CFMクラフト大賞創設を提案したが、もらいたい人だらけ_難問噴出でも いつか実現したい!
クラフトフェア出展作品の評価・褒賞創設構想
20周年を迎えるころ、数人の運営役員に、そろそろ優れた作品・業績に受賞・顕彰を始めたいと提案しました。反応は、主旨・方向性は賛成、誰が選定審査するかが問題で、優劣をつけると作家気質が暴れ出すとの意見。ABEが出すならいいけれど、協会でオーソライズするのは大変という雰囲気でした。もらいたい人が大勢だし、誰にだすかが大問題。
では、「クラフトフェア賞」を具体的に検討すると、まずタイトルから。
「作品賞・技術賞」「秀逸展示プレゼン賞」「アイデア奨励賞」の他、「貢献・功労賞」も想定され、「クラフト大賞」は、作品と展示全体のトップ評価で絞り、特別なカテゴリーもいれたい。スポンサーの冠賞もあり得るし、工芸の五月賞とか、いろいろな賞別が出来そうですが、やがて権威化してくることも懸念材料でした。
参加出展会場の実際
クラフトフェア会場での当日選定は、作品を並べて展示するとどんどん売れてしまうから、記録・審査が間に合わない。全部の出展小間・テントを巡るのも時間との闘いで、現場作業は即席になる。作者が居ない時間もあるので、プレゼン・ヒヤリングがこなせるかどうか。雨がふれば、お釈迦のおそれ。作品を購入するのも費用・保管が大変で、接客販売中は、邪魔になる。
自分の専門領域は自信があっても,違うカテゴリーでは正確な判断が難しく、特定の範囲の選別にも、いろいろ支障がでて公平公正な審査が覚束ない。分野毎に手練れの審査員を伴わないと意見も分かれる。すると、老練の出番で偏るかもしれません。構想は膨らみますが、難題も噴出、賞の趣旨や理由付けが大事です。
例年継続出展ができたころは、作品・作風の予想もできましたが、今の応募数・写真審査では連続参加自体が難しい上に、ベテラン・おなじみが落選しやすいのです。顧客は、馴染みの作家の展示がいないと寂しいもの。また、継続変化・技量の向上も見えるのです。
作品のオリジナリティ識別は、素材・制作技術・デザインに精通し、世界のクラフトデザイン分野にも知見があり、既存事例の検証、資料収集が裏付けに必要。外観イメージだけでは判断出来ません。
類似・剽窃、パクリがどこまでなら許容され、改変した意匠・技法が手作りの範疇をこえて工業製品化していないか、果ては既成加工材の比率などもチェックしないとクラフトの定義がぐらつきそうです。
Gデザイン審査のような明快な評価基準を創りにくい分野ですので、いざ「クラフト賞」を公的に出すのは難題となりました。
Matsumoto Crafts Awards の受賞効果と威力
ところで、授賞の記念トロフィー・楯のデザインはこれから。賞状だけではものたりない。木・漆・陶・メタル・ガラス素材別にアイデア試作を始めよう。糸偏は、染織りの額入りだろうか。造形作家が多いから、引受け手は直ぐに現れるでしょう。
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