「木」と食 | 「木」の道具・工具 | 工芸 | 日本の自然色 | 木工
60年余り蔵にストックされて富貴化した 本漆布目溜塗り「夲膳」|正調の手仕事_漆工「用の美」お披露目|一万年続く 塗り・接着_滅菌殺虫オーガニック衛生・メデイカル素材を次世代へ ハンドツールジャパン-39
最上質の溜め漆塗り_この色艶は、時間が経ち自然素材そのものが透明度を増していきます。光りのあたり具合で照り、落ち着いた色調_表情が異なるノーブルな琥珀色に変わる。あらたまった會席もてなしの響膳_器や料理を引き立てます。「物ヲ塗リテ 色潤美ウルワシ」
仕様:
本漆布目溜塗 夲膳トウゼン 指渡し:一尺二寸(360mm) 縁総高さ 一寸二分(37mm) 重量600g 五客揃い 収蔵箱:杉赤身柾板・倹飩ケンドン 前蓋 総目方 6.8kg 新調 昭和28年10月 輪島塗り
和食の響膳には、もてなす順番に「二の膳」など、それぞれ名称があります。メイン料理は「本膳」とよばれ出される順番をいい、この「夲膳トウウゼン」は、本膳に相応しい調度の呼称ですが、本膳と同意語で使われていました。
隅切りは拭き易いだけでなく、縁形をキリリとさせ、緊張感を醸し出します。縁ヘリ一寸二分_内縁四分(12mm )内縁を廻し、中央は食器の滑りを抑える布目半艶仕上げ。
低い入射光でしっとりした布目下地が浮かび上がります。滑りを抑え、手触りが良く、微妙な光沢の違いを出します。
裏面は黒漆を載せ、木地指物の造りも見事です。本漆をタップリ混ぜ物なし。
模様を付けないシンプルな溜塗りは、主張したり邪魔をしない。雰囲気を損なわず、料理と器を引き立てます。
収納箱前蓋 倹飩ケンドン
前稿で接合部の糊残りに木喰い蟲が入り穴開け・退散を記載しましたが、中の漆塗り周縁は入らず。漆の匂いはまだ残り、微細放散が続いています。現代では素材や制作技能・費用も難しくなりました。漆塗りの極めて優れた性質を識る、得がたい作品です。ほとんど傷もなく美麗です。使いこなせる人に渡したい。
実測記録 及び 構造の類型「茶會旅箪笥」
ⓒ2021 , Kurayuki Abe
All Rights Reserved. No Curation and No Business Uses.
複製・変形・模造・転載作り変え・画像転用、ロボット・Ai無用、業務利用を禁じます。
※ 近日、著作権法改正による無断ダウンロードが制限されます。閲覧のみにしてください。
木の総合学研究2021 「正調の手仕事_漆工溜め塗り夲膳」「本漆塗膜の経年富貴化」