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カジカ楓の激しい抗菌防衛リアクション | カエデ科の強い生命維持バイタルサイン | 風枝揺れ応力が造り出す水平節アテ逆目|樹皮薄着派の潜性・「ヨタモノ」カエデ Insight 木の内科-54
ピスフレックス(髄班)微生物の侵入ダメージ部へ動く色素は、芯央からの出動が鮮明。
周縁に滲出る白濁抗体の活性、薄い外皮に裏打ちする厚い内皮層でガード。
薄い樹皮が意味するもの
損傷ダメージを回復する抗菌抗体反応が素速く、治癒力も強いなど、環境に適応し生体維持機能が高いという見方ができます。「樹皮は、原木丸太の目の詰み方、捩れ・隠れ節がわかる」木材商プロの読み
薄着でいられるということは、厳しい自然環境を生き抜いて行けるタフな生命力が旺盛の証。微生物や昆虫の寄りつき防衛、風倒にも負けない。損傷ダメージを速やかに手当し、回復する能力を語ります。
良質材は、気象条件と災害のない安定した林相、鳥・昆虫・微生物すべてがダメージを与えなかった幸運、長い時間をくぐりぬけてきた希有な存在なのです。
大木になる、樹皮の薄い方が良質材であるものに、ぶな・ナラ・カエデ類アサダ、姫子、青肌、吊り花の木などがあります。厚い樹皮が良質である原木は、キハダ・オニグルミ・トネリコ・栃・桂・栓 など。
樹体内のダメージ欠点は外観から見えませんので、樹皮と元末口カット面だけでは判りません。製材作業途中では、意外なハプニングがおきます。樹皮の縦割れ、横割れでも外部からのダメージ受創、肥大成長に違いがおきるのです。
倒れまいとする立ち木の「水平アテ」風揺れで拮抗するグレインの応力変形、木理の膨らみ
風揺れに拮抗して耐力を生む水平アテが間隔をおいて材面に顕れています。材面を削ると越曲した杢目は逆目をおこします。風揺れで、幹の側面に顕れてくるアテ。竹のような節目で曲がり折れを防ぎ、ストレスを受け止めていた繊維細胞の膨れです。年輪はくねり、外皮も僅かに盛り上がる。長期自然乾燥、熟成の成果はいずれ明らかになります。イタヤ楓にも枝揺れ応力のストレスで同じように辺材分に現れます。
ハナイタヤ 80 yrs. 大径木一本のオペレーション (奥会津地方・柳津町野老沢伐採)
マテリアルトリートメント、ナチュラルシーズニング、パーフェクトトレーサビリティー検証材
繁殖力が強い翼果 ドンドン実生で広がります。
紅葉 (別名:赤イタヤ)
冬期新月伐採玉切りの樹皮からの春芽吹き 直ぐに蘖がはじまり再生します。
*「ヨタ」:はびこる存在で「偉力厄介もの」を言い表します。古代の夜刀(やと)夜盗(やとう)からの転訛したもの。いい場所を占拠するのです。
木材学では、「カエデの一種」でかたづけれてきましたが、専門書にこのカジカカエデの研究データはなく、物性は判りません。繁殖力や抗菌反応の特異なパターンには、強い抗体作用があるように感じる時があります。イタヤカエデや瓜肌楓と比較すると、材質は脂気油分が少ない。粘りは弱いので割り易く、軽く軟い。水分抜けも速い。カエデ科特有の材肌に艶があります。
南相木村の造園職 猿谷袈裟治さんは、「欅・楓はヨタもの。どこにでもはびこる—-その繁殖・生命力は並外れ。」と話してくれました。強いモノが目立ちハコビル。繊細でか弱い性質のものは、個々にニッチをおさえ、芽吹き・落葉のタイミングや種の運搬など、生来のユニークな生存戦略を秘めて見事です。人手・植えつけをきらう樹種と、どこでも気にしないで根を張り、適応する逞しい樹種があります。カエデ科は、特に変種や栽培種も多い。
成長は速いのでチップ材バイオ利用、研磨材や木灰の応用ができると、大事にされるのですが。激しい抗菌反応とタフな生命維持力をカエデの清浄な材質とともに、メディカルウッドとして活かしていきたいと考えます。
ⓒ2019 , Kurayuki Abe
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木の総合学研究2019 「カエデ科の抗菌・治癒反応バイタルサイン」「クリーン堅木ソリッド材のメディカルW利用」
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