伝統文化 | 工芸
「ワンゴル」莞草編み細工 ポスト李朝手工芸の手練れモダーン ベストデザイン最高作品
阿部蔵之|木とジョイントの専門家
韓国の伝統工芸分野の一つ「莞草編み」は、1970年代には最高の手業を発現。宮廷文化が終焉した後に、傑出した名工がその技法を駆使してシンプルモダンな作品創作へ
この莞草編み作品は、44年を経ても、ぴっちり堅く締まった端正な形そのまま。二重編みで外周部の退色がありますが
摩耗もなく、テクスチュア・雰囲気が最高です。デティールをみると、極めて丁寧、繊細な手仕事に驚きます。4色の鮮やかな色彩染め、極細から太径まで巧みに使い分けられた手編み細工は、小物・装身具やたばこ入れとして創作。
工芸家は地方の著名な工人で韓国の「重要無形文化財・人間国宝」にもなる方と前稿のギャラリー女性オーナーの高い評価でした。自ら莞草を栽培し、染めて編む手仕事最高の手技と気がつくのが20-30年経過したころ。8個購入、全て違う編み方・カラーコーディネーションです。伝統模様編みから脱皮し、鮮やかな幾何織目に近いパターンを開発したのです。
(@3,200 – 3,800 -ウオン、当時の一般人サラリーでは手が届きにくい最高レベルのホテルギャラリーアイテムでした。)
韓国は、湿気が少なく生活様式はオンドル部屋ですから、このい草編みと衣装の麻とシルク、陶磁器、木の家具の自然素材が良くマッチします。ポスト李朝クラフトの最高峰です。(作者の住所・お名前メモが見つかりません。莞草名産地 江華島:カンファドだったかも)民芸の源流からモダーンデザインクラフトへの変貌を感じました。
●桃 女性用:直径 72(70)x 116 mm 50g
●藍 男性用:直径 76(72)x 112 mm 52g
長い歴史をもつ「朝鮮い草編みの技法」が集大成され、技法が明らかになると素晴らしい伝統工芸実作が復活できそうです。調査・文献資料なども有るはず。私は菩提樹の実でつくられた珠々いれに使っていますが、ほどほどの通気・湿度が保存によく、虫が入りません。タイトな草編み容器をはじめて手にした時の新鮮な感動は続きます。
© 2014, Kurayuki ,Abe
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木の総合学研究 2014 – 2019 「韓国伝統工芸莞草編みクラフト1970」「ポスト李朝クラフト卓越モダーン」
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