「木」と健康 | 「木」と食 | 「木」の文化 | クラフトフェア | 伝統文化 | 修複・保存 | 工芸
佐藤阡朗漆工芸作品_別格セレクション1996 – 2007 | 最上の手仕事は、使い続けるうちに美質だけでなく、品位や耐久性、制作技倆、造形センスに使い手も呼応して自然素材の抗菌衛生・エコ環境性能に気づかされる。毎日使い10年・20年比較、修複再生からみるクラフトフェア ベストプロダクト−11
「見せかけや、姿形の面白さ、思いつきのグッズやパフォーマンス作家や未熟な技量によるデザイン遊びや、名誉志向が見え隠れする人柄の横行する今- – -」20071025 漆展
目先を変えこねくる。ますます安逸にデザイン偏重へ傾斜することを先達の漆工芸家は、こう誡めます。
1985年以来、地場第一線ベテラン先達の出品展示は、クラフトフェアでは異質で稀なことでした。経験・技倆・クオリティは別格、並べると新参の造りは、歴然としてみすぼらしくみえるほどです。指導的漆工芸作家の秀逸作品を20年使い記録しました。本物は、傷めば修複して使い続けることができます。
「練達、卓越、至高」漆工人の手仕事を賛えて
端正で凛とした実用の美しさを無地に徹して
素性が善い造形仕立ても佳い姿にと心を砕き
彫刻を削りだすような躍動するエッジ面取り
丁寧な仕上げがもつ快い感触をとどけ美雅く
丹念な刷毛目の動きは障らず目立たず際立ち
品がある心地よい塗り仕舞が生活に華を添え
美はだれにでもとどくように手間を惜しまず
塗師の本懐は次世代才能へ滲みこむ。漆麗し
漆汁椀つくりは漆工の基本。前縄文時代からの自然素材・技法が「修複再生」無害接着、遮熱シールド性能で再評価されます。毎日使い二十年、十年目、新品の比較
1997年、2007年からの毎日使い 及び 未使用新品の経時比較 (2017年5月現在)
毎日使いで20年目、15,00回の洗浄で内側の塗膜が薄くなり朱色濁りはじめてきました。洗い減り、小ひびがでると塗り直すと新品に近い状態に再生します。(艶が消え汚れてくすんだら鹿粉で磨きますが、この普段実用観察ではそのまま)
■朱汁椀(小)四寸 直径122 x 70 Hmm(高台 62 x 15mm) 1985 – 2007 2007年新品 上代価格 18,000- )
■朱内黒三段重 新品 152 x 152 x 124 Hmm 一重39mm 被せ蓋10mmT 582g ( @100,000- / 2007 )
■椿皿 五寸(五枚組み) 直径 151 x x36 Hmm 高台101 x 12Hmm 68g -70g -74g (側面が椿の花房に似ている形の雅名)
■栗溜め漆皿 六寸 3枚 新品 直径180mm x 33 Hmm 107g -115g -129g
■内朱半月弁当 200 x 225 x 60 Hmm 蓋18mm 新品( 中仕切り186 x100 x 38Hmm )477g
■黒朱小判弁当 183 x 119 x 48Hmm 新品 内仕切り:37 x 95 x 36 Hmm 160g
佐藤阡朗 略歴
1941 青森県八戸市に生まれる
1963 多摩美術大学彫刻科入学、67年卒業
1965 松田権六先生に導かれて呉藤友乗先生へ入門
1966 石川県伝統工芸養成研修講座にて三年(三期)に渡って加飾を学ぶ
1996 佐藤阡朗 漆展 宇都宮西武 講演「漆の話し」
1968 明漆会へ初参加 以来25年間
1970 木曽平沢へ
1970 工房を造って独立「漆工芸創元舎」以後東京を中心に全国で個展を重ねる
1991 ~ 日本民藝館展審査員歴任 東京民芸協会理事
1994 – 1995 木曽暮らしの工芸館顧問
1995 Victoria and Albert美術館に作品収蔵
国立近代美術館”塗りの系譜”招待出品
ミュンヘン ギャラリーフレットヤーン個展
1996 第12回クラフトフェアまつもと ギャラリー作品展示
1996 ~1998 長野県技術アドバイザーに依嘱歴任
1998 世界漆藝交流展台湾へ招待出品及び講演
2000 国立近代美術館 “うつわをみる” 展招待出品
2003 「季刊銀花」 第百三十六号に特集記事「塗の華ひらく漆の學校 阡朗さんの漆の学校 木曽の師匠と三人の弟子たち」
2007 佐藤阡朗 漆の器展 工藝マエストロ 松本市 「講演:いいものをつくりたい」
漆工房 佐藤阡朗展 ギャラリー江 銀座
2008 個展 ギャラリーおかりや 銀座、工藝きくち 熊本市
2009 個展 ギャラリー 江 銀座
2010 佐藤阡朗漆芸展 ギャラリー田中 銀座
2014 佐藤阡朗・小高千繪二人展 OUTBUND 吉祥寺「お話し会:手が産業、暮らしが労働」
2015 漆工房 佐藤阡朗展 ギャラリー江 銀座
2017 佐藤阡朗漆展 ギャラリーおかりや銀座、漆芸 50年 ギャラリー陶夢 鹿児島市
■漆工房創元舎
〒399 – 6302 長野県塩尻市木曽平沢 (旧木曽郡楢川村)2290 -16 TEL.0264 – 34 – 3134
8.5寸 朱塗面取り鉢 2015 個展案内
縁黒朱面取鉢 2007 個展葉書
潤塗栗平鉢 径45cm 1996 個展葉書
印刷資料・雑誌記事
「私と漆」創元社の工房メッセージ 1995年11月
「物をつくる」MANO 2 クラフトフェアまつもと 1996 松本クラフト推進協会
季刊銀花 2003 冬 第百三十六号 特集「塗りの華ひらく漆の學校」阡朗さんの漆の学校 木曽の師匠と三人の弟子たち 紹介記事
講演資料 工藝マエストロ個展「良いものをつくりたい」漆工 佐藤阡朗 2007年10月
和漆は強い殺菌抗菌性があり長い間持続します。食器には丈夫で汚れが付きにくく、最上の塗り素材で、しかも下地浸透力雅抜群で結合接着力は強く、美しく強靱な化粧仕上り。本漆は高価ですが、耐久性も秀れていて、長期間使えるのでコストパフォーマンスはよいのです。
前縄文時代から使われてきた循環系自然素材ですが、無公害、虫や細菌を近づけないクリーンで抗菌性がある衛生的エコマテリアルとして注目。木材や皮革・織布に塗布すると微量でも腐蝕汚染を防ぐ強い殺菌抗菌作用があり、人体は免疫抗体作用が細胞レベルで感応します。漆は樹皮だけでなく、樹体内部・木質まで接触周辺部を清浄に保ちます。最近では、金属やガラス面に装飾する工業用途も開発されています。
*現在の作品販売について:工芸店(工藝マエストロなど)やギャラリーでの販売ですが、新作オーダーではなく、主にストック作品があるものになります。
ⓒ2017 , Kurayuki Abe
All Rights Reserved. No Business Uses.
複製・変形・模造・転載作り変え・画像転用・ロボット、Ai無用、業務利用を禁じます。※不許自動翻訳
木の総合学研究2017 – 2019 「和漆と工藝」「漆工芸の卓越至高作品」「クラフトフェアまつもと作品展示1996」「修複・保存・再生の手仕事」