「・・・の木」「木」の皮膚科「樹木イメージ・図象」

極薄樹皮の立木抗菌・虫ガード  侘びさび谷の吊り花の木に蟻は昇らず。花実の虫避け成分は資源植物にノミネートされていない下層陰樹の潜性素性 その他の「L」Insight 木の内科-34

阿部蔵之|木とジョイントの専門家

樹皮を厚くしなければ、害虫や菌類の寄りつき宿りはおことわり、喰われにくい。下層・陰樹は害傷ダメージを受けにくい場所で逞しく根・枝張りし、地味なパッシブライフ守勢を持続。美味しそうにみえない、居心地が悪そうに外見を賢く装う。

木材専問書に登場しない花木に分類されている広葉樹堅木。「吊り花」は華麗鮮紅で園芸趣味の世界では散見しますが木材学研究はなく、灌木・雑木類でかたずけられてきました。植生、材質、薬理応用資源植物の研究もなく、現在まで素性はわかりません。 抗体色素や樹脂、忌避・攻撃物質を造らず無理しない生存スタイルに注目しています。

  

亜高山地帯林縁でファミリー植生 ニシキギ科  25yrs.  元木径:72 x 71 mm  樹高:約9m  生木密度比重: 約 0.7 g/㎤

樹皮: 表皮 約0.25mm  内皮 約1mm  緻密な硬質環孔材 生木密度比重:約 0.8 g /㎤  芯材・芯央色無地、脂溜入り節に色素、脂の集積はない。

厳冬期一月の新月伐採2017     アオハダに似て極めて薄い樹皮

地衣類をまとい外部からの損傷ダメージを抑制し、黴・虫の寄りつきがない。花実は、虫避け効果があり、樹幹の外皮にも嫌異成分を含むような気配はあります。囓ると苦い。日照が多くない谷筋林縁に育ち、秋の鮮やかな紅花で識別できます。

樹皮肌と内皮

極めて薄い樹皮で菌類・害傷をガードするにはあまりにも薄着で無防備。樹皮に密着している地衣類は共生関係にあるようです。強い抗体・耐久力は、あまり期待出来ない印象ですが、経時変化を観ていきます。

植生の地味な性質を窺うと
①樹皮肌に地衣類を宿らせ薄着をカバー 地衣類は菌類の付着ガード、プロテクターとなる。
②花実に殺虫成分・忌嫌物質を造りだし昆虫類を寄せ付けない。外皮は苦い。
③樹幹な目詰まり緻密な年輪で堅い。靱性に富む繊維質組織で倒れにくく致命的な害傷を受けにくい。
④樹芯赤身はなく、芯央部に抗体色素を蓄積しない。均質プレーンな材質で収縮差、歪みがでにくい.。
⑤薄い樹皮ならば虫・菌類は住めない。攻撃的治癒活動や抗菌バリアガードはでない。芯材、節からの抗体色素や樹脂分を分泌しない。
⑤枝の外皮は、近寄り難い雰囲気で美味しくないように見えるマダラ毒気模様で装う。
⑥他の草木,動物が近寄りにくい林縁下層に目立たないで棲み分ける。

花を枝から分離、薄肌の適応進化

花実を枝から分離して吊り下げることは、昆虫などの枝伝い侵入を抑え、結実を遠くへ運ぶには好都合です。外部環境への順応とは逆に樹皮層のプロテクト機能を弱めるかのような適応ですが、内皮の成長養分の蓄積が少なく、平滑緻密な鮮緑の皮膜で遮蔽すれば、微生物の繁殖や昆虫の攻撃、動物の食害から開放されるというメリットがある。

動けない樹木の生存戦略としては、逆手といえます。厚着をしない高等な戦略という見方が可能です。

自然界では花も装いも見事。樹もよく考えてアピールしていると感じます。

 

花と実

芸術的な色彩構成ですが、まだら縞はヘビと同じような厭嫌警告模様。

室内乾燥では収縮割れ、変色はないままですが、外気風雨を被る自然乾燥棚ストックでは木口に黴び発生、半年後樹皮に死班がでてきました。自然乾燥が進むと招かざるピン虫が入る。

 

自然乾林場棚置きでは、他の虫喰い材から引っ越してくるピン虫が早い。特に目だった性質や特徴がないので利用価値がないその他のL、見たことも無いものは亜種・雑木扱い。

木材利用:鍛造堅炭やネバリ振動吸収性を活かして握り木柄がベスト 材色は淡黄、光沢艶は少ない精緻な材質。切削では逆目強く、染色性、接着、打撃吸収、耐久性は良好です。ツゲの摸擬木(天童では将棋駒に使われた。)

類似木理:栓、トネリコ、欅、さわしば、青タモ  類似樹肌:あおはだ・ツゲ

切り株からの蘖再生はしっかり旺盛

ⓒ2017 , Kurayuki Abe

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木の総合学研究 2017  「吊り花の木の樹相 枝葉  花実  樹皮  樹幹  木理」「極薄樹皮の抗体ガード処方」

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