純木灰は、灰篩いの後、藍染め工房へ行き藍の花を建てる。
木灰は、ハイ循環の生成を促す高度機能性材料_自然環境・循環系ミネラル資源は身近で調達できました。
広葉樹堅木の純木灰は、最上質の灰汁アルカリで藍の育ちがとてもよく、染め具合も最高の仕上がりを遂げます。植物が造り出す化学成分には、抗菌力があり、工業ソーダ灰に比べて染色品質が高いものです。
藍の花_華やぐ
今春は、いつまでも寒い日が続きストーブの火が消えたのは五月末。蕨が出る頃には、暖房も終わるのですが、例年になく寒冷でした。薪量もだいぶ増え、約 5トン、灰は約0.5%,27kgです。例年、灰篩い作業を夏の前にすませるのが、日照り・暑さで秋口まで延期、連休にようやく片付け。
今年度は、コナラ・水楢・トネリコ・斧折れ・アサダ・水目・栃・朴・水木・柳・黄蘗・沢胡桃・鬼胡桃・欅・シナ・イヌ桜・深山桜・コシアブラ・ハンノキ・エノキ・シウリ・梨・小梨・槐・山桑・楡・ハクジ・ニセアカシア・檜・姫子等、33樹種。
木に含まれる微量元素の違いで微妙に灰色の違いがあります。アサダなど赤みのある材は、赤褐色系。コナラは、淡緑灰色です。成分に金属元素がふくまれていると鉱滓のような塊ができ、化学成分がいろいろ含まれていますので灰色も一様ではなく、赤や黄色ががった部分や、グレースケールのような分色の違いをみることができます。
樹種ごとの純灰は、陶芸材料で販売されていますが稀少、天然と称する合成天然灰が出回り、貴重な自然素材のものが衰退しています。ストーブには割れ止め剤などの人工合成物付着させない薪・サンプル端材落としのみを燃やして、13年前から純木灰にしてきましたが、藍の発酵増殖には最高の栄養木灰と折り紙付きです。
この純木灰は、近くの藍染め浜工房へ行き、灰汁を使った後は、陶芸家へ渡ります。類のない、「キチョウ」で贅沢な純木灰、年に一度の灰篩い、ハイ稼業です。生糸ノセイレンにも灰が使われます。
藍の発酵には広葉樹木灰が一番、藍染め工房の甕では「藍の花」が大きく建っていました。人工化合物ソーダ灰より遙かに良い仕上り色がでるのです。染色工芸家・浜 完治さんは、明治時代から続く三代目の藍型染め名工です。
度々、新聞・雑誌の取材で作品が紹介されてきました。ちょうど、庭の作業場に植栽している藍の花が咲き、張りのばし作品とともにワンカット。今日も京都からのお二人の見学訪問があり、内と外、静かな仕事場に華が咲いていました。
また、木灰は工芸・食品加工・消毒剤等に多様な用途があり、日本の伝統文化を支えてきたのです。熱カロリーの高い堅木は木灰にもパワーがある感じ、現代生活のあちこちで灰は生きています。21世紀に適合するIndigo Dyeing 型染め作品にリファインされる様子を記録していきます。
New York からの取材記録 2017 -2018
MoMA Modern Art Museum of America ニューヨーク近代美術館 修複師Roger Griffith 氏の工房見学取材 2017 年5 月
MATERIAL CULTURE Indigo Dyeing マテリアルカルチャー 藍染
THE NEW YORK TIMES STYLE MAGAZINE
ニューヨークタイムスマガジン December 2.2018 2018年12月号
「21世紀に適合する藍型染作品 再考しリメイクする浜工房・浜 完治 取材最新レポ
スタイリスト・ホトグラファーによる画像構成は、型染めの新しいステージを予感さえ世界トップブランドの製品イメージを凌ぐインパクトを感じさせます。
By Deborah Needleman Photograph by Kyoko Hamada Styled by Theresa Rivera
ⓒ2013 – 2018 , Kurayuki Abe
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「木の総合学研究 2013・2018」「純木灰の染め織り用途」「Indigo Dyeing as Universal Tradition Kanji Hama in Matsumoto」
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