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栃之王国プロジェクト 森直-山直 / 2008-2013 福島オペレーション-2
栃巨樹群生地・森林踏査、伐採立会いガイド プロの現場作業を公開して次世代継承のイニシエーションとします。
2007年12月7日 師走の 鹿沼市にて「栃の巨木製材見学会」参加。その巨樹を伐採した木樵の五十嵐林業・五十嵐 馨氏と建設工事技師・五十嵐善徳氏に出会いました。声をかけて、木の大学講座や木と人のかかわり、木の総合学研究目的を説明し、栃の巨木を原木売却ではなく、森林現地見学からプロの伐採現場作業、製材加工までの全容をガイドするビジネスデザインセンスが必要な時代へのシフトを提唱しました。
現在、実際のプロの仕事に立ち会うことが皆無で、伐採現場から製材工場も立入り禁止です。安全第一なんて看板がぶら下がり。木材はホームセンターに生えていると子供たちは思っています。
之を機に、「栃巨木」の産出地を訪ねることから深い山里の現業を取材し、栃の木の群生地を調査・記録作業が始まりました。
2008 年4月 福島県大沼郡三島町大字浅岐地区。集落の広大な共有林留山、入山沢を中心にした約173町歩(地区名:淺岐字大清水、保安林73町歩、字割り沢・字庭口、安万沢 他、計 100町歩)。山林道は沢筋一本、脇道が全くない森林・ガレ沢地帯です。(山荒らし多く、ゲートあり。)
山里の人が春に山菜(ゼンマイ)や工芸品材料となる植物(ヤマブドウ、アケビ、ヒロロ、アカソ)、秋にキノコ、栗や栃の実採取等で入山する生活に密着した住民専用の場でした。
雪深く、春先、雪崩で林道破壊が毎年あり、アクセスは、5月下旬から7月上旬まで。夏は、凶暴な目白アブで退散、秋口からみぞれが来る前、11月上旬までの期間が足を踏み込める限られた時間ですので人間のインパクトが少ない。入山沢保安林区は、毎年地形がかわる暴れ沢。
そのため、ほとんど人が入らないため、自然回復も速く、下刈り・枝切りしないと踏み入れることが出来ない鬱蒼とした斜面が重なる極めて良好な自然環境。動植物は多く、蛇・スズメ蜂・熊もよく見かけますが、鳥類・昆虫ほか生態調査はこれから。
集落の共有林は、地元山里生活の糧を供給してきましたが、食料として栃の実採取をつづけ、代々大切に巨木を残してきたため、100-300年生の大木が群生してる貴重な森林となりました。
主要樹種は、栃・水楢・ブナ・水目・水木・欅・沢ぐるみ・鬼ぐるみ・栗・山桑・イタヤ・桂・朴・山桜・樺・山桐・白樺・柳類、植林杉、赤松等。「日本自然森林循環系・特別重要遺産地域指定」(VINWS:Very Important Natural Woods Spot )をしたい。
2008年春、両五十嵐氏の案内で実地踏査を行い、巨木群をみて、これは是非公開し荒らされていない自然林の実相を体験できるようにしたい意向と私の提案が一致、自然観察から木樵・杣作業の現場を公開していくことになりました。
地元住民の協力を仰ぎ、山里に人が訪れ貴重な巨木群を見学し、様々な体験を通じて学べる場ができる。人工物のない生命溢れる自然界の実感やセルフリフレッシュ、未来への継承自然環境遺産であることを認識する絶好の期会になるでしょう。知らない、見えないものになっていた職能領域を新たなオペレーションで取り組み、更新できる手立てにもなり得ます。
当初は、数人でマークした巨樹の撮影・実測を続けましたが、山奥の実学的調査作業と伐採作業も一般の人にも見てもらえる稀少な期会と考え、同行参加型の実務立ち会いを具体化。道無き深山にはいることは、危険が伴い、安全策を検討。地元スタッフが道造りや送迎案内等サポートし、研究者がその場で解説を行う同行イベントが新しいステージ・仕事・魅力を創り出すことにも繫がる可能性があると判断。
この取り組みは進展し、2年目に参加した東京・山形から20代の二組の若者が町に移住、仕事をはじめました。後続組みもぽつぽち。
2013年、現在まで事故無く(スズメバチに刺さされが一件、直ぐに柿渋で中和・毒消し、医院につくころまでには回復。事なきを得ましたが)観光見物・ピクニックとは次元が違う、手入れ・整備された疑似自然ではないリアルな自然林紀行、プロの山中仕事立ち会い、こうした現場作業・実労を通じて山直・森直でマテリアル購入、コストセーブ。木材や山産物工芸材料・食の恵みも同時に味わう本格的なプロジェクトが続きます。
参加メンバーは、20-25人/回、画像は、2009年9月見学会撮影 / アイキャッチ画像は、入山沢藤座左衛門の釜 「栃のクイーン」
構想立案、運営方策へのアドバイス、Map・記録作成をサポートしてきましたが、協力的な山里人に出会い、様々な教示を受け、何かが見えてきたと感じています。「栃の王国」命名は、阿部藏之 主催メンバー:五十嵐 馨、五十嵐善徳 、武石文敏、諏訪幸彦 他
*年間催事:巨樹群見学会/春秋、初夏モアダ採取体験、新月伐採見学会、初冬の製材見学会・頒布の他、木工体験プログラム *詳細は「森の仕事舎 山と木の集い」www.aizukiri.or.jp/shigotosya/morinoshigotosya.htm
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木の総合学研究 2013- 2019「森林踏査・巨樹探訪ガイド」