「木」とともに生きる「木」とファッション「木」と信仰「木」と健康「木」と医療「木」と環境「木」と産業「木」と神話・伝説「木」と遊び「木」と食「木」の人名・地名「木」の文化「木」の本「木」の歳時記「木のぼり」「木識・木学」伝統文化修複・保存工芸庭木・景観樹日本の自然色木と人間の関わり木と文芸木の総合学木花・木の実樹木箴言・格言環境

「柿」スーパーフルーツツリー・生活共生樹 「木の総合学」のための良書 ベストブックライブラリー 2017

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

「木と人間の関わり」を総合的に研究するための資料は、引用・コピーではなく、可能な限り現物とオリジナルを収集します。複写・複製では本来の凄みや実感が削ぎ落とされ、資料力が殺がれてしまう。

1975年から現在までに出会った図書や新聞雑誌類の記事、写真等で最も多くファイルされたカテゴリーとタイトルは、「漆」「柿」「炭」に関するものでした。この三分野は、日本の暮らしや文化に密接にかかわってきた重要樹種であることがわかります。

「カキ」の用語を拾うと多様性と実力がみえてきます。

甘柿・渋柿、黒柿、豆柿、フルーツ、菓子,柿剥き、干し柿、柿渋・タンニン、渋抜き、食料・保存食、葉・茶、滋養・健康食品、植物染料、自然塗料、防水・防腐塗料、清酒降り下げ、蛋白毒中和剤、柿酢・ソース調味料、調理、箸器、柿の葉寿司、葉包み、渋紙、接着、なめし、防水、漬け物、ジュース飲料、格言・諺、説話、民話、習俗、信仰、正月飾り、庭木、木登り、接木、嫁の木、果樹栽培、収穫販売、遊び、玩具、俳句・詩歌・小説、絵本、図鑑、実用・研究書、歴史伝承、人名・地名、蛋白・重金属・アルカロイド・カフェイン吸着、防カビ・殺菌剤、抗菌成分、ビタミンC、カロチン、医薬、ライフサイエンス、エコ・バイオテクノロジー、品種、伝統技術、言い伝え、写真・映像、心象風景、柿の道具刃物、渋紙、タトウ・保存箱装、工業材料、化粧品成分、生活樹、道具、工芸材料、薪・燃料、柿剥き、柿鉋、柿の種、柿色、柿尽くし、etc. 「KAKI」は、世界でフルーツの普通名詞となりました。

「カキ」に関する資料 主なファイリング分類

①俳句・詩歌・エッセイ、文芸、説話・民話に現れるカキ

②果樹栽培、生産加工技術に関するもの

③食べもの、調理、菓子造り

④柿渋 染料・防腐、塗料利用、呈色試料

⑤工芸用途  素材と技法

⑥生活習慣と伝承 信仰、民俗、歴史・文化

⑦医薬利用、抗菌防カビ作用 健康 発酵   ライフサイエンス

⑧イラストレーション、画像、映像、絵画

⑨学習教材 教育科目 試験・研究

⑩庭木・果樹 景観樹

⑫環境・資源

⑬修複・保存

⑭その他

「柿」について調べると、衣食住から医療、工藝、俳句・説話・諺・地名人名にいたるまで個別の事例が多く「柿の博物誌」ともなる相当のボリュームです。特に菓子・食品加工と柿渋の用例が際だちます。フルーツ果樹栽培はもとより、製菓、酒造、漁撈、建材塗料、染色、漆工、木工、医薬の業種では、現在でも重要な産業素材です。

日本産スーパー有用樹カキについては、優れた研究レポート・実用書・絵本などが多く出版されています。果樹栽培 品種生態 栽培技術 民俗歴史 果実の加工や柿渋利用。食品・栄養と調理 器材用具・工芸的利用 文芸 地名・人名から習俗に至る様々な研究が進み、多くの事例が明らかにされてきました。専問領域を超え、カキと人の深い関わりを精査していくと異分野の関連性を見出すことができます。

カキに関する総合資料

集まった様々なデータを読み解くと、カキの事象を総合的にとらえる事ができるようになります。包括的な視点からの総合学習、地道な研究課程から総合学研究の一端も見えるようになりました。データベース作成へつながる良書・ベストブックスがライブラリーに並び揃います。

①「岐阜県のカキ」 生活樹としての屋敷柿とかかわった暮らしの歴史

石垣和義   2016 樹林舎   ISBN 978 – 4 – 9086 – 27 – 04 – 0    1,800-   p.455  228 x 190  x 23T mm   ペーパーバック

前書

第一章 柿を理解するために 語源・姿・形 日本のカキ・岐阜のカキ、語句

 第二章  各地の屋敷柿と名木・古木・話題のカキ

第三章 県内カキ産地の沿革と概説

第四章 岐阜県のカキ栽培技術の変遷(技術史概観)

栽培関係 肥料 病害虫防除 管理作業 気象災害と防止法 選果・出荷

第五章 カキの利活用・加工法

第六章 岐阜県のカキを広めた人びと

第七章 カキに関するあれこれ

理諺 成木責め 俳句・短歌・校歌 伝説と民話・俗信 カキの機能成分 柿寺 富有柿の里

巻末資料

あとがき

 カキのあらゆる面を実学的に取り上げて、育種試験研究から製品化まで、歴史伝承に基づき総合的に考究した労作。

元岐阜県中間農業試験場長の樹木医が、研究とともに30年以上にわたり岐阜県内の有名無名の柿の木を訪ね、その品種、特性、栽培法から料理法、民話伝承に至るまで踏査。栽培から加工、利用法、販売まで詳述し総括的にまとめたもの。

新聞記事 日本経済新聞2016年12月27日 庭の柿熟れた知惠 石垣和義

②「柿渋」 今井敬潤 ものと人間の文化史115

2003  法政大学出版局   p.280  ISBN:4 – 588 – 21151-x  p.281   135 X 190 X 20T mm

目次

はじめに

第一章 柿渋の生産と利用の歴史  近世の文献資料にみる柿渋 近世以前の文献資料にみる柿渋 柿渋の呼称 −  柿油、柿漆、柿膠

第二章 柿渋の伝統的利用法 魚網と柿渋 木製容器と柿渋 衣類と柿渋 和紙製品と柿渋  建築塗料としての柿渋 醸造用資材と柿渋 養蚕と柿渋 民間療法における柿渋 毒流し漁法と柿渋

第三章 古い歴史をもつ柿渋屋を訪ねて 京都 大阪 広島 岐阜

第四章 備後、富山における柿渋の生産と利用

第五章 柿渋造りの伝統的技術  柿渋の一般的特性 原料柿の品種 果実採取時期 果実採取から製造開始まで 他

第六章 これからの時代の柿渋  柿渋の化学特性 現代の柿渋の利用 今後の柿渋の利用の可能性

引用文献 付表 年表 資料提供者一覧

あとがき

柿渋使用の民俗と歴史について文献・資料から詳細に記述した労作   柿渋の本質がわかります。   古来からの日本人の生活必需物質であり、生物循環有用樹について具体的な利用方法等について解説。有用樹の総合學習の教材使用の試みなど、伝統的発酵生産物の今後の可能性にも言及しています。抗蛇毒作用について記述がありますが、蜂刺され蛋白毒中和や最新の黴び避け・防腐用途の記述はありません。

柿渋は自然発酵の高分子化合物ですが、精製後は放置すると酵素の作用で液状からゲル状になり、プラスチック化します。2年〜3年発酵させた古渋は、いろいろな用途に使われます。青いうちに収穫し、ミキサーで砕いて自然発酵させる渋柿原材料は、混ぜない「一筋もの」が高品質とされています。乾燥すると消えますが、独特の匂いがあり,衣服に着くととれません。

 ③「柿と人生」 傍島善次

昭和55年 1980  明玄書房   p.189    158 x 221 x18T mm    3.800-

目次

まえがき 1 カキと日本人の生活 2 カキ属植物の種類とその分布地域 3 カキの原生地と栽培沿革 4 カキの品種

5 カキの枝葉、花、果実および根の形態的特性 6 カキの発育生態 7 花芽の形成と結果習性 8 カキの結果管理

9 果実の肥大、成熟  10 苗木の養成 11  開圓、植付け 12 整枝、剪定 13 土壌管理」 14 災害および果実の生理障害

15 病虫害と防除 16 収穫、選別、出荷、貯蔵   17 カキの脱渋 18 カキの加工と利用 19   カキと風俗 20 カキと故事

21 カキと俳句 22 カキの語源と日本人の苗字(姓)22 おわりに

カキに関する栽培研究の学術専問書 「カキの栽培総合論」

④「柿の民俗誌 柿の信仰と伝承」 永野忠一

習俗双書第十四集 習俗同攻会 1996  p.220  134 x 197 x 18T mm

前編 柿の習俗伝承

序説 柿と救荒 柿の木と禁忌 木まぶり 成木責め 柿ならしの予祝 柿の葉 柿と正月

正月祭と柿の果 柿のたねと伝承 柿の果を供える 柿の果と御魂の飯 柿の木は聖木か 聖の感染 柿の木問答

後編 柿の言語伝承

総説 説話・伝説 柿をめぐる民俗語 柿とその名 柿と地名 祭りのころ

引用度の高い文献

後記

 

⑤「あるくみるきく No.225」

1985.11   昭和60年11月10日発行  編集・発行: 近畿日本ツーリスト(株) p.55   180 x 250  x 3T mm

特集」■菓木の王者柿にきく 渋柿、甘柿、柿の渋  山崎禅雄

上品の菓子 / 人煙のかかるところ / 人里の語り部 / 伐られざる柿 / 夜なべの干し柿づくり/ ヤマセ吹く里へ / 佐井の柿 / 品種多し / 富有の柿園 / 峰屋柿 / 柿渋甕 / 魚網の渋染め

柿の雑記帳

Ⅰ  柿栽培と接木法 中川重年 Ⅱ 日本の柿生産をみる 賀曽利雄 Ⅲ  宇治田原町のコロ柿 印南悠子 Ⅳ 柿渋づくりと渋紙 西山 妙 Ⅴ 柿渋とベンガラ塗・漆塗 須藤 護

■菓子柿食かがみ  柿の特性と柿料理  江原絢子

⑥「萬能樹 柿の惠み」  季刊 銀花  第百十二号・冬

1977 文化出版局 p.33~ p.50     182 x 257 x 9T mm    1.450-

  特集2 「柿の恵み 日本人の衣食住を彩る万能樹」 柿の衣 柿渋紙 黒柿の工芸 柿の葉ずし 柿漬け 禅寺丸物語 文:太田雅子 柿・菓・選 文:塚本邦雄 「柿王国、日本」 今井敬潤  写真:北条純之・高橋仁己

⑦「 そだててあそぼう㉚ カキの絵本」 まつむら ひろゆき編 きくちひでお絵

  2001   社団法人農山村文化協会 p.36   210x257x9T mm    ISBN 4 – 540 -00093 – 4  18.00-

「つくって、たべて、しらべよう!自然や文化の総合学習」

坊様の秘薬 甘柿渋柿 木・花・種 渋のパワー 品種紹介 栽培暦 一年目の作業 二年目の作業 収穫 大苗定植 実をつける 柿渋をとる 熟柿 あんぽ柿 柿の料理 黒船で世界に広まる柿 あとがき

⑧「柿の里 ふるさとが実るころ」  西村 豊 写真・文

2008    講談社   p.126   ISBN978 – 4 – 06 – 215066 – 8  174 x 175 x 8T mm

季節を巡り現代の柿のある古里の風景を活写しコラムで心あたたまる記述が添えられています。

⑨「干し柿」西村 豊 / 写真・文 絵本  あかね・新絵本シリーズ㉚

2006    あかね書房 p.32   ISBN: 978 – 4 – 251 – 00950 – 0

 196 x 251 x 9T mm   1.200-

⑩「カキ」 フレーベルの科学絵本 35    指導・黒田喜佐雄 / 絵・西口司郎

 1983   フレーベル館  p.28    NDC 8745 – 3935 – 7346   209 x 264 x 10T mm

⑪「しぜんのせかい9 かきのみ」 写真・埴 沙萌 / 文・山田 穆   監修・解説:横溝 久 富有柿について

世界文化社    p.28    450-216 x 266 x 8T mm

⑫「カキ」 中村三夫   NHK趣味の園芸:作業12ヵ月

1996    NHK出版      管理のポンイント  寒冷地・暖地での管理   O&A  主な品種と特性

131 x 182x 8T mm   p.128  ISBN: 4 – 14 – 040135 – 4    950-

 

⑯「柿の木」 宮崎 学

2006    偕成社   P. 80    ISBN 4 – 03 – 745110 -7   160 X 210 mm   1.200-

⑬「一条ふみさんの自分で治す草と野菜の常備薬」  一条ふみ

1999   自然食通信社  ISBN:4 – 916110 – 06 – 4   p.185

148 x 210 x 23T mm   1700-   薬用樹:柿・桑・松・ビワ・サイカチ・桃   他 草蔓類

目次

序章

第一章 現代人に増えている病に

ヨモギ コンフリー ツユ草 ウツボ草 コンニャク キササゲ スイカ 大根おろし+根生姜 大根の乾し葉 スギナ アマランス 蕗 柿と柿の葉 アカザ 韃靼ソバ 松葉酒 玉子の黄身と醤油 桑の木 トウモロコシの毛 ツチアケビ 大根の繊維+ウルイ 人参

第二章 身近なものを上手に使って

 ドクダミ ユキノシタ ハコベ タンポポ アロエ デンプン 菜っ葉 豆腐 根生姜 オオバコ 番茶+ 里芋 ソバ + 小麦粉、里芋のパスタ

第三章 覚えておいいていいこと    医者に行く前に

 お灸 ホオズキ イタドリ ウマノブドウ カキネオドシ ビワの葉 サイカチ 桃の葉 アケビ ゴボウ マタタビ 野萱草

第四章 循環の世界に魅せられて

あとがき

索引

植物の医療利用、生活の知恵の民間伝承について具体的なレシピ・用法を記載。

⑭「柿日和」 喰う、詠む、登る    坪内稔典

柿づくし俳句エッセイ(柿に親しむ・ブックガイド 柿の品種・柿いろいろ)

2012  岩波書店       ISBN:978 – 4 – 00 – 025855 – 5  130 x 190  x 17T mm    1.700-

⑮ 語り伝えたいふるさとの民話2   東北地方 「 あたまにかきの木」 文:萩坂 昇 絵:村上 豊  語り:桂三枝  民話の味わい方・作品の背景とポイント:辺見じゅん

2003     世界文化社  CD 付き/ T11268010887   230 x x281 x 4T mm    880-

⑲「秋を丸ごと柿図鑑」雑誌 サライ   1998年11月5日号 Vol.10 No.21

小学館   p.103 – p.118    210 X 257mm

漆工・紙工と柿渋

漆下地に使う柿渋の合着物性は代換えはなく、イス座張りペーパーコードには良質の柿渋を塗重ねると艶がよく、耐久性も強まります。型紙・渋紙は撥水性もある不思議な塗料になります。柿渋は金属又は塩分のあるものに入れると腐敗しますので注意が必要。染め型紙、しぼ・よせ型紙、流紙、表具には,混ぜ物のない「一筋もの」古渋をつかいます。

「渋紙」 白子・伊勢型紙

小紋染色用 染色用具として用いられてきた伊勢型紙の地紙(じがみ):渋紙は、和紙3枚を柿渋で貼り合わせて作られるもので、こげ茶色の強靭な対摩耗・耐水性。需要の減少とともに生産工場も減り、現在では鈴鹿市の白子地区・寺家地区において数社で製造されています。

和紙繊維の絡みを強くし固着安定、糊置き、染料の型抜けがハッキリ  繰り返し使用の耐久性あり。パターン線刻彫り部分が丈夫になり、刃物アタリよく、切り面が毛羽だだない。染め模様がぐずれない精密型紙になります。

浜 本藍染め工房 (松本市 20170529ABE)

新しいメヂカル応用分野

カキのカロチン、渋・タンニン・ポリフェノールの天然有機高分子化合物は、新しい用途が開拓されており、発酵など貴重なバイオ・エコマテリアルとして可能性も大きい環境循環資源。柿渋は、ヘビ・蜂・ムカデの蛋白毒を激しく中和し治療できるだけでなく、ノロウイルス除菌、医薬・化粧品という新たな産業分野へも広がります。人体に無害有益で環境汚染やゴミ排出がない土にかえる有機素材です。

ⓒ2017 , Kurayuki Abe All Rights Reserved. No Curation and No Business Uses.

複製・変形・模造・引用・転載・画像転用・キュレーション・業務利用を禁じます。作り変え、まとめサイト、ライター無用。

木の総合学研究 2017 「カキの本」「カキの博物誌」「多用途スーパーフルーツ」「カキのフォークロア」「自然然循環エコマテリアル」「柿渋のクラシック技法と最新の研究」

▼ お気軽に一言コメントをどうぞ

次の記事: