白樺の害傷ダメージセルフキュアー・ターミナル終末反応 木の内科-21
伐採・倒木後もセルフキュアー(自己治癒)バイタルサインは長く続き、減衰しても消滅しない。原木生材では、切断後も樹体内細胞組織の変化、害敵患部へのレジスト(治癒痕跡)、対抗ガード・バリアーの動きをみることができる。
腐食に至らない場合、芯央部色素の移動・浸潤は拡散して自然乾燥で材色は薄れ、あまり目立たなくなるものの、塗装濡れは粗雑な不整色階を起こす。
昆虫・細菌、胴打ち樹皮損傷部にセルフキュア(自己治癒アクション)が起きるとレジストバトル痕跡は最後まで残存し、抗体・酵素が働きバリア層を形成。樹体内の異常時生命維持・臨死反応は、ダメージ重度・限界を進行段階的に診ることが出来ます。白樺は辺材部 – 表皮の各組織がプレーンで、色差異変を察知しやすい。外観からは想像出来ない樹体内組織の盛んな動き、特に赤身ピンクは芯材部の色素活性・バイタルサインで経時変化をとらえやすい。専守防衛でも芯央部赤身の働きはしぶとい。20110204 – 20160605AQ
芯央部からの色素滲出 キュア・レジストEM出動
ダメージ部分治癒オペレーション (樹体内リアクションと瀕死重篤状態)
伐採時の衝撃、胴打ち樹皮・幹総身打ち身 全域へ芯色素パニック拡散
内皮に損傷を受けて芯央部から治癒色素出動・浸潤、痣状に残る。(白樺赤・芯央牡丹)
木口切断面・酸化色素凝集 年輪層から色班析出・臨死変化(玉切り3日経過)
樹体が維持されていれば樹体内部の抗菌・治癒活性は続き、
裂傷・切断枯れに至るとパニック状態から臨死崩壊変異を起こす。
樹芯部の病変 腐食菌の侵入とレジスト
積雪氷雨倒木の割裂部には傷目をカバーする色素集着が観られました。また、芯腐食部を色素でダブルガード、酵素の抗菌バトルバリアー層が識別出来ます。攻撃ではなく専守防衛的振る舞い。
原木の臨死に際して、人と同じように死斑エンドサインが顕れます。
木の内部組織のダメージ抗菌レジスト・治癒・臨死・崩壊過程は未知の領域
①積雪氷による過重、切傷害・衝撃打撲によるショック状態、及び虫・菌類の侵蝕などによる。部分ダメージ発生に対しては、セルフキュア(治癒・対抗)反応を起こす。
修複・快復出来ない場合は、劣化・内部腐食や樹体内に痣のように残留。木口に色滲みを発生し腐食に至る。
②風倒、折れ曲がり・裂傷など全体ダメージ・パニック状態から臨死・ターミナル終末状態となる場合。灰紫藍(死斑)など激しい変色・組織変化が短期・連続的に起きる。
③水没、土壌崩壊、気象変動によるダメージで立ち枯れると、茸・苔、微生物、腐食菌類が入り分解される。
さて、外観から損傷異変をみるには,葉枝では枯れて察知できます。胴打ちなどの打傷は内部損傷が分からないので玉切り、木口観察。
薄い樹皮の場合。虫・菌類は侵入経路が拡がると表皮に害傷・腐崩がでるので所見がつく程度ですが、災害倒木・伐採現場でのサンプル験体集めと長期観察が必須です。白樺(牡丹)は黒黴、白は青カビが取り憑き、腐食速度は早いので目が離せません。
修複出来ないダメージ限度をどのように感知し、臨死へと進行するのか これからの究明です。
*玉切り・木取り協力:柏木工房 柏木 圭 20110204
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木の総合学研究 2016 2019 「白樺内科 ダメージ治癒から臨死反応」 「Self-curing and Terminal sign of White Birch」「Hard Wood – Insight」