MT マテリアルトリートメント「木識・木学」メディカルウッド木の内科薬用樹木

強靱な白木「トネリコ」身を護る抗体発出・抗菌防衛バリアの動き、周到なダメージ治癒力|Tenacious white-wood TONERIKO ASH _The emergence and recovering of antibodies during the period between Tree and lumbering, the maturation by long-term natural seasoning.| 原木玉切りから製材・マテリアルトリートメント、長期自然乾燥・熟成寝かせ|樹名の由来_医療利用まで、全てを Insight 木の内科-84   

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

白木シラキは、辺材白太と芯央の材色差がハッキリしていないので、細菌・虫類のとりつき防衛や損傷部治癒の動きは見えにくい。伐採・製材から時間経過とともに、微細な内部組織の変化・バイタルサインがゆっくり現れてきます。

 十年ほどの自然乾燥に現れてくる材色変化では、株下根元芯央から抗体を発出し枝元・節結合組織へ送り、更に損傷ダメージ部分を抗体バリアで包囲して、塞ぎ埋め込む。封じ込めて生命維持を果たす様子は、静かにゆっくりとす進み、ダイナミックです。白木は、材色がないのではなく、空気に触れて少しづつ材表面に出て、樹木が身を護るフラボノイド反応が起きてきます。

最大級のトネリコ原木  _枝下6.8m /元口 80o x 700mm   末口490 x 580  根元ギリ伐採 _材積 1.3㎥ /2008年11月

本稿のコンテンツ

❶ 樹体を護る抗体の発出・抗菌バリア_急肥大成長・大木化を引き起こすトリガーテッポウ虫入り_侵入微生物・木喰い虫の封じ込め防衛

 

以下次稿に掲載

② 極薄外皮に二重の内皮層張り_樹皮は抗菌・耐性、木理材質・素性を読む手がかり

③ 長期自然乾燥による熟成材質_パーフェクトトレーサビリティ

④ 目摘みソフト材質と目粗ハード材質の違い

⑤  圧縮-引張り-捩れ応力・衝撃を吸収する筋違い鎹配筋_強靱な樹体構造

⑥ マテリアルトリートメント:黴・虫除け_柿渋・生漆塗布・割れ止め塗り_鎹打ち

材面保護_桟木積みナチュラルシーズンニング・木守り

⑦ トネリコ(止祢利古乃岐)樹名の由来について_樹名考

⑧ 自然薬理成分とキュア・メディカルウッドワークス_高感度素材の高度利用へ

樹体内部の抗菌・抗体発出_損傷ダメージの修復治癒・バイタルサイン

枝元入り節部の抗菌バリア・埋め塞ぎ

木肌色白の清潔な印象ですが、粘り割れにくい、堅く締まった強靱な材質です。根元基底部中枢から枝節へ派出される抗菌・抗体はタンニン(フラボノイド)。

外部からは見ることが出来ない、色変で識る腐朽菌封じ込めバイタル。入り節は、生命維持機能のメモリーです。

微生物・木喰い虫侵入防衛バリア_抗体の発出

 侵入した微生物・原生動物を封じ込め、芯央から抗菌抗体成分を派出するハサミ撃ちの防衛アクション

急肥大成長・大木化を起こすトリガーとなるテッポウ虫入り_株根元穴あけ

開けられたテッポウ虫穴の埋め塞ぎは、遅れてゆっくり、ジワジワ。

 急肥大成長を起こすトリガー・テッポウ虫の根元株芯央貫通は、多くの樹種大径木で確認してきました。生命危機にEMスイッチが入り、生命維持活動が激しく高まると考えられます。

 株根元から元口にテッポウ虫が入り、急肥大成長して大径木となる樹種例には、「シオジ」「タモ」「桂」「キハダ」「栗」「青樫」「真樺」「山桑」「オニグルミ」「アサダ」「水木」「花の木イタヤ」「鰍楓」「マユミ」「ガマズミ」「桐」「トネリコ」「栃」、「檜」「ヒメコ松」「コメツガ」「樅」があります。

テッポウ虫がトリガーとなるのですが、樹体は防衛しないで受け入れている印象が強くなります。貫通するので喰い荒らしではなく、儀礼でもなく_双方の見解や意向は違うのかもしれません。

 木を伐り,製材し、切り削り、長期自然乾燥で内部の変化をじっくり観ていることは、塲所・時間・費用は膨大で極めて難しく、 30年のロングランになりました。

ⓒ2021 , Kurayuki Abe

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木の総合学研究 2021   「トネリコの抗菌・虫喰いバリア・抗体発出_ダメージの埋め塞ぎ修復治癒」「侵入微生物・木喰い虫の封じ込め防衛」「テッポウ虫入り急肥大成長・大木化」

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