぽなし」(赤)目詰み老木 230yrs.

信濃一之宮 神域境内  松本市惣社 台風枝折れ・衰弱空洞木伐採 / 沢渡造園沢渡光行・20140618

元口径 600 x 550  末口450x460mm  枝下3,4m
玉切り20140627  製材20140927  MT20140930 -1008 ABE

 ケンポ割り

割裂材質の斧割り 芯色素・脂滲出

高樹齢材は、臭気が香気に変わり、株芯央から拡がる腐朽部に菌類抗体色素が集積、侵入バリアー層が囲みます。境内で護られてきた樹齢230年の目詰み貴重なサンプル材。

 

■「けんぽなし」資料
「傳説による習慣」 厭忌セラルモノ「けんぽなし」

此木ヺ柱トスレバ其屋中二貯へ置キタル酒薄くナル 又過テ此木ヺ酒甕に入ル時ハ酒化シテ水トナル 「大和木経」岩崎灌園寫本

S;「木材之工藝的利用」  p.139 農商務省山林局編纂 明治45年 1912発行

z*「醸造酒アルコールを分解して水となる」という化学作用が果たしてあるのか、臭いから台無し?臭気が酒を水に変えるという変敗の真異を験証してみませう。

梨の木の生命力「メディカル・フルーツウッド」の素性を明らかに

「梨」は、韓法では医食同源。梨花はめでたい図案で尊ばれ、材は吉祥をもたらす家具用として珍重されます。赤・白があり、緻密で美麗な材質となるものが多い。抗菌抗体・セルフキュア生命力がつよく、日本産樹種のなかでは、ノーブルで洋風の雰囲気があります。フルーツウッドの美質だけでなく、バイオ、メディカルの効能が見出される可能性も感じる貴重なマテリアルです。梨(白)の内科木録は順次掲載します。

ⓒ2018 , Kurayuki Abe

All Rights Reserved. No Curation and No Business Uses.

複製・変形・模造・引用・転載・画像転用・キュレーション・業務利用を禁じます。作り変え、まとめサイト、ライター無用。

 

木の総合学研究2018 「ケンポ梨 若木・壮齢・高樹齢大木・老木の木理樹相」「梨の樹体内攻菌ガード・治癒リアクション フルーツウッド 木の内科」「キコリダイレクト MTマテリアルコネクション」

▼ お気軽に一言コメントをどうぞ

次の記事: