「木」の皮膚科「木識・木学」木の内科木界

櫟の切断半殺しダメージ治癒・樹体内抗菌レジスト反応 Insight 木の内科-22

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

 ちょん切られた幹先端部は、露出防水菌ガード、樹皮被覆と切傷面の治癒、腐朽菌の侵入レジスト・タンニンの集積等、バリア境界部の複雑なせめぎ合いが生々しく刻まれる。

ワキ枝も剪定され続けて河馬のように膨らんだ樹幹先端部 hippo-head は、激しい切傷・菌類防衛ストレスにさらされ、重度のダメージ受創、虐待に苦悶しバイタル後遺組織は複雑異形をみせる。

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芯央の赤身部分は、経路から辿ると辺材部へキュア色素を分泌する治癒器官の働きに見えます。

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櫟先端損傷部のダメージ治癒と変容・後遺

樹体内部では、痛めつけられると患部を必死にセルフキュアー活動を限界まで続けます。外観では内部の様子は感知出来ず見えない。シリアスなバイタルサインが顕れ、治癒細胞組織と抗菌レジスト患部・バトル遺症の識別は混沌としていて難しい。先端内部の快復機能、複雑なレアクション・経時変化を注視しました。

この受傷組織は、激しく苦悩悶絶する姿に見えます。頭首をはねられてしまった虐待残酷そのものです。木の内科も伐り切り、刻みますから痛感しています。

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伐採2年後の先端部からの不朽菌レジストバリア・活性バイタルサイン

 

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櫟 45yrs. 松本市郊外 山里民家の周辺部 (支障木伐採 20140422 造園職 沢渡光行 )玉切り0704
元口 420 x 380 末口 330 x300 樹皮層15 – 17 mmT  枝下3.5m

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春伐水揚期のため白太辺材に黴菌入り、腐食進行。左:末口 右:元木元口からみる伐採時の芯央色素パニック拡散 家木・目粗材。

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サンプル材 製材二つ割り 90 x 200x 1160L , 90 x 180 x 800L mm  20140929AQ

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櫟目(髄班):肥大とともに内皮から芯央部へ入る「逆放射成長」

辺材部途中から不連続髄班を分離形成。形成層増殖肥大と樹皮部から芯央へ向かう逆放射細胞が混成一体化するブナ科特有の構造です。学説とは真逆です。縦繊維方向と横水平筋で固めた、自重や耐風・積雪に耐える強靭な仕組み。樫・柏・楢に比較すると、細かく丸みを帯びた班形、ブナ目は更に微小。

害傷・抗菌・治癒症状の細部に名称をつけるには、さらに多くの「木の内科知見」が必要です。生々しい傷口は、人体と合わさるるイメージ。残酷な先端切り、度重なる枝落しめは苦痛を与え、樹木自然法に背きむごい。欅街路樹の頭切り打ちなど、半殺しをやってはいけません。

ⓒ 2016 , Kurayuki, ABE

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木の総合学研究 2016 – 2019  「櫟の内科 – 害傷セルフキュア」「抗菌レジスト・バリア反応ケーススタディ」「Hard Wood – Insight」

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