「木」と産業「木」の皮膚科フレーミング工芸木の内科木工

水落とし立掛け・長期自然乾燥良質材の試み_シウリShuri (swi ni)18年_二つ割り太角の背割りで白太辺材の反り割れを抑える。|The wood-maturization of SHURI 18 yrs.on standing posture. Slight aging effects and stable texture. |柿渋全面塗布フラボノイド上掛け寝かせ_経年劣化がわずかで上質材色旬撰 木の内科 – 104 続

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

前稿に続き、実際の工程作業の様子を記載します。

シウリ 2005 二本口 4mもの_二つ割り・太角 立て掛け自然乾燥材_背割り材追柾・平柾挽き

 

背割り立て掛け_木なり長期自然乾燥

背割り溝 五分切り込みは、白太辺材の収縮割れ・反り変形を抑制するので、大割れが少ない樹種に向いており、有効材面_芯央へのダメージを最少限にできる。木口面カット内部が全く乱れていないことが判ります。

これは、立っていた状態で水分を自然に落とし、植物自身が紫外線から護るフラボノイドの擁蔽ヨウヘイを表面に塗布することになり、ダメージが進まず、穏やかに過ごす時間を整えることになります。本来の安定した姿勢でゆっくり過ごすのです。

柿渋による材質保護_擁蔽ヨウヘイ作用

植物が紫外線から身を護る抗酸化フラボノイド(ポリへノール)は、高分子化合物のタンニンと同じもの_多孔質の材面に素速く吸収され、おおい塞ぎます。同じ植物性の親和性が高く、浸透して通気性も損なわないので木材の養生・木守りには有用です。

材組織に素速く浸透し、柿渋(二年もの古渋)は、白太に入る黴・微生物・木喰い虫に効果があります。二度塗り

柿渋別稿:

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屋外自然乾燥_桟木積み寝かせでは、背割り木表の収縮が顕著で小ヒビあり。

一本は、桟木積み_寝かせ・屋外NA/MTで一部に収縮割れが起きています。

立て掛け自然乾燥材は、存立したままで水分が抜け、柿渋フラボノイドの擁護で養生・熟成すると理想的なシーズニングへ近づける。

立っていたままで樹体ショックやダメージは少なく、寝かせは安定した状態に置かれ、内部材質は鮮度が違う_桟木積み板材に比べると明らかに材質への影響は軽微です。

立てたままの水分落としは、樹木が存立していた本来の姿勢であり、経時変化が少ないものと観ます。切り刻み、横にヒックリ返すよりも、細部はビックリせずサーモン鮮色が印象的でした。マテリアルトリートメントの考え方も反映して、さらに好感度素材へ繋がります。

この優良材は、絵画保存額装AASCF制作に使われています。

原木挽き材からマテリアルトリートメント_さらに長期ナチュラルシーズニング、トレーサビリティー継続が次の作業を進捗します。専門家の信頼を高め、100年後の文化財修復職へのメッセージでもあるのです。

協力:安曇野木材 半田雅紀   HINA 大工舎 朝比奈龍成

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木の総合学研究 2023 「シウリ材の長期立て掛け_木也室内自然乾燥_ 背割り・柿渋塗布テリアルトリートメント」「好感度・優良材を生み出す伝承手法」

 

 

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