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日本自生種とドイツ自生種の圧倒的な差異「4 / 500万年の比照」| The overheling differences in Tree-Wood Species between Japan and Germany, an incredible academic mirages for 150yrs. | 先進国手本としてきたドイツ林学・木材学の蜃気楼150年間_樹種・樹性論考    木の内科 – 147

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

賑やかで多様性に富み、混然とする日本自生樹種と少ない樹種で整然、疎にみえるドイツ樹種をよく見ると、1872 年以来、 欧米先進技術導入の手本とした知見・学説が根底からひっくり返ります。

現生シニア樹種と新来後進の対比はガラ空き、桁違いの差異が明らか_ベテラン木工師、森林系専門職の方々も目をひんむき、知らなんだと…

本稿の目次

① 日本・ドイツ自生樹種の比照  A. 広葉樹

② カエデ科葉・翼果比較

③ 日本・ドイツ自生樹種の比照  B. 針葉樹

④「200 年間 、ドイツ森林管理は一体何をしてきたのだろう?」

⑤ 日本自生種とドイツ自生種の比較から

⑥ 樹種名調査・研究史料

⑦ 関連コンテンツ

① 日本・ドイツ主要樹種の比照 A. 広葉樹

日本自生樹名につけたM/P/D/R : 出現地質世代 地質時代区分(旧)

・M : 中新世 Miocene 2,300 万年 ~ 500 万年前

・P : 鮮新世 Pliocene 500 万年 ~ 258 万年前

・D : 洪積期 Pliostocene 17 万年 ~ 1 万年前

・R : 現世 Recent 1 万年 ~ 現在
S; 邦産遺體植物目録 _三木 茂  1955

この他、ニレ科、クスノキ科、カツラ科、クワ科、クルミ科、バラ科、マメ科、ヤナギ科、モクレン科、シナノキ科、トチノキ科、ウルシ科、ミズキ科、ウコギ科、カキノキ科、ミカン科、ゴマノハグサ科、ニガキ科・ニシキギ科などが続きます。

ドイツ自生種には、クルミ科 (1)、ヤナギ科(1)、トチの木科(1)、バラ科(3) があります。

② カエデ科 葉・翼果比較

■ カエデ科樹種:「カエデの本 Books for Maples」 矢野正善 2003、

日本槭刊行会    日本楓 57種記載 /p.399

■  ドイツ木材情報 -8   Ahorn  3 種

「INFOMATIONDIENST HOLZ  1985 」   Die Arbeitsgemeinschaft Holz e.V, Düsseldorf

 

③ 日本・ドイツ自生樹種の比照  B. 針葉樹

 

この他、イチイ科などが続き、ガラ空きは、これからの生育可能性を意味します。

ドイツ圏山間部ではマツ科の3種_針葉樹林帯が目立ちます。

オーストリア・ドイツ圏では、大気汚染降下物質による林床の土壌酸性化が拡がり、火山灰土地質の日本ヒノキ・桐が育つようになりました。

日本自生種の針葉樹は、500 万年以上、遙かに遡り地表に根付き、この地質時代の先駆樹木の土壌富養と暖海流に 囲まれて冷温も緩み、氷河期を凌いで生き延びることができた自然環境要因によるものでした。数億年前の原生シダ類「砥草」は、現在でも関東・中部・甲信越各地で野生が現存しています。

日本自生種には、古代地層に現れて現存する針葉樹種・香木類が多く、氷河期を超えて火山灰土壌に菌類・微生物に対抗するように進化してきた樹種ファミリーの強さを読み取ることができます。

ヒノキ科には、材質・木味が並外れている有用銘材が多分に存在します。実際に切削すると、木理・木味の明確な 違いを識別できる優れたものを別種として記載しました。

ドイツ圏中央から北方の氷期終わりは、約 4 万年前洪積期後半_スエーデン氷期最後は、1万1.000年前の地質で樹木が出現したのは洪積期末_堆積土壌から樹木が出現したのは現世 Recent になります。

ヨーロッパ中部から北方冷涼湿地帶の自生種が少ない事由は、氷期最後期から始まる新しい堆積地層に侵入した先駆・新来の後進樹の森林です。樹種が限られ、バリアント系統発生が起きない段階です。

明治初頭の海外事情視察では、楢樫・白樺・ブナ・カエデ・松・樅・一位・栃・桜・トネリコ・オニグルミなど 。日本在来種に近似しているものがあり、同系樹種を先駆木と誤認して新政府制度局がソックリ真似する後追いを始めて現在に至ります。

本来、悠久の自然史が息づく日本シニア樹種から見れば、欧州樹種は、新世代・ヒヨコの木歴ですが、近代工業技術を見習い、信奉して きたまま_逆のキャリアアップ追随の 150 年間でした。導入した大雑把な学織の綻びは深刻です。

言うまでもなく、その地域に限られた樹木の調査研究を気候風土や地勢が全く異なる国が、そのまま翻訳をして使えば、都合の良い管理施業で自然の有り様を歪め、森林自体がおかしなことになるのは自明でした。

④「200 年間 、ドイツ森林管理は一体何をしてきたのだろう?」

自生樹種の比較検証作業は、1987 年 黒い森シュバルツバルト北 Noeunberg Forestamt 森林官 Dr. Heiner R. Pabst の教示と現場での述懐から始まりました。

ドイツ・スイス森林地帯では、1970 – 80 年代に大気汚染による森林枯死、環境破壊が拡がります。暴風雨による大規模倒木災害が重なり、歴代の森林官が心血を注ぎ、育種・施業してきたものが 自然を歪め損ねる結末を目の当たりにして、本来の自然樹性を尊重する政策転換に到りました。

1987年には、一律の畑地的森林育成から、日本で行われている自然に近い複層林を参考に地勢にあわせたクラスターで分散する林分の改変をはじめていました。ハリケーンで折れ倒れたものは、二次災害を防ぎ、半分は片付けて残りはそのままに自然の力に委ね、回復させる方策で植林はしない。人為的な操作は極力避けて、災害から森林本来の姿を読みとり、人間の都合ではいじらないという考えに変わっています。

別稿に記載 →「森林枯れ死」展記録  バーゼル自然史博物館 Naturhistorisches Museum Basel 1989 森林科学の評価を下げ、ドイツ林学・木材学の自然林転換となった大気汚染酸性雨による環境破壊・大規模暴風倒木被害 http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/23396

⑤ 日本自生種とドイツ自生種の比較から

主な日本自生種とドイツ自生種を精査し、A. 広葉樹種 B. 針葉樹種を並記対照すると 圧倒的な樹種の差異、多様な樹性に目を見張ります。系統的な樹種のまとまり、揃いから読み取れる樹性の際立つ特徴やその拡がりが具に見え、豊富な多様性と限られた植生の著しい違いが歴然としています。

この圧倒的な樹種の差異を知らないまま 150 年間経ちましたが、多くの専門職にたずねると、「ドイツではあまり多くないイメージ」 _この植生の違いは、専門教科・カリキュラムには登場しません。以下、考察の概要です。

1. 日本自生種は、変化に富み、極めて種類が多く、500 樹種以上あり、類似近縁が多い。 ドイツ樹種は少なく、約 30 種_亜種・変種バリアントは限られる。モンスーン地帯の気象や急峻な山岳森林と大陸平地林地帯の地勢も樹性に大きく影響します。

2. 日本固有種があり、独自の樹性を持ち、系統的な進化を遂げ、地域特有の樹種が多い。

3. 針葉樹種・香木類、山果・味果類が多く、ヒノキ科・マキ・カヤ・クリなどは、ドイツ圏には生育していない。

4. ドイツ森林は、針葉樹 6 種、先駆木カバ・カエデ類が 7 種、ブナ科 2 種。日本樹種落葉カシ類は 17種とダントツに多く、常緑カシ類は、11種あり、ドイツには生えていない。カエデ科は、圧倒的な系統進化を遂げています。

5. 氷期を超えてきた日本自生樹種は、菌類・微生物・昆虫を防禦する抗体の生成分泌・治癒能力を備え、 木香微細放散力が強い。「木の内科調査・研究」では、シニア樹種の抗菌抗体の生成・分泌を明らかにしてきました。

6. ドイツ自生種は、氷期後の堆積地層に進出した植性であり、冷涼湿地帶に生育して樹性は同質で系統的発展前の後進樹相です。 極めて少ない樹種では、バロメーターが限られますが、林床は藪がなく、施設や機材も整然として洗練され、専門用語や欧文の学説論考はハイレベルで、分類学も先進的に映りました。

7.  オーガニック生成分泌器組織と成分、木の内部組織の挙動と経時変化・樹性を把握するには、原木・現地カット・切削オペレーション、組織の変化のタイミングを捉えるこことが基本です。研究調査目的の伐採・土場作業、製材・木取り切削まで一連の現場作業を伴い、樹性の特徴が究明されていきます。

自生樹種の変容と再生持続への方策

高度経済成長期からの針葉樹拡大造林施業で、山果・味果類が伐採されてしまい、各地で熊さんが里に徘徊するようになりました。樹種の減少は、森林環境の異変を引き起こし、動物立ちの食べるものがなくなる生態系にまで切実な影響をもたらしています。昨年秋には、丹沢山地の猟師が何年もドングリを集め、苗木を用意し、自然林に戻す自力作業を始めたことが伝わりました。すでに多くの手助けがあります。

言うまでもなく、その地域に限られた樹木の調査研究を気候風土や地勢が全く異なる国が、そのまま翻訳をして使えば異様なことがおきます。当時の森林管理制度を模倣し、樹木の取り扱いを手本にした結果、似ているものを亜種・変種として片付け、欧米技術導入を急ぎ、長年、改良技術を推進してきましたのです。

「ドイツ森番」は、現場作業や鹿ハンティング狩猟管理職制でしたが、近年は地域担当森林官の仕事です。中世で、ブナ林のどんぐりを豚飼料にした領地管理がおこなわれ、森林生産物の恵みが循環して植生と循環系バランスを維持することが続きました。森林官は、終生居住し移動しない人事制度ですが、日本では「旅の人」です。

高度工業化経済社会への移行で循環系資源の活用や保健・衛生面だけでなく、生物多様性の保護、環境保全が重視されるようになり、森林保養・健康増進効果も関心が高まります。

樹木に備わる本来の生命維持力を活かし、人体が感応するヒーリングやキュアー・メディカル分野への応用研究には、殺菌・抗菌性材質の木香微細放散防禦バリアーとして感染症から身体を護る携帯防禦ガジェットの創作を先稿に記載しました。

この中信地方の亜高山帯では、植林しない自然更新森林は、約 70年ほどで再生し、人智を超えて自然の姿に戻ります。杣・木樵職は、経験的に自然の再生力にまかせてきました。150年あまりの大雑把な学術的所業で、多くの人工林が放置され、谷間が荒れて切実です。

自然林伐採後、赤松・白樺がいち早く実生で立ち上がり、栗・楢・山桜・鬼胡桃・小梨・山桑・マユミ・朴の木・水木・カエデ・楢柏、タンコウバイ・サワフタギが増え、黄檗・椹の実生が入り賑わいます。この地方では、植林しない方が林分は健全です。造林した唐松は、植林施業の二次林が広がってきました。

世界各地で起きる気象変動で欧州各地を襲う熱波がドイツに到達し、26 日、 41.3 ℃のニュースが伝わりました。森林生態系への深刻な影響が懸念されます。

森林の社会的機能評価に関する研究には、経済・厚生、水保全、洪水防御、材料供給、産業経営・労働、道路・景観保全、森林リクリェーション、騒音防止、都市林・猟区価値まで総合学域を位置付けるDr,Heiner R. Pabst / Neuenbürg Forestamt (1974)の研究成果があります。

⑥ 樹種名調査・研究史料

 約 250 ~100 万年間の鮮新世、洪積世、現世にいたる地層に埋もれた古代遺体生物から、 各樹種の出現期を明らかにした唯一の研究成果があります。

■  日本自生樹出現期に関する研究文献 「メタセコイヤ – 生ける化石植物 -」邦産遺體植物目録  三木 茂  1955   昭和 30 年 6 月 日本鑛物趣味の会発行 / 京都市

■ 和漢三才圖彙  香木類 巻八十二 / 喬木類 巻八十三 / 五果類 巻八十六 / 山果類 巻八十七

■ 闊葉樹材利用調査書
第一輯 ぶな類篇 穀斗科
第二輯 落葉かし・常緑かし類篇
第三輯 くり類篇  / 吉田義孝 東京營林局印刷 昭和 5 年

■ マツ科 ヒノキ科 カバノキ科 カエデ科 他: 「木の大百科」 平井信二  朝倉書店 1996
■ 有用広葉樹の稚幼樹に見分け方 大橋健 治前橋営林局 1991

⑦ 関連コンテンツ:

■ 北シュバルツバルト(黒い森)ノインブルグ森林官の「幼樹園」
Eine Baum-Kindergarten Neuenbürg Forestamt von Dr. Heiner R. PABST_Neuburger Nord Schwalzwald, West Germany 1987|自然木を歪めた 200 年間の林政・人為帰結は、樹性に寄り添う事でした。http://kurayuki.abeshoten.jp/blog/40378

■「木」のコレクション、ウッドコレクターに関する論考と樹種リスト
国産流通材種コレクション 70 種「国産材ウッドプロダクトマップ」1985
・アイヌ民族の樹木 47 種 ・工芸実用材 155 種 木材ノ工芸藝的利用 明治 45 年 農商務省山林局 編纂

「木」のコレクション、ウッドコレクターに関する論考と樹種リスト

・協力:グラフィクス処理 by ROUND SATOKO

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