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ハイテク電子機器の時限接着| 突然の剥離・動作不良・脚折れ結合部からのMac崩壊|先端ジョイントテクノロジーの限界・修理不能マシン

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

PC /モバイルやカメラ、自動車ハイテク工業デザイン製品は、工場を出ると使わなくても劣化し、やがて壊れはじめる。新機能を謳いバージョンアップを重ねユーザーを縛り、廃れ陳腐化を速め、短命にして直せない。修理は高くつき、買換えに誘導され、目まぐるしくデザインイメージを買わせる。

2019年7月 突然、Appleマークがポトリ落下 1999年開発の Mac Cinema Display 22 inch. ポリカーボネート成形モデルの時限接着

 ハウジング裏面のアセンブラ部分の隠し接着、立て脚のネジジョイント部は破断(もう一台が10年前破損)いずれも同じ部位から壊れはじめました。

  

 配線ケーブルコネクターを傾斜脚の取り付け部と一体化、ボルト緊結部が破断するとコネクタハウジングも損傷。スマートデザインに潜む構造的な無理が剥離・破断をおこしています。(応力集中のダブルジョイント)無理なデザイン優先で経年劣化、クラック入り。

10年使えれば上等、 15年もてば恩の字、20年動くのが奇跡という人ありますが、まだ  廃棄するのは忍びない。外観デザインも派手に主張しない、和風の雰囲気が漂い邪魔になりません。業務上の周辺機器との兼ね合いで使い続けるmac デザイン製品ですが、設計思想に回収再生をすることを考えていないので資源の浪費は止みません。

電子パーツジョイントの刹那的信頼性   修理が出来ない微細技術の塊

  現在の電子回路のマイクロソルダリングでは、多層チップ集積デバイスは微細バンプ・電極端子などとともに、真空気相内でマイクロボール融着ジョイント加工されます。超精密機械ワークで組立られ、手作業ではとても修理できない。プリント基板はハンダ付けが基本技術ですが、ヒートサイクル、放射線・宇宙線で劣化崩壊するハンダマテリアルの素性については専門職外は知り得ません。言い替えれば、ソルダリング品質が製品耐久性を支配しています。

物質崩壊で発生するアルファ線は、微細回路にダメージを与え、機器のトラブル・誤作動を引き起こします。案外知られていない動作不良、回路不具合。

 α線低放出処理をした高価な接合材による安全なテクニカルソリューションもあるのですが、汎用の安い再生材をつかう製品は誤作動や故障をかかえ短命です。マイクロソルダリングの耐久度、信頼性が製品寿命を支配するようになりました。

また、始めから取り扱い説明書_紙媒体がなくなり、頭に入らない電子スクリーン画面、溢れる新造語に意味ちんぷんかんぷん、操作も手探りです。購入者は、製品全体を理解する事ができないブラック製品をさまよいながら使っているのです。

放熱ヒートプレートの焦げ錆び (i-mac)

プリント基板表面接点保護レジスト膜の酸化、電磁ヒートサイクル変色(業務用TVモニターVictor )

自然界に存在しない合成化学物質を使うハイテク実装技術

電子デバイス製造マテリアルの本質は、脆弱・不安定・短命・ハイランニングコストです。製造過程で使われる、電子回路、プラスチック、合成化学・メッキ金属材料は、その優れた性能を開発して実用化され、不安定な物質を高密度に集積します。

素材そのものが時間とともに物質崩壊するので、ヒートサイクル・ノイズ、電磁波動・大気汚染ガス・紫外線に影響を受ける。電気抵抗、導通にともなう金属元素のマイグレーション(内部析出腐蝕)など、外部から見えない臨界反応がおきます。

放射線・電磁波・合成化学物質の被爆

極微の電子デバイスに使われる特殊な合成化学物質は、性能を高めるために使われる反面、ハロゲン化合物などに毒性があり、製造過程から製品の安全性や無害処置は難しい。基板端子の金属酸化表面とるフラックスの一部に自然素材松脂ロジンが使われています。

遮断できない通信機器、レンジ等の家電製品の電磁波発生、至る所にミクロ電磁波の影響を受けるようにになりました。自然界に存在しない合成物質は微生物で分解されず殘存。合成化学物質に曝されず、人工光や放射・電磁波を浴びない環境は、安全でとても貴重な塲所なのです。

加速される消費廃棄スピード 高度電子技術ジョイントテクノロジーの限界

 修理をする前に新製品を買わせ、バージョインアップを強要するマーケッティング手法。合成化学材料・プラスチック新素材を際限なく製造、拡散し続る。20年前からUNミネラルレポートに警告されている、埋蔵重要金属資源の浪費は続きません。錫鉛銅の電子部品・ハンダ付け材料のミネラルショックも危ぶまれる。

ジョイントテクノロジーから観ると、電子機器は微細化が行き着く所まできて、循環永続できるものではないことが明らかになりました。一時的には便利ですが、始末することが難しい素材や不自然なテクノロジーが全盛です。修理部品費用は高く、高密度実装では、どこが傷んでているかもわからず直せない。デバイスの全取っ替えか新品買換をせまられる。

安定持続や耐用年数はあまり問われないハイテク製品

 現役のシネマディスプレイは、発売時は驚異的な液晶技術革新でした。仕事が高度な拡がりをもたらすように感じ増した。大分くたびれてきましたが動いています。基幹部品が修理交換出来る設計ではないライフタイムが短い製品というイメージはありませんが、定期的に新製品モデル投入、バージョンアップで性能アップを訴求。斬新デザインを投入して陳腐化させ、古びたものは使えない、買換促進戦略へシフト。無意味なデザイン偏重を感じさせる昨今です。

「使い捨てユーザー縛り」は、行き着く所、後発競合を招き、先駆のメーカーも自縛することに繋がるようです。技術革新が連続している間は、構成部品の劣化故障は目立たないので気がつきません。デジタルカメラなどは、修理サービスは外部委託、高くつく修理より買いかえがベター。家電通信・PC周辺機器は、転用・造り替え、再生利用、廃棄処理までを良く考えて造られてはいないのでした。

修理、再生転用、パーフェクトトレーサビリティー、無限製造物責任へ

不安定な工業材料を集積したものに囲まれる環境では、人も不安定になります。北欧では、修理消費減税による修理再生循環へシフト。資源の限界が見えてきた現在、ゴミ処理だけでなく、将来の社会的負担を見据えて新しい産業政策が次世代のための道を拓きます。修理再生し、造り替えてライフタイムをぼばし、後始末をはじめから考えなさい。「デザインワーク」には、社会的な問題解決と製造無限責任が伴うのですから。

ⓒ2019 , Kurayuki Abe

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木の総合学研究 2019  「ハイテク電子機器ジョイントの時限接合」「短命化を加速させるジョイントマテリアルの有害不安定化学物質」

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