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小梨の抗菌・虫喰い侵入デフェンス|ピスフレックス(髄班)寄生虫効果で抗菌・耐性を獲得する亜高山帯のフルーツウッド | 樹体内のバイオメディカルエフェクト Insight 木の内科-55

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

ピスフレックスPith Flecs (髄班) の侵入寄生を容認し、微生物侵入阻止、昆虫に対する抗体を獲得。自ら抗体・治癒物質を造り出し、バリヤーでガードしたり修復に動かない生命維持は、高等なパッシブ防衛。人体の寄生虫による免疫アップやアレルギー反応抑制と同じような作用とみえます。

 立木宿主が衰弱してしまうと寄生は困るので、抗菌免疫力を高め、健康な樹体を維持する様々な貢献をすることが明らかになります。商材として利用価値はなく、小梨の樹性・材質などが研究されることはありませんので、ライブウッドの性質や様々な生命医事についてフィールドワークから知見をまとめていきます。髄班は、木材利用では、表面傷汚れ・欠点として扱われてきました。樹木も倒れまいとして、いろいろ考えているのです。

「小梨」の樹性・材質

① 材質

緻密で固い低木広葉樹 粘り繊維交錯。密度比重はやや重く、「山梨」「マカバ」「アサダ」に近い樹体・材質。

② 植生

亜高山帯の水脈、湿気がある傾斜地・沢沿いに散在。林縁では陽表枝張り。

③ 花と果実

小梨赤 /小梨白

清楚で綺麗な開花、花弁は「赤」と「白」異株。蜂などの蜜源、僅かに甘い香り。実は小さく枝先に軸下がり、「赤」と「黄」二種があります。

小梨赤              小梨白

葉色が少し違う。(小さい「梨の実」名の由来、山梨とは別種)

④ 樹皮

細く縦割裂、薄く短い積層。黴・虫喰いから樹体を護る樹脂・抗体色素の動きは目に付かない。樹皮には白癬菌がつきやすい。

⑤ 材色変化

 

やや固い緻密な質感 乾燥すると空気に触れた部分が色付き、梨材と似た上品な褐色を帯びる。肥大はスロー、捩れ曲がり、木材用途は限られています。

 

⑥ピスフレックス髄班(微生物虫)の寄生

年輪幅中央におびただしい斑点状に拡がる髄班ピスフレ団地化。芯央抗体色素は動くがピスフレックスをアタックしない。樹肌に静脈のように膨れ、移動した経路が見えます。

幹・枝全体に入り込み同居しているので、切削材面に傷・汚れにみえる。固く割烈しにくく粘いので柄物、下地・器具材に使用。髄班は特にフルーツウッドに多く「ツキモノ」。縦方向に成長し赤い移動痕跡を残し、乾燥しても消えない。

⑦ 芯材

小さく不定形に入り、ダークブラウン濃色。薬用・染料に使えそうな気配。タンニンなどの成分蓄積とみられ、成分は未知。繊維交錯、材面からのえぐい発散臭があり、僅かに匂います。

⑧ 旺盛な枝振り再生力

枝軸に棘状副枝がでて曲がりくねり、幅板はとりにくい。樹勢は強く、いたる部分から枝再生。大木には成らない。

⑨ 群生しないファミリー植生

水脈がある陽当たり斜面に生育。量的にまとまらないので市場へは出ない地場使用。

⑪ 純木灰

鉱滓のような燃焼残渣があり、ケミカル物質、金属を明らかに吸収しています。

 以上、バイオ・内科的な項目に関する現在までの知見をまとめました。物性については、密度比重、平衡含水率、切削性、接着、塗装、摩耗・耐候性など。既往の類似樹種のデータから類推できます。

材質に芳香物質は含まれず、香りによる効能は期待できませんが、抗菌・防虫、免疫抗体の仕組み、再生治癒力をメディカルウッドとして活用できる可能性を感じています。

ⓒ2019 , Kurayuki Abe

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木の総合学研究 2019  「小梨の樹性・材質」「髄班ピスフレックス寄生による抗菌・抗体、共生免疫機能獲得」樹体

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