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古代から親しまれ 秋草にされた花木「萩」 風雅で華のある日本の自然材色 草本山萩の抗菌抗体組織初見 Insight 木の内科-40
可憐な花移ろいを観賞するだけの落葉低木広葉樹。古来から親しまれてきた詩歌・文芸の植物ですが、食べたり工芸材料としては使わないので、内部組織や材質は専門書にもなく未知の領域です。
野分で倒れやすく、太くなると割裂して芯央部から抗菌セルフキュアをはじめ、樹体維持をはかります。芯央とのハイコントラスト、艶やかで硬いソリッド樹幹は、豊穣なバイオ活性を感じさせます。クラシックな和のカラーコーディネイション。
虫・黴びが寄りつけない防衛抗菌有色材質
外皮は、0.1程度の極薄、粒状縦筋突起紋で覆われて硬い皮膜を形成。内皮からミクロの逆放射向芯髄線が入り、繊維がからみ拮抗して風倒に耐える樹体構造。
辺材部は黄色緻密組織で髄部に濃色芯材部ができ、枝落ち・入り節をガード。ダメージへ治癒アクションが芯央から、割れ異変部位の侵入微細菌に向かう抗体のステップ移動が観られます。
生木玉割の木口
木口カット面の色変 生木では淡黄色ですが、空気に曝されると次第に鮮黄色に変化します。
内皮・辺材部が噛むと微かに甘い渋味がありますが、毒気はなく、この黄色は、漆・黄蘗・ニガキ・南天に似ています。強靱な繊維質はトネリコクラス。薬理成分が含まれ、抗菌防衛成分を蓄積しているようです。繊維束周辺部には活性成分を含有。
山萩 7年生 伐採:2018 立春 元口 35 x 34 mm 枝下: 50cm 全高:1m
伐採直後 密度比重=約0.8 平行含水率 15% 気乾比重=約7(予想) 亜高山帯林縁の自然植生
芯割り髄と色変部
干割れ:芯割り色変速度が速く乾燥硬化し、生木材は次第に濃色になり、乾燥収縮すると硬く重い材質感になりました。
強風にあおられても倒れないようにリング状の年輪層冬目は、水平方向の横連結繊維束がつながり強靱。無臭で香りなく、細径木は用途がないので注目されてきませんでした。実も幹も無用樹。
虫・黴びが寄りつけない防衛抗菌有色材質
内皮・辺材部を噛むと微かに甘い渋味があります。この黄色は、漆・黄蘗・ニガキ・南天に似ています。強靱な繊維質はトネリコクラス。淡黄色には薬理成分が含まれ、抗菌防衛成分を蓄積しているようです。繊維束周辺には活性成分を含有。色変が落ち着くまで、ナチュラルシーズニングの結果は数年先です。
ⓒ2018 , Kurayuki Abe
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木の総合学研究 2018 「草本山萩のカット内相、材質変化、抗菌・抗体バイオ活性、有色靱性樹体」
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