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あらゆる丸太形状を素速く写しとる「口引き」+ 組合せ型板の考案|The unknown SUKIYA Log Profile Gauge and KUCHIHIKI Scriber were handed down 1977. |卓越数寄屋大工川崎寅之介の自作・直伝 ハンドツールジャパン- 48

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

専門技能が深まり、練達すると独自の道具が生まれます。数寄屋大工川崎寅之介の丸太輪郭「ヒカリ」型板_墨付けはキッチリ、素速く丁寧な仕事を手がける刻み型板の考案は、長い時間を経て洗練され、完成に到達しました。

型板を起こすことにより仕事が進捗、さらに専門度を高めます。仕事場で輝き出す形は、身体記憶を呼び起こし、高度な熟練技を引っ張ります。生涯仕える道具です。

21枚3群の型板は、輪郭や接合部の形状を写し描き、自在に型取り出来ます。

現場へ出向き、道具箱に仕舞えるコンパクトツールです。

 同じではない木材を刻むので型板は増えていきますが、輪郭にあう形は次第に類型がまとまり、21枚3群で日本建築で丸太の全てに使えるもの。0.4mm厚の薄銅板は、曲率凹凸を合わせながら、自在にくねり動き、脚を止め差し板で固定します。

長年の現場経験から造り出した型板は、人には見せないものです。現場仕事では、型取りから刻み方までノウハウが手元の動きから感じとれ、飲み込みも早い。道具をみれば、その人の年季や技倆が判ります。

 川崎さんは、1977年3月、浅草の現場仕事を最後に引退され、小職は道具を譲り受けて継手技法について詳しく教示を受けました。

現役時代には、各地の現場や八丁掘の美術建具制作所「下田」_近隣「篠田銘木店」系統の仕事では、腕利きの大工として活躍されました。

道具とともに、数寄屋大工仕事の基本を学ぶことが適いました。型板や定規まで完成されていたことは、数寄屋建築専門技術に特筆されると思います。

数寄屋普請では、屋根鈑金工事、水屋仕事の銅板端材があり、身近な材料でこしらえることができました。軸の針先は、微妙に反り曲がる麻袋針の転用です。

現在、この丸太輪郭型取り具は、Profile Gaugeとして文化財修復やデザインワークにも活躍しています。

ⓒ2022 , Kurayuki Abe

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木の総合学研究 2022  「数寄屋建築大工のジョイント刻み道具考案」「丸太ジョイント型取り・刻み道具の考案」

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