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赤樫の寝かせ20年、シウリShuri (swi ni)は25年超_ 長期自然乾燥による養生・寝かせ・木守りで熟成し富貴化する天然素材のトレーサビリティー|The wood-maturization of SHURI 25+yrs. Long natural seasoning makes the fine and enriched grain. |得がたい唯一無二の好感度材質感を明らかに 木の内科 -104
古から工人に伝わる「木守り・熟成」は、天然素材への基本的な扱いとその心得や敬意であり、木材自身の内質経年変化で熟成し木味がよくなるという教えがありました。長い時間で安定し、良質材が得られ、使いこなす工夫です。
木材は、伐られてから長い時間を経過すると、落ち着いた材質感になり、変形・狂いが少なく安定緻密になります。刃物アタリがよくなり、手仕事が綺麗に美しい_更に経年変化で樹脂分が高分子化して、微細放散はノーブルな木香になり、嫋タオやかに落ち着いた質感が生まれます。材質が安定向上し、木味が良いという言い方をします。
1995 -2023 保管中のサンプル材トレーサビリティー 材質熟成・富貴化対照
健やかな良質材部には、抗体の分泌・発出と生命維持・ダメージを防御する仕組みが備わります。
入節・ハブシ・変色は、抗体の活性部分の記録ですから欠点ではなく、樹木には重要な役割を造りだすもの_高級なイメージが損なわれるので見てくれを嫌い、長い間、無碍にぞんざいな使い方をしてきました。
整った木理_柾目・板目中杢は、好感度バツグンですが、この志向は工業製品プリント擬木が溢れる要因でもあります。節や抗体発出組織のない樹木は、生命維持は出来ず成長しません。
明治8年に政府制度局が当時のドイツ林学・木材学を輸入_専門教科手本として立ち上げ、現在までしがみつき150年間_本家は1980年代に森林枯れ死や倒木被害から人為的操作の間違いに気がつき、自然林回帰へ変わりました。樹木内部の実際の動きを知らないまま、「芯材赤身は活動をやめたり、死んだ遺体」と教えてきたのです。
もうお目にかかれない大径高樹齢の天然木理_色艶_材質
目詰み通直の柾目には、抗体発出源が近隣にでき、生命維持力を発揮しています。
NS/MT マテリアルトリートメント・自然乾燥記録
10年の桟木積み自然乾燥から屋内天井寝かせ13年ストック_岐阜県産出材五本口
微生物の寄り付き_虫巣喰い点検・空気曝しで逐次寝返りします。
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アイヌ樹木名「シウリ」苦木ニガキ_抗体を分泌し抗菌作用・治癒力をもち、外部応力に耐え、自ら樹体内部構造を造り変える。|The SHIURI _ AINU named tree’s ultra bitter ingredient worked repellant effects,self-curing and transfoming centeripetal rays and proofing external stress . The upright fine grain works away blade cutting so well.|健やか緻密良材に潜む耐え続ける樹性を明らかに Insight 木の内科 – 99
■ http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/35157
赤樫・本赤の2001年サンプル材
因みに、人工乾燥材を鉋鑿で削るとカリカリ_カンカン、普通の自然乾燥材ではサクサク_コンコン、長期寝かせ熟成材ではシュッシュ_シコシコの違いがあります。高熱強制乾燥KDでは、材繊維組織が逆立ち硬く、油気がないのでかん高い音響になるのです。
実際の作業と解説は、次稿に続きます。
ⓒ2023 , Kurayuki Abe
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木の総合学研究 2023 「シウリ材の長期自然乾燥_マテリアルトリートメント_熟成・富貴化実録」「好感度・優良材を生み出す伝承手法」