「木」の歳時記日本の自然色自然の造形

六月深夜のシルキーで妖艶な訪問者 山繭蛾 天蚕

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

梅雨明け近く、暑い夜に妖しいゲストが飛来。自然界のファッションクリエータは山繭姉御

初夏に近い夜遅く、仕事場の灯りに集まる夜の訪問者が増えてきます。朝方には標本がならんでいるのですが、特に目を引く大型「オオナガミズアオ」。
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天蚕蛾ではないけれど見事な衣装・模様のシルクグリーンには妖しく魅了されます。自然界の意匠には、人のデザインワークはとても及ばず。周辺地域は、ブナ科コナラ・水楢が多く環境生態系はベストです。山繭は、山桑を食べないのですがシルク生産のイメージがあります。桑葉を出造り栽培していた明治時代の繭影信仰石碑が隣の谷間に密かに置かれています。線刻繭形は、命のカプセル形です。梟型山繭からシルク糸を紡ぐのは至難技です。保護色ですが、何とも官能的なカラーリング。
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山繭
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大山祗神社と繭影神社・蚕影神
森林・水の祭神である大山祗神社と併祀されています。養蚕が盛んだった頃、山桑の植生の循環再生を願い山中に分け入りお蚕さんの餌料を栽培採集、自然の中で恵みを祈る形象です。この地方では、諏訪大社圏にあり、ミシャクジ信仰の古代自然神礼が残っています。

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木の総合学研究2014 – 2019  「山繭蛾・天蚕」「森林信仰・石塔」

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