クラフトフェア工芸木工

クラフトの新しいイメージづくり・ブランディング

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

「クラフトフェアーまつもと」の本質・本来・未来

クラフト「来楽富途」:新たなムーブメント価値の創造

毎年、5月の最終土日で開催される「クラフトフェアーまつもと、出展者や遠来の来訪者に印象を伺うと「他のクラフトフェアーとは、全く違う」、「運営や参加者の雰囲気が商業てきではない」、「入場来訪者が購入意欲があり、見に来るだけでなく交流が出来る」、「バイヤーやギャラリーオーナーとのコンタクトができた」、「開催時期と環境が抜群」等の好感度・評価が高い。元信州大学キャンパスの公園リッチ、保存建物も品格を支えています。アートクラフト・教育系のベース土壌がありました。

例年、数万人規模の来場者があり、その経済波及効果は驚くほど大きくなりましたが、運営サイドの利益はほとんどありません。活動の目的がモノ売り展示ではなく、クラフトマン相互の交流・手仕事の実演をかかげてスタートし、工芸家自身の研修セミナーや啓発活動・情報発信を重ねてきた時間がユニークな資質を育み、全国のクラフトイベントの先駆けになって拡大発展してきました。

出展希望・審査エントリーは増加一途で、展示会場スペースも限界に。更に、若き工芸人の経歴・登竜門的評価にも結びついてきました。地域振興対策は、後からついてきたし、マネージメントはまだ居眠り状態ですが、行政主導や営利目的でなく、個人運営スタッフ無償の参画・貢献が見事なムーブメントを形成し、発足当初からのクラフトマンシップが自然に継承されてきました。

新たなクラフトイメージを削り出す装いの作業

生活を豊に彩る工芸品が次第に多様化し、素材や表現手法も変わってきました。従来のカテゴリーを越えたクラフトの新たなイメージを創出していく次世代オペレーションが必要な段階になってきましたので、強いメッセージ性と共通性に加えて催事運営に役立つ実用性をもつデザインリソースが欲しい。

今までにない語圏で、未来からみた工芸・クラフトの基本的な役割や性格を表現できれば、強い牽引・統合力を発揮すると思います。同時に、魅力的なネーミングは、意識の本質を整えるブランドマントラ、リードコピーに近い性能をおび、すでにある実体を増強することにもつながる役割を果たして自立的に動き出していきますから。

クラフトを漢字で要素音で表現すると:「暮す・藏・倶樂・福・富戸・途・都・遂・人」などの字体音感が共鳴してきますので、Craftsを漢字の要素・クオリアから結びつけ、「楽しく、富み、豊に来る途」→「来樂富途」四字組造語として創作、これは、書名・ポスター・商標ロゴやサインに広く使えそうです。

また、暖簾や幟・フラッグにも応用でき、表意・サイン性もありますね。ワークショップにも好適。「途」の語彙は、漢英辞に way, route, course, pathとあり、プロジェクト策定にも深耕できそうです。クラフトは、来る富楽の途、「くらふと」の道は、楽し美し麗しが根幹でしょう。制作者が豊に精神的にも「藏富徒」でありますように。

手仕事を尊ぶ人たちが協創する30年間の営みは、更に次のステージへと続き、スタート前からの基本的な方向づけが、催事の性格を明確に決定づけてきたと思います。外部からは、長年持続してきた要因が見えないので、簡易な集客イベントとみられ、見学・視察が続き、連鎖して模倣が増大してきましたが、目的は営利でなく、本質的なクラフトスピリッツの追求にあるということをお伝えしたいと思います。

ⓒ 2013 Kurayuki, ABE

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