日本の自然色 | 樹木調査 | 環境
裏山の秋 開拓時代薪炭林伐採から、ここは植林しないで原野自然更新50年
阿部蔵之|木とジョイントの専門家
何も手を加えないで原野が森林に復活していきます。紅葉・落葉で樹種が識別できる季節に
戦後引き揚げ者による開拓地で、薪炭林の伐採、採草地利用のあと放置された原野は、赤松・白樺が入り、次第にジシャなどの灌木類、胡桃・栗・楢が侵入、その後は、イタヤ・朴・水木・桐が実生で成長しています。赤松・白樺がそろそろ衰退してきました。
この地域では、全山唐松、一部民有林で檜・唐桧植林。放置された畑・草地では、広葉樹が次第に生えて生長し自然状態に近づきます。樹木の遷り替わり、世代交代(植生遷移)は、十数年でおこり、木の景観がかわります。
人工植林地帯は、間伐などの手入れがされず、山荒れがおきていますが、伐採後は自然回復に任せる林業政策もヨーロッパでは、既に始まっています。
台風などで人工植林地帯が根こそぎ倒れ、自然の有り様を尊重するやり方へと移行。国内では、このところ、根こそぎ崩落災害がでて、画像を見ると杉の植林現場が目立ちます。
紅葉・落葉のシーズンは、葉形・実・樹肌・樹形などの特長をつかむ樹種の識別の季節です。春一番に唐松、白樺、桑は、最後に葉を出し、散るのも最後です。樹木の新緑季節は、ほぼ一斉に近く、結果・紅葉、落葉は、それぞれ次世代生き残りの活動タイミングがあります。林床に早く実を落とし、自分の葉を一面に敷き詰める唐松は、集団コロニーを作って排除するし、霧・朴のように大きい実は、大型の鳥に食べられ遠くへ運ばれます。
音も無く・静かな森林内部では、動植物のせめぎ合い、食連鎖がくりひろげられ、優性なものが伸びて大きく立ち上がり、数百年もの歳月を生き抜き、生存時間を持続。地表最大・長寿の樹木は人間の生存持続・生命維持装置の中心的存在です。
四季・多雨日照に恵まれて、再生循環も早く、中部山間地帯では、豊かな植生が持続できるのです。当地は、上高地とほぼ同じ植生のようです。
紅葉・落葉は、だいたいの順番があります。南面傾斜地の始めは、白樺・鬼ぐるみ・桂・真弓・深山桜、黄蘗・栗・楓・小梨・水楢・柳・唐松そして最後に山桑。
楓・朴・深山桜・水木・唐松(後)・赤松
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「木の総合学研究 2013」「自然林更新」
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