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蛋白質と反応し、殺菌・滅菌、除菌・抗菌作用を起こす柿渋・漆樹液_樹木の生命維持力を取り込むトリートメント|腐朽菌黴止め・虫喰い防止処法_長期自然乾燥・材質安定_熟成木守り|見えない木の力を更に明らかに Insight 木の内科 – 78
植物性蛋白質と結合し、蜂蛇ゲジゲジの蛋白毒を即座に中和する柿渋タンニン_肌につくと皮膚蛋白質と反応して炎症をおこし、カブレて火傷状になる生漆樹液。抗体のない人は、ひどい痒みと火ぶくれで大変。この激しいまでの化学反応力を殺菌・抗菌バリアにつかい、黴・微生物・虫寄りつきを止め、材質の劣化を防ぎ、木の優れた性質を引き出すことができます。
酵素の介在で素速く蛋白質と反応し、黴菌・微生物や昆虫の寄りつきがないことから、その嫌忌・排除パワーの防衛ガード、見えない分子レベルの結合異化作用はかなり激しい。
柿渋・漆は、衣類繊維にくっついたら絶対にとれないし、共に鉄分にも反応するのでウルトラオーガニック。ミクロのタンパク質であるウイルスや黴以外の細菌類・体細胞にもなにがしか影響すると考えられます。
■白木に直ぐに取りついてしまう黴・細菌のガード_木口材面処置 柿渋・生漆塗布_抗菌マテリアルトリートメント例
トネリコ
花の木イタヤ
白樫
柿渋塗布。割れ止め木口は黴・木喰い虫のとりつきはない。塗布しない木端・材表面は黒黴に覆われています。内部は、痛みがない綺麗な無垢です。
ガマズミ
柿渋・漆樹液は、濡れがとても速く浸透し、木に帰ろうとします。ミクロの生化学的反応は、くっついたら離れない。細胞の中まで入ります。自然物どうしの深い親和性と抗菌力そのものではないかと考えています。この黴や微生物・昆虫を寄せ付けない性質は、抗菌衛生材料として疫学的な利用に結びつく可能性を感じさせます。
少職は、木の総合学研究サンプルストック生材にとりつく黴・木喰い虫除けに柿渋・生漆、割れ止めを使ってきました。長期自然乾燥とオーガニック材料による材質安定と熟成にめざましい効果があり、本来の樹性を損なわず、経時変化で次第に富貴化していきます。
■虫喰い止まり事例 漆溜め塗り「夲膳」杉赤身・柾目_五段収納箱 1953年新調/蔵保存60年
接着糊残りから入る木喰い虫_ 軟らかい春夏部を喰い拡がる 内部の薄葉紙包み・漆塗りにはとりつかない
■ウイルス・細菌・微生物・虫が寄りつかず、いられない塲所に
木材の腐朽菌・虫除け処置では、素速く蛋白質と反応し、寄りつきがないことから、その見えない分子レベルの結合異化作用はかなり激しい。また、柿渋と漆は、衣類繊維についたら絶対にとれない。他にも、鉄分に反応し黒くなります。
下地材、接合・シール材とても優れた性質があり、その絡み・被覆力や反応の凄さをみると、タンパク質体であるウイルス・細菌類を不能化するのではないかと考えます。激烈な性質がありますが、微細放散から感染防止や衛生・疫学的な応用ができると感じるものがあります。
縄文以前から使われ続いている事由には、頭髪を漆櫛でスキ、装身具をつけ、口・鼻に近づける食器・保存道具につかうのは、耐久性の他、衛生・除菌・抗菌性能も潜むと観ています。匂いも独特で、いじくる手や肌を通り、微細放散成分が鼻から肺へ吸収されます。
室町時代の「漆ウルシ」具木名 新撰類聚往来
■ 漆は、極めて多くの優れた性質をもっています。強力な接着作用がり、乾き硬化した皮膜は、酸・アルカリ・塩分・油・アルコール等に侵されず、防水・防腐性があり、熱や電気気の絶縁性も高く、黴・細菌類を死滅させます。
松脂ロジン成分のテレピンオイルは、生漆稀釈材として溶け、洗浄用に使われています。
先端テクノロジー分野では、原子炉の封印シール材や、美しい塗り肌は工業製品の美装に採用されるようになりました。
貴重な木材の自然乾燥では、木口や節部に塗布して黴ツキ・腐朽菌の拡がりを防ぎ、養生・熟成効果を高める事にも使います。
漆塗り専門職には、インフルエンザ地域感染が少なく、経験的に漆のもつ滅菌力を感じています。 古代遺跡から出土する赤塗り漆櫛は、頭髪の虫除けや抗菌衛生材に役だったのではないか?と想像します。
縄文前時代から使い続けてきた「漆」は古代から現代まで重要な天然接合材・萬能塗料でした。微生物は殺菌され、動物は触れるとカブレます。
因みに、経験的にストック数量が多いと本漆塗りの周辺は、クリーンで清潔度が違う。化学工業薬品全盛ですが、自然のオーガニック抗菌性素材の処方を忘れています。
総合学域研究では、樹木のもつ治癒・修復力、殺菌・滅菌・抗菌作用など、見えない木の生命維持力や自然オーガニック材料の仕組みが徐々に明らかになってきました。山漆・ヌルデ・ヤマハゼの漆科は人里近くにあり、森林環境の防疫・抗体作用も果たしているようです。
「立ち続ける樹体 ≒ 生命維持力・抗体 ≒ 防衛治癒反応 ≡ キュア・メデイカルウッドワークス」という観点から、さらに考究を進めています。
ⓒ2021 , Kurayuki Abe
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木の総合学研究 2021 「酵素の介在で蛋白質と反応する柿渋・漆の樹性_殺菌・滅菌、除菌・抗菌性オーガニックマテリアル」「自然乾燥のための腐朽菌・虫止め処置」「人体にも共通する衛生維持、除菌・抗菌力を取り込むメデイカルウッドワークスの入り口」
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