VITスポット貴重樹木「樹木イメージ・図象」デザイン

スター・タレント有名樹  樹木イメージ広告デザイン研究 – 続々 1998 – 2012

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

特異な樹形や有名貴重樹は、人気・好感度が高く、広告やポスターデザインに多用されています。良い印象をネイティブな価値観やコモンセンスにマッチするように意味付けし、共有意識や共感を生み、説得へとつなげる。

日本国内で最も人気があり、出番の多い樹種は、世界自然遺産の屋久島縄文杉とハワイのモンキーポッド。広告デザインに使われた針葉樹と広葉樹の樹形ケーススタディです。巨樹は興味・関心を集め、特別な歴史的保存樹、天然記念物、自然遺産指定など_VIT Very Important Tree が観光資源や経済波及効果に結びつく時代に。
 縄文杉・巨樹のイメージを使った広告デザイン事例 1998  – 2012
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上段左から下段右順に
・「もう一つの支柱でありたい」
 社団法人 日本商品取引協会
S: 日本経済新聞 1998年9月25日 全面15段広告 商品先物業務との関連要素は不明。
・「Water & Environment  空と大地に、水のチカラ」
 栗田工業株式会社 50th anniversary
年輪、空と大地、水、環境を維持する巨樹の存在感をバックに信頼と感動を提供する企業メッセージを伝える。
S: 日本経済新聞 1999年8月11日 全面15段広告

・クラウド BizCITY

NTTコミュニケーションズ株式会社

 「多岐に渡る最先端の」「太くて強靱な基幹」「確かな安心に根ざした」「確かな実りをゆるぎない」「安心のソリューション」等のコピー文を縄文杉巨樹のイメージに蒸出しているデザインです。「ICT Solution Partner グローバルにつなぎ続ける」
S: 日本経済新聞2010年11月8日 全面 15段広告

・「いい人生に、マジェスティを」

マルマン株式会社
 縄文杉の右にコピー「ちいさなことで くよくよする うれしくなる それが人間だ ゴルフだ」ゴルフドライバー広告
Majesty 王者の威厳・風格を強調し、プレイ相手を脅かすイメージをかぶせる(樹木と工業製品の類似共通性はない)
S: 日本経済新聞2010年6月9日 全面 15段広告

・「進化するものだけが未来を切り拓ける」

住友ゴム工業株式会社
エナセーブ97 / 未来のタイヤを想う 世界遺産③屋久島
自動車タイヤ材料の天然資源へのシフト、巨樹の生命時間と揺るがない未来を志向。製品イメージを環境仕様へとリードするグループ企業をPRする 大樹シリーズ広告。左下コピー文章に環境と資源への取り組みを説明。
「この大木のように、どんな困難にも揺るがない未来をつくっていくために」天然資源タイヤの発売をPR. for you, for the earth あなたのために、地球のために。」巨樹と地球未来環境を製品イメージに結び付ける。左ボトムにeco FIRST マーク。
(根元にタイヤをCG合成、置くのは保護地域立入り禁止されていますのでフレームを付けたい。)S:日本経済新聞 2011年8月22日 全面15 段広告
 ・「幾千年、自らをかたちづくる — 厳しさと誇りの姿のように」

キヤノン株式会社 

 デジタルカメラ新製品の描写力を縄文杉と木目フレームで作品性を強調し、撮影地への誘いを旅シーンとして表現。  CANON  Power Shot G9 カメラと貴重な自然の姿を近縁にみせる構成です。巨樹の荘厳さや自然環境シーンを取り込むと真実性が増し、好感度が上がります。日本経済新聞 2007年11月2日 全面15段広告

・「樹齢七千年のダンス」

BS Japan
The Forest Giants 森の巨人・縄文杉の物語
心の癒やし 「息づいている、遙かな時を生き抜く、調和・躍動し美しい姿」をハイビジョンTV放映。 日本経済新聞2003年 8月2日   5段広告
「縄文杉」 1966年発見、屋久島杉原生林 1924年(大正13)天然記念物指定(ひときわ優れた自然美、最高の自然現象または地域)、1954年(昭和29)特別天然記念物指定、1993年12月 UNESCO 世界自然遺産リスト登録  数千年の樹齢 日本の代表的巨樹。

広葉樹の樹形イメージ広告事例

日立の樹」モンキーポッド大樹のシルエット

日立グループ・日立製作所・日立アプライアンス株式会社

 TV コマーシャルで連続して放映されてきた日立グループの一体感を演出するユニークな大樹画像は、ファミリー企業体を想起させます。環境シンボル化した樹体のイメージデザイン活用事例です。

 コーポレートイメージに自然樹景を長年継続して使い、企業名を画像で記憶されるようになった通称が出来るほどに広く認知されており、同業他社の広告が樹形モチーフを使う場合にも識別が優位になっています。
日本で一番ポピュラーな樹形CM。環境シンボルや環境ビジョンを謳う媒体として視認度が高く、面白い形の樹木は親しみやすく、子供にもコマーシャルソング「この木何の木」とともに良い印象を刻み一般に定着しました。グループ企業で、この樹形画像を企業PRに使い、全社の共通コーポレートキャラクターに使用。
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左・「次の時代に、新しい風を吹き込んでいきます。」
日立の樹 オンラインwww.hitachinoki.net
「豊かな暮らし」「大きく新しい息吹」を表現
HITACHI Inspire the Next    株式会社日立製作所
s:WEDGE 2009 年 7月号 vol.21 No.7  (株)ウェッジ
右・「省エネ大賞、ダブル受賞」
エコスローガン Inspire the Next 家電省エネ広告 Co2 削減・環境性能を訴求、樹形をecoマーク化
日立アプライアンス株式会社
S:SHANIMU #22 山田電機 販売冊子2008年2月、日本経済新聞 2008年2月4日 全面15段広告
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「創業100周年 確かな技術でつぎの100年へ」日立グループの力 総合イメージ広告
モンキーポッド樹形を背景にグループ社名 914社を合成。HITACHI Inspire the Next
S: 読売新聞 他   全面15段 2ページ見開き 2010年1月1日 元旦特集版
 大樹を大きなグループ企業の全体や枝の伸びを業界の拡がり、成長力に見立てて、自然樹の環境適性や生命力をイメージキャラクターに仕立てています。樹木が大好きな国民性からも一度見ると覚えてしまうCM。個性的で関心を集める効果が高く、長期連続放映すると次第にシンボル化し、他社との識別優位が固定します。
子供から老人までが一目で理解でき、商標化・ブランディングにまで拡がりました。 樹木イメージ画像は、マスメディアに掲載されると著作・制作上の諸権利が発生しますので、他社は類似デザインが難しくなります。樹木は、広告宣伝に大きな役務を担うようになりました。
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・「未来へ」
しっかり根をはり、未来へ伸びる大きな1本の樹へ、企業グループ力結集を枝の拡がりで表現。
 シンボルマーク 日立の樹:ハワイ州モアナルア・ガーデンパーク   HITACHI Inspire to the Next
2012年1月1日 朝日新聞、全面15段 2ページ見開き、日本経済新聞 15 段広告・元旦特集版
  この掲載内容は、「木と人の関わり」を総合的な視点で「樹木イメージとデザインアートワーク」の本質を考究するための基礎デザイン研究レポートです。
樹種ごとの属性、類形パターンなど様々な特長が認められ、秀作・典例として収録しています。
この他の産業分野、業種にも樹木イメージ広告例や企業インフォメーションが多数ありますが、優れた広告デザインは、素材がユニークで秀逸であれば作品の品位も自ずと高まります。次は商品別のカテゴリーです。
(皿に続く)

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木の総合学研究 2015 – 2019  「樹木イメージを利用した広告デザイン」−3 「樹形シンボルマーク」「VIT  貴重樹木」

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