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クラフトマンシップを踏みにじる名作の剽窃、擬作横取り|「職人的作家」「ガイチュウ」は遠ざかり、「サッカク」「ザッカ」既視感売れ筋・安直の蔓延|クラフトフェアーまつもと2019年35回目の想定外

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

ハットするような尖った才能や見事な造り込み、魅了される手仕事に出会うことは光栄です。新しい才能を感じさせる創作の発表は極めて少なくなり、似たモノ既視感が拭えません。小手先ですぐ売れるものを狙う。海外からの参観者ジャーナリスト、造形専門家の評価は厳しく、目を見張る、観るべきものが少ないと印象を語ります。そこへ審査スルー擬作のお膝元登場、行く末はまこと危うい。

 1994年作品発表以来、クラフトフェアまつもとの代表的名作となった柏木圭作「懐中箸入れ」独創の構造とシンプルモダン、スタイリッシュデザイン。

この栗割り子・籐編み係止具デザインは、クラフトフェアーまつもとで例年制作実演を続け、多くのメディアのほか、クールジャパン海外展フランクフルト装飾美術館でも選定展示された作品です。同じ会場内で擬作を展示販売することは、制作者のオリジナリティ・正統性を損ね、職業倫理を蝕み、しいては非営利文化推進体の屋台骨根幹をゆるがします。

「少し変えればいいんだ」安易なザッカ的制作姿勢が許容されるという錯誤のトリガーとなりかねない。

クラフトモノ造りに少なからず影響を与え禍根を残しますので、A. 偽作出展者、B.原作者ベテラン先達、C.ギャラリー仕入れ購買、D.クラフトフェア運営組織  それぞれが負う責務の再認識、係争を防ぐための問題提起をし、以下、専門的な知見から始末する順處を記載します。

A. 偽作出展者  Mr. N

①出展カテゴリーの詐称:「竹 その他の素材」であり本体は栗材鋸挽き蓋 締め具を竹編み、ズレ止め突起付け面取りを角ばらせる。構造及び形は、ほぼ同一の造り、木工部門の申し込みが本筋。

②オリジナル品に比べ、30%低価格に設定し安値妨害

③長野県上松技術専門校卒業で原作者の実演・作品をみている。

B. 原作者 木工造形家 柏木 圭

④会場実演・説明にいそしみ、同じ会場で並ぶ異様を見逃す。他の展示物をみないので当日会場でコピーを察知できず、会期後にまさかの模倣に驚く。ベテランは後進の指導的立場であり、目配りが欲しい。

⑤知的財産の係争では、何時模倣や擬作を知り、どのような措置をしたのか、損害内容を問われます。警告でやめても、始末書をもとめるのが通例です。

贋作は放置せず、作品の同一性保持の妨害度、制作の継続性にも影響します。会場での模倣品の展示をその場でやめてもらうアクションをおこしているか、その後に文書等で警告したかどうかも。

⑥角面取りモデルを出されたことは、リニューアルの余地もあることを図らずも教えているのでは? 海外で量産モデルが出るリスクは高まります。

C. ギャラリーO 展示購買 (東京都世田谷)

⑦クラフトフェアーまつもとでご覧になり、ソックリ後発類似品として認識はありましたか?

クラフトフェアーまつもとで仕入れ、作品は好評という。原作者の実演展示と同時会場であり、類似作品であることもわかるのです。

⑧仕入れ判断にクラフトフェアー審査展示品として影響しましたか?

作品のクレジット確認や販売保証、クレーム対応、類似品の扱い、許容範囲はどうされていますか?

D. CFM運営事務局

⑦ エントリーは有料審査であり、「選んだ作品は創作品」とみなされます。来歴や素性を調べる手間を省いては、信頼性や不作為が問われかねない。申請内容、審査を非公開としているので外部からはわからない。

⑧ 当日会場で展示サシ止めができたが、誰も気がつかない。実際に個々のエントリー審査作品がきちんと展示されているかの確認はされず、運営役員は、自分の作品展示販売にいそしみ、離れない。手一杯という。

⑧審査パス作品は、実際の会場ではわかりにくい。売りたいのでイッパイ展示、商品売り場化しています。

出展参加者は、出せればオーソライズされるパブリックステージと受け止めるようになりました。クラフトフェア松本参加を耀く経歴にし、ここは売り場であると思っている人が多い。

若い優れた才能に発表の塲を与え、造り手同志の交流をはかる個展の集合体で有りたいという当初の企画意図は、いつしか「商品」展示へと変貌しています。ついにコピー・偽作まで現れるようになりました。アートクラフト作品の知的財産権は、個人のか細い制作活動では警告し侵害をやめさせ、係争になる前にうやむやになります。

出展申し込み審査を経て、パブリックスペースで公開展示・販売されれば、来訪者・ギャラリーバイヤーは公知の創作品と認知しますから、決して開催者が擬作をリリースしてはいけない。

似たモノ出品を寄せ付けない方策、ソリューションについて

A. 審査エントリーをオープンにする。

造形力のある人の申請書には説得力があり、作品のプレゼンテーション表現にも個性を発揮しているので閲覧することことは才能を知り、公平な審査・評価につながります。

B. 全ての会場出展記録を検索・閲覧できるようにアーカイブスを作成する。

C.意匠登録ガード デザイン権は、意匠登録20年、著作権70年の合算で保護されます。法制度は、欧米先行で進みます。デジタルかされて自分で手続きが出来る。

D.クラフトフェア展示作品を検索、会場記録を閲覧できるようにする。

小職は、お膳立てした第一回1985年から2019年までの会場シーン、展示作品の撮影、刊行物の集録を継続してきました。 1999年松本移住、2001年スカンジナビアファニチャー見本市出張で記録は二年空いていますが、ほぼ全容を記録しています。ネガフィルム、リバーサルフィルムの時代から、デジタルカメラによる全ての出展小間・会場シーンを2009年 – 2019年継続撮影。

既にプリント出力・編集してファイルにしたものがあります。

①1999年クラフトフェアーセレクション100 in松本城

②2003年 事務局費用で会場撮影をプロに依頼 小職が記録ファイルを作成

③2009年

④2010年 最多出展数の年

⑤初期の保存記録、、及び現在までの印刷物

以上は、CFM事務局に貸し出し、一度提示しています。その他は、ネガプリント、スライドで保存。( 約70,000カット)

専門セミナーの開催、クラフトライブラリーの開設、次世代の活躍できるクラフトハウスミュージアムへ

クラフトに関する資料収集や専門セミナーは、すぐにも実現できるでしょう。全国に拡がったクラフトムーブメントのイニシアティブからも高度な専門性を発揮し、手仕事を発展させる次世代の才能に手立てとなるものをまとめ、先達が道をあける時期にきたと思料します。

クラフトのカテゴリーの拡張は、食のクラフト「ベーカリー」「パティシエ」「コーヒ工房」「クラフトチョコ」などと広がります。「工房スタイル」なんてステータスだという若い感性も表れてきました。高価でなかなか買えませんが、手しごとの痕跡、顔が見えるモノ造りが尊重されてきたと感じています。尚、早速のご意見有益。

■コメント① 20190909   MWW高山市

・クラフトを良く知らない私にとっては、あのモンスターマーケットに出店している皆が、何がしかのザッカ的要素(売れれば良い)を持った人だとも思ってますので、なんともコメントしづらい。本当の作家さんはあのような場所に出さないのではないかと。

■コメント② 20190910       KYS焼津市

・ついに、CFMにも出現しましたか。機能も同じなら、構造、構成、意匠もほぼ同じ。瓜二つ、という奴ですね。ただ柏木さんの断面が円形であるのに対し、エッジを残した形状に違いを持たせ てる。
加え、材種のバリエーション展開で耳目を惹くやり方ですね。

これは意匠登録したいれば、たちまちアウトでしょう。CFM事務局の選考でこれがなぜ通ったのか、 CFM要職も務めていた柏木さんの代表作とも言える作品のコピーを。審査、選考時に提出した作品の中には含まれなかったためなのでしょうか。

CFM本来の目的とはずれてきた「買わん かな」的な出展作家の姿勢(事務局メンバーでさえ)のいきつくところの悪しき 現象ということになります。この事態を軽んずること無くしっかりと受け止め、同様事態の発 生を食い止めるため、問題意識を共有せねばいけませんし、出展者にも衆知され たいところですね。

ⓒ2019 , Kurayuki Abe

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木の総合学研究 2019  「木工と竹素材のクラフトカテゴリー」「クラフトフェアー擬作展示販売とデザイン知的財産権の侵害」「出展審査エントリー責任を促す作品展示記録オープン保存」「剽窃を防ぎ、専門性の広がり得るクラフトライブラリー・資料公開」「創作クラフツ作品の保全・クレジット」

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